六畳の畳部屋 夏風が通り過ぎて 固まった空気と私の心をほどく チックタックチックタック 時計の音がするっと入り込んできた 縁の下に忘れられた植木鉢と私 飛行機雲に手を伸ばし「寂しい」と笑う君 ひとりぼっち超えてふたりぼっちになれたらな りんっ と何処からか夏の音が聞こえた
出逢わなければよかったって何回思っただろう 出逢えてよかったって何万回思っただろう いがみ合い笑いあい 辛くなって雲隠れ 思い出すは何でもない日常 と君のちょっと馬鹿にした笑顔 もう一度なんてないの 私と君 交わってはいけなかった 神の悪戯 無情な運命 ねえ、聞こえてる? これがほんとに最後なんだよ 私は君と出会った事後悔しないから 私は君と出会った事後悔したくないから ばいばい 一時の幸せをありがとう
ぽつり 灰色の空を見上げる ぴちゃっ 泥が跳ねる ぱらり 田んぼの神様に祈る ぽつり ぽつり 今年は豊作でありますように さーさー やさしい雨 今夜は素敵な夜になりそうだ
ぽつぽつ あめあめ パンの焼ける香り 音立てるやかん ぱらぱら あめあめ 窓辺に腰掛け 傍らに珈琲 ばらばら あめあめ ギターと雨音のハーモニー ぱらりぱら ぽつりぱら ぱらりぱら ぽつりぱら 屋根叩く雨の 子守歌
汚い心分厚い雲隠し オレンジ投げつける 立ち上る霧に 彼等の姿は消え去り 自分の心は行方不明 透明人間の成れの果て 石を投げつけられ 明日なんて無くていい人生 誰の為に呼吸をとめないのだ? 滑り堕ちる未来 後悔という足跡を辿り 何時ぞや見た夢物語 睡魔に負け出逢うは 幸せ夢未来 叶わないのに望んでしまうのは君と出会ったせい 消しゴムで消せる様な人生に憧れ イカロスの羽を嘲笑う いつだって僕らは他人事のふり
たとえわたしが流行病で死んでも 「そうか」と流せてしまいそうなおだやかな日だった
眠りについた街を見下ろし 君は艶やかに笑った 朝日が差し込むと同時に 黒いフードを被り 人混みに紛れて消えた 人に鎌突きつけて囁く 「ねぇ、まだこの世界で生きるの?」 機械仕掛けの街を見下ろし 君は無邪気に笑った 手に届く夢を追いかけ回る 彼らを嘲笑うように 目の前で閉まる電車の扉 人に鎌を突きつけて嘯く 「ねぇ、そろそろ諦めたら?」 それでも回る世界を見下し 君は口角をあげる 「ねぇ、ボクが滅ぼしてあげるよ」
午前7時 気だるげな朝日が差し込む京都駅 人気もまばらに 高速バスから降りるギター少年 当たり前の日常が 思い出になってしまった時 真っ先に思い浮かんだ君の笑顔に 小さなひびが入る 「さよなら」 空から雨が降ってきた 「ありがとう」 そっと心に刺さった棘を押し込む そうだ、きっとそうだ 僕は君を照らす月になりたかったんだ