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視える世界を超えて エピソード2:鎌鼬 その⑤

「ぁ…………」
さっそく見つけたは良いものの、何か様子がおかしい。まるで正気を失っているみたいだ。
異様な雰囲気に吞まれて、上手く言葉が出ない。
少年がゆっくりと右手を上げる。何をされるのか分からなかったが、思わず目を瞑ってしまう。顔にまた強風を感じ、ひっくり返りそうになったその時だった。
「見いィつけたぞ馬鹿息子オォォッ!」
種枚さんの声がものすごいスピードで近付いてきたと思ったら、少年の立っていた辺りで、これまたものすごい衝突音が響いた。
(…………『息子』?)
今聞こえるにはやや不自然なその単語に恐る恐る目を開くと、少年のいた場所には代わりに種枚さんが立っていて、少年の姿は無かった……いや、種枚さんの視線の先、10mほど離れた木の根元に、寄りかかるように倒れていた。
「く、種枚さん……?」
「あぁ⁉ ……あ、君か」
自分の方に振り向くと、彼女の表情はすぐ柔らかなものに変わった。
「痛たたた……、『息子』はやめてくださいよ、誤解されちゃう。せめて弟子とか……」
あの少年の声だろうか。彼の方に向き直ると、種枚さんに殴られたのであろう腹の辺りをさすりながら立ち上がるところだった。
「あァー? お前に霊感をくれてやったのが誰だと思っていやがる?」
「いやまあ、それは感謝してるンスけどね?」
2人は随分と親しげだけれど、一体どんな関係なのだろうか。私の疑問に先に感づいたのは、少年の方だった。

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視える世界を超えて エピソード2:鎌鼬 その④

種枚さんに指示されて、一人で通りを歩く。時間がまだ早いせいか、自動車や歩行者もまだ少なくて、人通りが完全に途切れた一瞬なんか、いやに不気味な空気が流れる。
彼女が言うことには、適当なタイミングを見計らって、人目につかなさそうな場所に入り込めば良いということだったけれど……。
そこでふと思い出し、足を止める。ちょうどその位置から横道が伸びていて、この道に入って少し歩くと、そこそこ大きな公園がある。まだ時間も早いし、あそこがちょうど良いんじゃないか。
そう決心して、すぐ足早に公園に向かった。

公園までは早歩きで行けば5分もかからない。すぐに到着して、更に人目を避けるように奥へ奥へと入っていく。
外縁に遊具が立ち並ぶ広場を通り抜け、整備された遊歩道を踏み越え、落葉樹や灌木で敷地外からは殆ど中の見えないエリアにまで入り込み、そこで立ち止まる。
種枚さんの言う通りなら、あの少年が現れる筈……。
その時、背後から突風が吹いてきて、堪らず倒れ込んでしまった。
落葉の積もった地面に咄嗟に両手をついたお陰で、完全な転倒とはならずに四つん這いになるような姿勢になったが、そこに人型の影が被る。誰かが自分を見下ろしているような形だ。
顔を上げると、種枚さんに見せてもらった写真に写っていたあの少年が、無表情で立っていた。

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視える世界を超えて キャラクター紹介①

・千葉(チバ)
年齢:19  性別:未定  身長:種枚さんより少し高い
薄味だけど多分主人公。大学生。昔から霊が見えたが、霊感持ちではなかったために対抗手段がなく、正直とてもしんどかったそうです。ちなみに一人称は「自分」。

・種枚(クサビラ)
年齢:不明  性別:女  身長:160㎝
この物語を主軸になって動かしてくれる人。人。生まれた頃から歯が生えていた所謂『鬼子』(ぜひお手元の国語辞典で「鬼子」を調べてみてください。10代20代の皆さんなら持ってると思うので)。
ちなみに名前は偽名なんですが、由来は「鬼子→鬼の子→きのこ→クサビラ」の連想ゲーム。
手足の爪は通常の人間より長く硬く鋭いものになっており、筋繊維も常人より遥かに頑丈なので、身体能力もちょっと度を越して高い。
また感情の起伏がそのまま体温に直結する体質(熱くなれば熱くなるし冷めれば冷たくなる)の上に気性がかなり荒いので物理的に熱くなりやすい。
あと興奮すると何か角も生える。牙も鋭くなる。口も裂ける。瞳も金色に人外めく。
本人は祖先のどこかに鬼の血でも混じっていたのではないかと考えているが、現実はもう少しすごくすごい。少なくとも純血のホモサピ。
高い身体能力、鋭く頑丈な爪、超高温・超低温になる体質、霊感、あと色々を生かして、怪異を屠りまくっている。得意戦法はパワー・スピード・スタミナのうち相手の得意は更に上回って上から押し潰し、苦手分野は徹底的に叩く脳筋の極みみたいなやり方。持てる全てをフル活用した数々の必殺技には全部きちんと名前がついている。今回使った技で技名を口にしてないのを含めると名有りの必殺技は【垂爪】【推火爪】の2つ。