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CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その⑧

幸いにも、民間人は大体ひとまとまりになってある建物の傍に固まっていた。そして、そのせいかインバーダ達は彼らに一斉に襲い掛かっていた。
「この距離だと、ちょっと間に合わなさそうだな……ちょっと失礼するよ、ベヒモス」
「え?」
突然、デーモンが私の腰の辺りを掴んできた。
「デ、デーモン⁉」
「飛ぶよ」
そう言って、デーモンが“怪物態”に変化した。山羊の脚と角、蝙蝠の翼、長い尾を持つ、大柄で不気味な人型の怪物が私を捕まえたまま飛び上がる。咄嗟に私も能力を発動して、体重をほぼ0にまで軽くした。
「わ、軽い。こりゃ良いや」
デーモンは殆ど瞬間移動みたいなスピードでインバーダの群れをかき分け、人型に戻りながら化け物たちの前に立ち塞がった。
「やあ君達、君達の願いを叶えてあげる。だから望みをお言い?」
デーモンは何故か、民間人たちに向かって何やら言い始めた。
「デーモン、何やってるの⁉ インバーダが……」
「悪いけど、必要なことなんだよね。ちょっと時間稼ぎ頼める?」
「ええ……ああもう!」
仕方ない。とにかく私だけでもインバーダと戦わなきゃ。まずは飛びかかってきたクマのような姿のインバーダの突進を受け止める。能力で全身の質量を何十倍にも上げることで防御には成功した。そして、無防備に晒された鼻っ面に、更に質量を増強させた拳を、思いっきり振り下ろし殴り潰した。地面に伏せた頭をそのまま踏み潰し、続いて飛びかかってきた食肉目型のインバーダもパンチで吹っ飛ばす。この攻撃で、小さなインバーダがいくらか巻き込まれて吹っ飛び、包囲網に小さな穴ができた。

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CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その⑦

「よ、お前も気の毒だったな。ご苦労だった、あとは俺ら『化け物』に任せてくれ」
地上階のエレベータの脇に倒れていたDEM社員に、フェンリルが声を掛けた。多分死んでるだろうけど。
周囲を見回してみると、屋内にも既に小型のインバーダが何体か入り込んでいる。
「あ、俺は中の連中片付けていくから、先に出てて良いぜ。言っとくけど、逃げようとは思うなよ? 撃たれるぜ」
フェンリルが言いながら、ガラスの割れた自動ドアを指し示した。
「うん。じゃあ、お先に失礼します」
手を振るフェンリルに軽く頭を下げて、外に出る。
外もまた、ひどい有様だった。大小さまざまなインバーダがそこら中で暴れていて、モンストルム達の能力でアスファルトも周りの建物もボロボロになっていて、ところどころ逃げ遅れた民間人の姿も見える。
「な……なんで、まだ逃げられてない人も居るのにこんな……?」
「まあ、気性難で閉じ込められた連中も結構いるからねぇ」
隣のデーモンが応じた。
「さて、せっかく出てこられたわけだけど、君はどうしたい?」
「…………まずは民間人を避難させる」
「僕もそうしたいと思っていたところだ。さあ行こうか」

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CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス その⑥

迷路のように入り組んだ廊下を進む。いくつかの独房はフェンリルの仕業か、扉が破壊されていて、残りの扉は普通に開いている。そして、中には誰も居なかった。
「これ、何がどうなってるんですか?」
スレイプニルに尋ねる。
「フェンリルが言ってた通り。外に出られるからみんな喜んで外に暴れに出てるの。ここにいる奴って、結構好戦的なのも多いから」
「へえ……」
「あと、敬語じゃなくて良いよ。ちょっと無理してるでしょ。フェンリルもデーモンも別に気にしないから」
「え⁉ あ、うん、ありがとう……」
しばらく歩き続けるうちに、大きな金属製のスライド扉の前でフェンリルが立ち止まった。
「このエレベータで地上まで出られるんだぜ。大体2分くらいかかるけど」
フェンリルが壁のボタンを押すと、すぐに扉が開いた。そしてエレベータの中には2つの影があった。
「……おいおいマジかよ。警備はどうなってんだ警備は。インバーダにここまで入られてるのは結構詰んでるだろ」
フェンリルが苦笑いしながらこぼした。
エレベータの中にいたのは、頭蓋骨の露出した馬のような姿をした2体のインバーダ。1体は痩せ型だけど体高のある栗毛、もう1体はそれより小柄だけど筋肉がしっかり付いた真っ黒なの。
何となくスレイプニルの顔を見上げると、目をかっと見開いて舌なめずりをしていた。
「……フェンリル」
「ああ、行ってこい」
「ありがと」
「ベヒモス、伏せて」
デーモンに頭を押さえられてうつ伏せに倒れる。直後、すごい破壊音が響いて横の壁が粉砕して、広大な空洞ができた。音の聞こえ方からして、今の一撃でできた穴なんだろう。
「おいで、お馬さん達。速いんでしょ?」
スレイプニルが顎でそちらを指し示すと、2体のインバーダは大人しく空洞の方に向かって歩いて行った。
「よっしゃ、行こうぜ」
いつの間にかエレベータに乗り込んでいたフェンリルに言われて、私たちもエレベータに駆け込んだ。

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企画:ピッタリ十数字 レギュレーション補足

こんばんは、ナニガシさんです。
先日ナニガシさんが立ち上げたポエム企画「ピッタリ数十字」ですが、参加作品を書いている最中に、レギュレーションに穴を見つけたので、埋めていこうと思います。
まずはレギュレーションの振り返り。

・本文の文字数が「10字」「13字」「15字」「19字」のいずれかのポエムを制作し、投稿する。
・参加投稿には、指定タグとして「ピッタリ〇字」を付ける事。
※「〇」の部分には選択した文字数を入れてください。
・期間は2月中。それより前の投稿は指定タグが「ピッタリ〇字習作」に、3月以降の投稿は指定タグが「ピッタリ〇字遅刻組」になります。
・英数字や記号は、半角全角に拘らず全て1文字としてカウントする。
・句読点、「!」、「?」も全部1字カウント。なので「⁉」は2字だし「!!!」なら3字になります。使い方には気を付けて。

ここに1つだけ追加させてください。それがこちら。

・空白(スペース)や改行は文字数にカウントしない。

例を示すなら「カエル」も「カ エ ル」も「カ エ ル」も全部3文字としてカウントされます。
「 カ
 エル」 ←これも3文字。

本番前に気付けて良かった。新ルールも上手く使って、ポエム掲示板を盛り上げていきましょう。

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視える世界を越えて エピソード5:犬神 その④

少女が種枚さんから離れて、かなりの距離を取ってこちらに向き直った。
「……おい君、5歩以上下がった方が良い」
ビーチサンダルを脱ぎ捨てながら種枚さんが私に言ってきた。それに従って、念のため10歩ほど下がる。
直後、地面に巨大な穴が開き、種枚さんと少女は穴の底に落下していった。
「ありゃ、遅刻しちまったか」
聞き覚えのあるその声に振り返ると、鎌鼬くんが自分の背後から穴の底を覗き込んでいた。
「あ、どもッス」
「鎌鼬くん、ひさしぶり」
「ッス」
「この穴、何が起きて……?」
「あの子、師匠は犬神ちゃんって呼んでるんですけどね。あの子は所謂『犬神憑き』の家系の出なんですよ」
「……それが、この穴とどう関係が?」
「それは俺にも分からないけど、どうもあの子は『土砂や岩石を操る』力を持ってるみたいなんですよ」
「な、なるほど……」
再び穴の底に目をやる。しかし、二人の姿は見えなかった。2人の上方に、それまで穴のあった場所を埋めていた土砂が塊状に集まって浮かんでいたためだ。
「あ、もうちょい離れた方が良いですよ」
「えっ」
鎌鼬くんに引きずられるように下がって数秒後、穴から途轍もない破壊音と振動、土煙が上がってきた。