なんだか海が見たくなって、カメラも忘れたまま家を飛び出した午後遅く 日没に追われるように車を飛ばした、何年かぶりの海岸通りは無彩色 雲と海とがすぐ向かい合って、その間を雨が落ちていった。 とうめいな雨をワイパーで飛ばして、届かないきみにおやすみ
転んだ後の、 立ち上がり方を覚えたのはいつだっけ 擦りむいた膝小僧に滲んだ血を見て こんな所まで命は行き渡っているんだって 久し振りの痛みと一緒に思い出したんだ 転んだ僕の手を引いて 歩いてくれたあなたの優しさが 確かに僕の細胞を生かしていること 心臓を動かしていること 僕が生きていること それだけで十分だって 思い出せただけで 僕は明日も、きっと生きていける
今日は最悪な日だった。 上靴に書道の墨がかかった。 書道セット忘れた。 社会のノート忘れた。 友達の尺八の扱いが雑になってしまった。 なんか、すごく些細なことだけど ここで気を引き締めなければいけない。 今日が最悪な日なら、いつか最高な日が絶対来るんだって思えばいい。この失敗は無駄じゃないんだって思えばいい。 頑張ろう。頑張らなくちゃ。
おはよう。 そっと、 とうめい 素敵。 おやすみ、 似たようなことばばかりが浮かんでくるけれど ぼくの匂いだって思うことにしたよ。
とうめいが増した空を見上げて 時間が連れて来た光が 網膜に届いたら 今はきっとそれが幻でも 信じられそうな気がしたんだ 吸って吐いてを繰り返す 起きて寝てを繰り返す 限りがあるこの心臓に、記憶に、 あの日確かに 君と僕が笑いあったことだけが 永遠な気がしていた
実る前に落ちて割れた ガラスの破片は ちゃんと朽ちて 地に返ってくれるだろうか いつになく、らしくなかった恋でした。 本当は、もっと上手く笑えたし 本当は、あんなこと簡単に言ったりしないし 本当は、もうちょっと食いしん坊だし きっと偽物だったのね 何も知らないまま 足跡消して去った貴方を いつか後悔させてやる為に 今はまだ泣かない
夜も眠れる頃、寝惚けたひとに抱き寄せられて、わたしの耳もとを寝息がくすぐった。くすぐったいのを堪えて眠れぬ頃。生きたくない日もあったけれどずっと生きてたね。こんなふうになるとは思ってなかったような。けれど、じぶんで引き寄せたような。無防備だった背中が愛につつまれるふしぎ。真っ白でも許して、灰色でも許してみたの。切なくってちぎれても、許してみたの。手と手をつないで。ほんとうの話ってなんだろう。分からないってどんな話だろう。つないでいくよ。ふたり、ひとつずつ。
緑が新しい夏を連れてきたあの日、 瞼の裏に残ったままの記憶を辿って 逢いに行くよ 呼吸するように唄う あなたのことが 好きだから、 四畳半を飛び出して、 あの恒星を目印に 逢いに行くよ ((明日、BUMP OF CHICKEN、 PATHFINDER宮城公演行ってきます!! 1年とちょっとぶりのBUMP先生、楽しみ。))
ねえ、聴いて欲しいんだ 君には イヤホンをはんぶんこして ギターもドラムもベースも 世界に1つだけの唄声も 君とはんぶんこして 僕のこの胸の痛みも、 あったかさも、 きゅってなる瞬間も、 鼓動も、 そのまま半分 君の心に移ればいいのに
踵を鳴らして歩く ひんやり冷えた夜道に あぁ、ついに 白馬の王子様なんて現れなかった なんて嘆いてみるけれど ケーキの上には苺とマカロン ありがとう、と頬張って 実らない恋に手を振って 少し履き慣れたピンヒール 新調したスカートに お気に入りの白いニット アイラインは気持ち少し跳ね上げて リップティントで唇を染め上げたら きっと新しいわたしになる ありがとう、さようなら、 こんにちは、はじめまして おやすみ、おはよう、 わたしの好きなわたしになれ