LOST MEMORIES ⅡCⅤⅩⅤ
「私、何か良くないことを言いましたか?」
恐る恐る聞くけれど、英人も首を傾げるばかり。しかし、特に追いかけもしなければ弁解するような真似もしないところを見るに、それが普通なのだろう。怒っているようにも見えなかったのは、勘違いではないはずだ。
「さっきの、瑛瑠の付き人の名前か?」
瑛瑠は頷く。そういえば、彼女は夢の中でもチャールズの馬鹿と叫んでいなかっただろうか。
一体チャールズは何をやらかしたのかと、瑛瑠は頭を悩ませた。
沈黙がおりた空気に、英人は息をついて、本日2回目の送っていくという言葉を告げた。
「ミルクティー、ご馳走様でした。」
「いや、大したもてなしも出来なくて。」
英人の家を後にし、今度こそ瑛瑠の家に向かって道を進む。
特に会話もなかったからこそ、瑛瑠はどう謝罪を切り出そうか、悶々と考えていた。
すると、英人がぽつりと言葉を置く。
「これも、見る人によってはデートに見えるんだろうな。」