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【第一部 FANATICALとADDICTED】p.1

1話 狂信的で依存的な


「ただいまアディくーん、愛しのハニーが帰ってきたわよー」

 07号室の扉が開き、派手な服装の少女がにこにこしながら闖入してきた。

「おー、おかえりー。ファナ、遅かったな」

 アディくんと呼ばれた少年――アッドは簡易ベッドに横になって、本を読んでいた。その隣には文庫や新書など五冊が積まれている。
 アッドは少女をファナと呼んで、一度振り返っただけで読書を再開する。

 時刻は午前0時。子供が出歩くには遅すぎる時間に帰ってきた相棒を心配する素振りを見せないアッドに、ファナは不満そうな顔をした。

「ねーちょっと! 親愛なる女の子がこんな遅い時間に帰ってきたのよ。心配してよ!」
「別に心配することないだろ。襲われても倒せるんだし」
「そーうーだーけーど! 何、ファナには興味ないんだ?」

 ファナは拗ねた顔でベッドに寝そべるアッドの上に跨って座った。アッドは苦笑して本を閉じた。

「なんか飛躍したなあ」

 アッドは起き上がって、左手でファナの頬を優しく撫でた。その左の薬指にはめた指輪はファナとお揃いだ。

「じゃあどこ行ってたの」
「えー、どこだと思う?」
「自分で言わせといて……」

 不平を漏らしつつもアッドの表情は愛しい者を見るときの微笑みを浮かべている。ファナはその手を優しく包んで、満足げな表情を呈している。

「それよりね、ファナ、今日10万も貰っちゃった」

 ファナはそう言って剥き身の10枚の紙幣を鞄から取り出し、無邪気に少年の目の前に突きつける。アッドは複雑な心境で眉をひそめた。

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【プロローグ】p.3

 私はFANATICAlの質問に「そうだね」と答えた。FANATICAlは「じゃあ最期もお揃いってことね」と満足そうに言った。そして続ける。

「天国で会えるかしら」
「そういう死後の世界があるとしたら、きみたちは少なくとも天国には行けないだろうね」
「アディくんのこと悪く言うなんてサイッテー」
「天国に行けるような生き方をしていたなら、二人揃って処分されることなんてなかったんじゃないのかね」
「んむー」

 先の妖艶な笑みとは打って変わって、FANATICALは小さな子供のように頬を膨らませた。表情どころか、その身にまとう雰囲気までもころころ変えるのは、些か気味が悪かった。多かれ少なかれ、リニアーワルツにはそういう傾向がある。人間の子供の形をしながら、確実に人間ではない……彼らの魂は、人工物としての歪さを孕んでいた。

 私はその違和感から眼を逸らすように話題を変えた。ずっと気になっていたことだ。

「きみ、どうしてADDICTEDは処分されたんだい。きみらはカナンでも屈指の実力だったみたいじゃないか。確かにADDICTEDは精神的に危ういところがあったが……リニアーワルツの中では基本安定していたし、指示もよく聞いてくれた。なのにどうして」

 私が尋ねると、FANATICAlはおかしそうに笑って、ベッドの隅に置かれていた小さな箱を手に取った。それを開け、中に入っていたFANATICAlが身につけているものと色違いの指輪を手に取り、部屋の明かりにかざした。色を失った石がちらと輝く。FANATICAlはその指輪に優しくキスを落とした。唇の端のピアスが指輪に触れて、小さく金属音を発した。

「アディくんはいない。それだけ。理由とか興味ない」
「知られたくないのか」
「別に。知りたいなら調べればいいわ」
「そうか。分かった。時間を取らせて申し訳なかった」
「いいのよ」
「……じゃあ、処分のときに来る」
「待ってるわ」

 私は07号室を後にした。

 午前中、ディソーダー討伐から戻った他のリニアーワルツの検診をして、午後は半休であったので、資料庫にFANATICAlとADDICTEDの件を調べに行った。

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【プロローグ】p.2

「そうかい。訊きたいことは」
「んー、何かしらね。そうだ。処分って、ファナ死んじゃうってことでしょ?」
「その表現はかなり近いと思うよ」
「どうやるの?」
「君のことを眠らせて、身体の中の動力を取り除く。万が一生きていると良くないから、その後一酸化炭素を吸わせて半日放置する。苦しむことはないから安心したまえ」
「思ったより長いのね」
「ずっと2時間でやってたんだが、焼却のときにまだ生きていたことがあって、それ以来大事を取って半日放置することになったんだ」
「ふーん」

 FANATICAlはつまらなそうに相槌を打った。左手の薬指の指輪をしばらく見つめて、鼻で笑った。

「アディくんのこともそうやって処分したの?」

 ――アディくん。

 3年前まで彼女の相棒だったリニアーワルツ『ADDICTED』の、彼女だけが呼ぶ愛称である。ADDICTEDは3年前に問題を起こして処分された。私は彼の処分には立ち会ったものの、ことの終始は何も知らなかった。私は基本的に研究所から出ることはないし、検診と処分だけが仕事である職員が知る必要のないことだったからだ。

 彼女はADDICTEDが処分されて以来、リニアーワルツとしての役目を完全に放棄してしまった。ペアを当てがうとすぐそのリニアーワルツに身体的、精神的な危害を加えるので、ペアで利用することなど到底不可能だった。だからといって単独で派遣すると毎回ボイコットして役に立たないので、ここ3ヶ月はこの07号室に幽閉している状態だった。1人部屋に移動するように掛け合ったこともあったが、ADDICTEDと過ごした07号室から出る気は一向にないようだった。

 また、ジェミニに関しては、適合するリニアーワルツがなかなか見つからないので、まだ彼女が持っているのである。FANATICALとADDICTEDのジェミニは非常に強力であるが、代わりに使いこなせるペアを見つけるのは難しかった。

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【プロローグ】p.1

 ラボの5階にはリニアーワルツのための部屋が15室ほど並んでおり、環状の建物の中庭側に廊下がある。中庭はガラスの屋根がついていて、地球から持ち込んだ常緑樹や草本が植えてある。しかしどこからか異界の植物の種子が混入してしまったらしく、常緑樹には白い花の咲く蔦が絡まり、ガラスにも張り付いた跡がある。その上にまた新しい蔦が這っている。庭師が週に2回整えに来るが、どう見ても追いついていなかった。

 毎日リニアーワルツの問診でこの場所にはやってくるので、最初こそ感じていた情緒など今はない。それに関して思うこともなくなってしまった。

 今日はいつもの問診とは違う目的でやってきた。
 3年間も使い物にならないで、ラボの荷物になっていたリニアーワルツの処分を明日に控えているので、様子を見にきたのである。

 07号室の前で私は足を止め、白衣のポケットからカードキーを取り出す。パスワードを入れてカードキーを機械にかざすと、小気味良い解錠音がした。扉を開けて向かって右を見ると、2段ベッドの上段に膝を抱えて座る少女の姿が確認できた。処分のことは昨日か一昨日に通告済みだが、特に変わった様子はなかった。少女はこちらを一瞥もしない。絹の天蓋のような色素の薄い髪の間から除く瞳は、どこか、明後日の方を見据えている。そして左の薬指には、リニアーワルツとしての役割を放棄したにも関わらず指輪を嵌めている。

「明日が処分の日だけど、話しておきたいことはあるかね」

 私が話しかけると、少女はゆっくりと顔を上げた。そしてその大きな瞳を細めて微笑む。やつれたような雰囲気を纏うその微笑みは、見た目年齢のわりに妖艶に見えた。

「別にないわ」

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ガチでガチな、ガチのガチ。

こんにちは、もう片方のメインキャラも見た目情報書けたので再掲。
今回は気軽な感じに書きたいのと、しばらく書き終わりそうにないけど早く投稿したいのとで、メインキャラのリニアーワルツ二人の容姿はキャラクター説明として事前に書いてしまいたいと思います。
レス欄により詳細な服装などの情報を書きます。今調べたファッション用語を容赦なく使っているので、自分にも何が書いてあるのかあまりよく分かりません。ただ、折角詳細な見た目の情報があるので書こうと思った次第です。もしよければ見ていってください。

【名前】FANATICAL/ファナティカル
【通称】ファナ
【ジェミニ】ナアマ
 鉈型のジェミニ。峰の部分には赤やピンクのハートがプリントしてあり、柄にはピンク色のリボンが巻いてある。全長一メートルくらい、刃渡り七十センチメートルくらい。
【指輪の色】ショッキングピンク(#ff1eff)
【服装】
トップスはピンクのレース地のキャミソール。ボトムスはホットパンツ。黒のローライズデニム。ソックスはグレーとピンクのボーダーのオーバーニーハイソックス。その上にひざ下までの黒のレッグカバー。靴は黒の厚底スニーカー。身体のいたるところにピアス、レザー調の黒いチョーカー、左の薬指にジェミニ起動用の指輪。
【身体的特徴】
身長一五三センチメートル瘦せ型。十代半ばくらいの見た目。髪は後ろは肩につくくらいの長さで明るめのピンク。色白、垂れ目垂れ眉、瞳の色はショッキングピンク。

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悪女と呼ばれた令嬢は皇太子殿下に愛される

感想ください!

「ん〜!いい朝。」
私の名前はティアラローズ・ルナ・アフネル。エルザカール王国の上級貴族、セフィロス・リリック・アフネルの娘です。
「お嬢様、失礼いたします。」
「どうぞ。」
入ってきたのは私の侍女、マリー。
「おはよう、マリー。」
「おはようございます、ティアラお嬢様。お髪を整えてますね。」
エルゼカール王国は、北にフィルクガイラ帝国、南にリィニ法国、西にヴィロ妖精国、東にルウェン公国と、四つの大国と隣接しています。エルゼカール王国はそのうちの二つ、フィルクガイラ帝国とヴィロ妖精国と同盟を結んでいます。フィルクガイラ帝国の皇帝はアレカシウス・クィ・フィルクガイラ様、ヴィロ妖精国の王はミハエル・ディ・ヴィロ様です。お二方ともお会いしたことがありますが、アレクシウス様は豪快で勇敢な方、ミハエル様は知的でお優しい方でした。リィニ法国とルウェン公国とは宗教上の違いから敵対していますが、今は休戦しています。ちなみに、この国の王様はセシル・バイエ・エルゼカール様、次期国王である皇太子様はフランシス・バイエ・エルゼカール様です。
「ティアラ様、どうなさいました?お支度終わりましたよ?」
「あら、ごめんなさい。少し考え事をしていたのよ。さあ、広間へ行きましょう。」

毎週投稿します!続きも読んでください!

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【企画参加!】LINkerWorld LINearWaltz メインキャラ①

こんにちは、新しく書いた小説を掲示板に載せるのは久しぶりな赤石です。
今回は気軽な感じに書きたいのと、しばらく書き終わりそうにないけど早く投稿したいのとで、メインキャラのリニアーワルツ二人の容姿はキャラクター説明として事前に書いてしまいたいと思います。
縦書きで書いたので漢数字なのは許してください。
レス欄により詳細な服装などの情報を書きます。今調べたファッション用語を容赦なく使っているので、自分にも何が書いてあるのかあまりよく分かりません。ただ、折角詳細な見た目の情報があるので書こうと思った次第です。もしよければ見ていってください。

【名前】FANATICAL/ファナティカル
【通称】ファナ
【ジェミニ】ナアマ
 鉈型のジェミニ。峰の部分には赤やピンクのハートがプリントしてあり、柄にはピンク色のリボンが巻いてある。全長一メートルくらい、刃渡り七十センチメートルくらい。
【指輪の色】ショッキングピンク
【服装】
トップスはピンクのレース地のキャミソール。ボトムスはホットパンツ。黒のローライズデニム。ソックスはグレーとピンクのボーダーのニーハイソックス。その上にひざ下までの黒のレッグカバー。靴は黒の厚底スニーカー。身体のいたるところにピアス、レザー調の黒いチョーカー、左の薬指にジェミニ起動用の指輪。
【身体的特徴】
身長一五三センチメートル瘦せ型。十代半ばくらいの見た目。髪は後ろは肩につくくらいの長さで明るめのピンク。色白、垂れ目垂れ眉、瞳の色はショッキングピンク。


追記・もう片方は明日にでも投稿します。ファッション用語、解説なしで並べれば楽かなと思ってやってみましたが、思ったよりも全然大変でした。創作において楽をしようなどという浅はかな考えは捨てなさいということですね……。

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午前1時45分、ある庁舎にて

「今日の分、終わりました」
「ありがとう、こんな遅くまで」
「いえ、先輩1人に残業させるなんてできませんから」
「よくできた後輩だね」
「どうも、それにしても最近は多いですね、最適化対象の投稿文が……」
「やっぱり政治とか経済とか、社会の変わり目はね、どうしてもね、仕方ないよ」
「いちいち表現が過激ですよね。むやみに恐ろしく書いたり……そんな文章誰が読むんですかね」
「分からないけど、そういうのは考えたって仕方ないことだよ。社会に出ていく文章は全部ここで確認して、大筋は変わらないように言葉を整えて、当たり障りない形で発信する。それでオーケー」
「でもめんどくさくないですか?」
「めっちゃめんどくさい。でも、これ書いてる人たちの目的って内容を伝えることでしょ?大枠が伝わればいいの。というか、そうするしかない。ほら、多様性の時代だから」
「誰も傷つかないように、でも意見は尊重してって話ですよね」
「分かってるじゃん」
「でもこういう表現する人ってリアリティとか気にしてるんじゃないんですか?」
「ちゃんと作者欄見た?10代で、しかも女の子。戦争のリアルを知らない人が書いたんだから、別にいいよ。そりゃ体験者のノンフィクションならもっと尊重する」
「それって平等なんですかね……」
「別に平等じゃなくていいよ。意見には質ってもんがあるんだよ。そしてその質は『であること』で決まる」
「そんなことってまかり通っていいんですかね」
「少なくともそれが世論だよ。無意識かもしれないけど」
「デモクラシーの時代ですよ?」
「ポピュリズムの時代だよ」
「……」
「別に悪いことしてるんじゃないんだから、そんな顔しないでよ。この仕事って正しいデモクラシーの時代に戻そうっていってやってるんだよ」
「そう、ですよね」
「うん。じゃあ原本、保管庫に持ってっといて。こっちは鍵閉めてくから」
「……」
「何眺めてるの?それさっきまで編集してたやつの文章でしょ?」
「あ、ああ、はい、すいません、保管庫行ってきます」
「うん。終わったら外で待ってて。お礼にタクシー代出す」
「うわほんとマジでありがとうございます」