ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 2.コマイヌ ⑳
「別にさ~、なーんか面白そうだから付き合っただけだぞ? 後から後悔したくないし」
「耀平っていつもそうだよね。自分がちょっと興味持ったことにはすぐ突っ込んでくもん。むしろ犬より猪」
いつの間にか能力を消したネロが、耀平に向かって嫌味っぽいものを言った。
「おれは猪じゃねーよ。でも、やらないで後悔するのは一番嫌じゃね? 折角この世に生まれたんだ―たんと生きてやらねぇと」
彼はネロの嫌味をものともせず笑った。
彼のその言葉は、彼そのものを表している―そうわたしは思った。
「んじゃ、行こかーっ」
耀平が軽く伸びをしながら歩き出した。
他の3人も、彼とともに歩き出す。
ちょっと物思いにふけりかかったわたしは、慌てて彼らの後を追った。
「今日は、本当に、ありがとうございました!」
日が暮れかけて薄暗くなったショッピングモールの裏手の路地裏で、わたしは今日すっかりお世話になってしまった4人に頭を下げた。
あの後―落とし物を探した後、わたしはずっと彼らに付いて回っていたのだ。