とある街にて
「あ、白鞘」
とある日の放課後。ひとりで帰路についていた僕――白鞘凪にひとりの生徒が声をかけてきた。歩道橋の上である。
「おや、先輩。こんにちは」
若干の小走りで横に追いついたその人に、僕は軽く挨拶をする。
「もしかしてボッチで帰りたかった?邪魔して悪いね」
「追いついて早々何言ってるんですか」
「なはは、ごめんごめん」
からかうように笑う横顔。馴れ馴れしい態度で話しかけてくるこの人は、高1である僕の一個上の先輩である。
黒髪のロングにまっ黒な目。思わず二度見したくなるような美貌を持つこの先輩の名は八式永里という。
「で、どうしたんですか?八式先輩」
「む、永里でいいって言ってるのに。……今日ちょっと集まれるかな。面白そうな噂が見つかったんだ」
「上機嫌ですね。いいですよ。場所はいつものところで?」
「うん。美澄も呼んだから、三人揃ったところで”それ”を発表するよ」
「僕は先輩がどんな噂を拾ったのか楽しみです」
「ふふん。楽しみにしておいてね。じゃ、また向こうで」
そういうと、八式先輩はとっとと先に行ってしまった。話したいことは向こうで話すつもりなのだろう。
僕は少しだけ胸を高鳴らせると、歩く足を速めた。
――――――
みんなが小説書いてるの見たら自分も書きたくなってきた、ミーハー体質な月影です。これから連載できたらいいんですけど、いかんせん一つ書くのにとんでもなく時間がかかります。忘れたころに投稿するかもなのでご容赦を。
登場人物を少しだけ。
白鞘凪……千ヶ暮高校1年。目立たない方の人間。
八式英里……千ヶ暮高校2年。成績はトップクラス、眉目秀麗、周りからの人気
絶大と三拍子揃ってる人。