君は夢で僕は花だった 渦を巻いた風が 僕を掬いとって 秘密を暴こうとする ウソの蜜に溺れた蝶と また夢を食らう蜂が 蝕んでいく音楽たち 色をかげた夏の麦わら帽子が あなたの匂いを抜きとっていく
嗚咽もちゃんと、夢を焦がすまで飲み込んで 脈ばかりが気になって、ぶくぶくと酸素を逃していく 駆け引きと幽白で 向こう側はいつも見えない 苦さもちゃんと、言葉を染めるくらいに噛んで 心臓をとがめる、幾度目かのさよならを忘れないで
低空飛行のあなたを、ただ眺めていたの 夜もすがら光が灯る ほどけて揺れてしまうのは 見え隠れするあなたの手の甲のせい ひとときの慰めなのであれば ご一緒しましょう、飽くるまで 長い渡航の終わりなのであれば 寄り添いましょう、明くるまで
おねがい、サリー 息を吹き返して また夢でも見せて ぼくはまたひとりさ おねがい、サリー 祈っても祈っても 手の中は空っぽだ ぼくをしたたかにして
あいしてるって指でなでる感覚で 口からすべりおちた 秘密の取り替えっこを ガラスの靴を落とす前に どうかそのくちびるから頂けますか またあいたいって届きそうもないから 12時の鐘が笑っている ガラスの靴を落とす前に どうか離さないでほしかった あいしてよって投げるような感覚で 魔法は解けだした
塗りつぶした塗り絵の線画を思い浮かべてつなげていたら星座になった 眠らなくてもいい夜を欲しがりますがあるのでしょうか いざというときのために、眠れる音楽というものをキープして ささやかなまどろみをつかみそこねながら 色を重ねた塗り絵はいつか夜空になってしまうのね
ぜんぶが溶けてなくなりたい もうどろどろに水飴のような 夜景は変わりなく綺麗なのに 私は切りっぱなしの毛先で 冬の風と遊んでおりまする りんご飴は出掛けに踏み 赤い頬染め馴染まぬ予感 君は変わりなく愛されたがり 手にとまる蝶を虫かごに入る 夜は醒めることなく夜で 閉じ込めたぜんぶがふと 逃げ出そうと企み始める 私はゆらゆらと赤い糸で あやとりしておりまする 胸のつかえがとれた頃に 君とまた会いたくおもう
揺れて伸びる夢の波を淡々と見つめていた きらきらとうねる心のすきま 目を凝らしても見えてこない 溺れても花 落としても雪 凍ってしまう指先にじわじわと灯る白の泡沫 ひとときだけの透明 耳を澄ましても聞こえてこない
整えた脈に どうしてかついていかない音 曇った窓を 眺めていても見えないうちがわ つよいひととなりたい 受け入れられるものになれても 浮かんでいる心地しか 残らない とまどったこころに なにもふれてなどこない
まどろみでゆらら ほほえんでいてね 夢中じゃないなんて 星がちかちかまたたいている あしたはひとつ だれのためでもなく 吸って吐いた恋は 頬が赤く染まるように 色づいていく 取って付けた嘘が まるく弧を描いたら あしたは咲く きみのためでもなく 眠れない夜を 越えた向こうで わらっていたい