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      揺り籠

どこにも逃げられず 独りになった
何日も何年も 同じことの繰り返し
揺れる前髪 戸惑う心 空中遊泳中
全てがスローに 不安定なこの世界

遠くのものは近く近くのものは遠い
はっきり見えていた筈のものがない
どうしても理解できないまま苦しみ
どうしても捨てられないまま抱えた

ふわふわと 何処にも着地できない
どうしてもこうしても 同じことで
揺れる心臓 割り切れないで悩んで
なにも知らないくせに 知ったふり

ふらふらと 行き先が決められない
なにしてもうまくいかないのはなぜ
観覧車の中で 景色も見ないで眠り
せっかくの宝物を喪った ほらまた

上手くいかない 上手く息できない
なにも歌えない なにも作れないで
情けないな そこに合ったものすら
いとも簡単に壊してしまったあの日

鳥籠の中で 呼吸も止められない鳥
僕らの縮図 誰も死にきれないのさ
ブランコに乗って 揺れ続けた心臓
祈ることも忘れて ずっと泣いてる

また煌めいてゆらめいた雫 溢れた
宝石のよう でも一瞬で枯れ落ちた
これで今夜は眠れるかい 震える手
言葉の一つ紡ぎ出せず やるせない

それでも僕らは 生きるしかなくて
風に揺られながら 流れ着く先には
きっとなにも転がっては ない筈さ
そう信じても まだ揺れ続けるんだ

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ずどどど、かしゅり、ととんたん #7

「今日はどうしたの? お菓子を買いに来たの?」
「いっ、いえ。今日はおばさんにお礼を伝えたくて来ましたっ。遅くなってごめんなさいっ。親に寄り道とか禁止されてて、しかも最近塾に通い始めてなかなかこのお店に来れなかったんです。今日は塾もなくて、残業で親の帰りが遅いのでやっと来れました。あのとき、おばさんがいなかったら、わたしは犯罪者でした。本当にありがとうございますっっ」
 ウエハースちゃんは深く深く頭を下げた。
「いやいや、そんな大したことしてないわよ。あたしだって、ウエハースちゃんに犯罪者になってほしくないもの。でもどうしてあんなことをしたの? 手短に済ますからとりあえず中に入って。あ、あと、そこにいるのはわかってるのよ、飛鳥ちゃん! あなたも来なさい」
「はっ、はいっ」
 急に名前を呼ばれて、私まで上擦った声になった。


 ウエハースちゃん、改め、美結ちゃん。ここから一番近い小学校に通う四年生。
「わたしの親、すごく厳しい人で、お菓子とかゲームとかテレビとか禁止されてるんです。でも、わたしあのアニメがずっと大好きなんです。幼稚園の頃に観ていて、すっごく憧れだったんです。それで、どうしてもカードがほしくて、つい……わたしが許されないことをしたというのはわかっています。本当にごめんなさい」
 最後のほうは話している、というよりほとんど泣いているようだった。