夜の帳(とばり)
夜は闇
闇は夜
それは誰もが疑いもしない
然るべき真理、というのも嘘くさいけれど
それはりんごが甘いように
それは鳥が空を飛ぶように
それは音が心震わすように
揺るぎない真理、そう君だって思ってる
今だってそう思ってる
けれど僕は見たんだ
あの日、あの時、あの一瞬に
見つけた 何を?真っ白な夜を
眩いほどの白き闇を
目がくらむような
帳が銀幕に変わる瞬間
それはりんごが酸いように
それは飛べない鳥のように
それは四分三三秒のように
優しくノートが引き千切られる
ゆらめくような光ではない
確かにここにある
陽炎のような光ではない
顰蹙せざるを得ない
そんな夜に足跡をつけて
真っ直ぐなんて歩けないから
ただひたすらに
ただただ愚直に
真っ暗な朝へと歩くんだ