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LOST MEMORIES ⅡCⅩⅢ

新しい道が色々と見えてきた。それがチャールズと瑛瑠の関係に当てはまるかは別として、選択肢が増えたことで拓けた気になる。
チャールズに話した、イニシエーションについての考察――何らかのプロジェクトなのではないか――を英人に話してみた。
瑛瑠が話終えたあと、英人は口を開きかけたのだが、
「そういえば、英人さんは成人してらっしゃるんですよね?」
今までの話とは何の脈絡もない振り方に、口をつぐんで目を少し見開いた。
「そうだが。」
「それでもなお、イニシエーションと言われてこちらへ送られたのですか?」
「ああ。」
事も無げに言うその様子に、瑛瑠はどう返したものかと閉口する。
「何かこう……なかったんでしょうか。不安や疑問など。」
当初、チャールズを質問攻めにした記憶がよみがえる。それは今も変わっていないかもしれないけれど、英人が素直に従ったのだろうか。
「僕は聡いから。」
そう言ってコーヒーを飲む。面白そうに言う裏にはからかいが見てとれて、瑛瑠は少しむっとする。
「さすが、大人は違いますね。」
嫌みに対して苦笑いを返される。
「僕は、10年前の記憶が多少残っていたんだ。何かあるなとは思っていたし、文献も漁った。それをふまえて、従ったんだ。」