「あの人に似ているかもしれない」 そう思った時点で負けな気がして なんとも思わなかったその目に あの人の影を重ねて 馬鹿な私はまた間違えるのかもしれない
12月25日クリスマスの夜 光を受けてやけに眩しいクリスマスツリーを 1つずつ片付けながら 私が今年のクリスマスを終わらせていくのだ
あの日と同じワンピースに おろしたてのマフラーを添えて 鏡の前でくるりと回ると 1番かわいいわたしのできあがり
もう少し この寒さが早く訪れていたなら 君に甘えるのも簡単だったのかな なんて冷えきった指先を撫でながらぼんやりと
君を好きだと気づけなかった僕の負け
自分へのご褒美はあったかいココアに決めて
紅葉を終えて桜の葉はいつの間に散ったのか わたしは何も変われないまま 笑顔すらもどこかに置いてきたようで ホントのわたしをまだ見せられなくて 割れそうな空虚を内に宿して もう見えない花の残像に思いを馳せている
いつか私は君を迎えることができる?
「大切な人」 だなんていう肩書きだけが 私の心を呪いのように強く縛り付けて 好きなところなんて数える程しか思いつかないのに 嫌いになれない苦しさが 私の知らない君の全てが 歪んだまま繋がった関係を どうしても引き剥がせなくしてしまうのだ
やきもちが大きくなるごとに 堪らない罪悪感に押しつぶされそうで 幸せを独り占めしたい心が また誰かを苦しめるのを知ることがつらい
こんなに君を好きだったなんて気づかなかった 手を伸ばしても届かない君が 目が合う度に声をかけてくれたことが どれだけの奇跡だったか今更わかってしまう 私を呼ぶその声が心の奥を甘く痺らせた記憶が 私を揶揄うその仕草が 戻ってこない日々に閉じ込めた君への思いを こんなにも溢れさせてしまうのだ
君が手の届く距離にいるなら 私が恋を思い出すことも容易いのに
太く強く繋がっていた紐が 少しずつほつれていくように 時の流れとともに 迫ってくる未来が私たちを さよならに近づけている 来年の夏 私は1人 どんな風に生きていればいいのだろう
君とのことで笑うことが出来なくなって 心が壊れる時にはどんな音が鳴るのだろうか
泣いてしまいそうなほどに 丸くて明るい今夜の月を見上げた 来るはずだった未来が 起きなかった過去に移り代わって 私だけがそれを抱えたまま ぼやける街灯の光を眺めるともなく眺めていた
夕方になると思い出したように降り出す大雨が 都合のいい私の心のゆらぎのようで 遠くから眺める私のいない時間を 見ないふりしか出来なくて この寂寥感が心を埋め尽くす前に 自分勝手な私を捨てなくちゃ
君に焦がれたこの夏を 待ちに待ってしまった今を 私の大きな冒険を 踏み出しかけたその一歩を 今、ぽっきりと折ってしまう君は 涙を隠す私のことを この画面の向こうできっとまたすぐに忘れる
君がもうここにいないことが 私だけの特別でないことが こんなにもかなしい 交わした約束が叶わなかったことも いままでどおりいられないことも 壊れそうなくらいさびしくて 引き止められない君を ここで待っている意味なんか探しても仕方ないのか
きみがいれば 雨だって幸せと思えるのに
あなたを見ている わたしがいる
私、君の彼女になりたかった
遠くに行ってしまったきみのこと わすれないように きみを心の中に溢れさせてしまったから 突然きみの帰りを知ったわたしは 強くなってしまった好意の渦の中 ただきみにあいたいが止められない
おはようってニコってしようとした その影から現れた君の姿に 驚きすぎた私だから すこし言葉に詰まってしまったんだ 君に初めて会った日から 突然君が現れる想像とかしてたはずなのに そんな現実しあわせすぎて 1人前を歩きながら 笑顔を噛み締めるのに大変だった
思っていることを 思い続けていたことを 久しぶりにまた書き出してみたら 私は少し変わって見えた
何もしない日が一日ないと きっと力尽きて倒れてしまうよ
言わなかった思いを 今更ぼそりと小さな声に乗せて呟いてみる 君との思い出なんて数える程しかないから 君を初めて見た日のことを なんでもないように語る私は 君のいないこの街で 君をいつまでもわすれられない
季節外れの冷たい風に吹かれて 冷えきった私の手を温めてくれる誰かが欲しい
昨日の大雨で 遅咲きの八重桜の花まで散ってしまった 私の表情からは きっと、不安は消えたんだろう 一緒にお弁当を食べるひとがいて おはようって微笑むひとがいて 私の生活概ね順調なはずなのに まだ私のほんとは猫を被ったまま 慣れないメイクの下の私を まだ誰も知らない
きみはきっと大丈夫、私がいるから きみはきっと大丈夫、私がそばにいたいから
君のスマホに残る私の痕跡は きっと周りの誰よりも少ないだろうから はるか遠くで地面をふみしめる君が 一番最初に忘れるのは 私だ