ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 2.コマイヌ ⑲
「…多分、誰かに蹴られたり、カートにでも撥ねられたりして移動したんだろ…2人とも、早くしないと痕跡が消えるぞ」
黎が2人に追跡を促した。
そうだな、とコマイヌは呟くと、ストラップが移動したらしい方向へと歩き出した。
ちなみにわたしは、大事なストラップが誰かに蹴られたのかもしれないと気づかされ、ちょっと嫌な気持ちになった。
そして再度歩き出して数分後―
「あ、」
コマイヌが通路の片隅に駆け寄った。
「これか?」
コマイヌが白いウサギのストラップをつまみ上げる。
「あーそれ!」
わたしは嬉しくて、思わず手を叩いてしまった。
ほれ、とコマイヌにストラップを手渡されたわたしは、受け取ったものをひとしきり眺めてから、彼に向き直った。
「…なんか、ありがとう。わざわざ探してくれて…本当にすごい」
その目から黄金色の光が消えた耀平は苦笑する。