誰かの評価が無ければ 生きていけない僕達だから 辛い時には会えたらいいね 真夜中だって会えたらいいね 会えたときにはお互いに 評価するのはやめようよ 価値を決められ、札貼られるの 嫌なんでしょ すり傷、隠さなくていいよ 夜風に当てても治らないけど 僕は傷だらけの君とも いつか会ってみたい。君がよければ 誰かに価値を決められたとき 誰かに勝ちを決められたとき そんな夜には会えたらいいね 愚痴ばっかりの夜にしないで 星をさがそう
声に出したら痛かった 夜更けは殊に辛かった 誑し込む、僕だけの夜 耳にした時わかってた 傷口隠して笑ってたよ 月の野郎、僕だけの光 自販機には愛がないし 歯車でも恋したいから 螺旋状のアリア、笑う 笑ったら、痛かった。
道 みちみち 夜を揺らしながら 街と 寂しさとを繋いで走る バス 隣に座った孤独と肩を触れあわせて 窓のむこうのメロディは思い出さない いつのまにか、 そういうものだと知っていた お別れする場所が見つからないまま 出会った場所もわからなくなったけれど 終着点を自分で決めることの なんという果てのない自由 あのひとは きっと、 そういうものだと知っていた 生温い空調が言葉を薄めてゆく 楽しかったことばかりが川を流れてゆく 私は 私を連れて いったいどこへ行こうというの
本当はきみに羽根なんてなくて それでも ぼくとはべつの生きもの 呼ばれなくても そばにいたいよ さよならの練習をしながら泣いていた やさしいきみの いとしい寂しさ 手をつないでもひとつにはなれない とか あたりまえのことが少しかなしいね いつか沈んでゆくところが どうか きみを満たしてくれますようにと 祈ることしかできないけれど 聖なる夜を飛び越えたぼくらは もう蛹ではいられないんだ きみの瞳は魔法だよ 月を横切って 笑ってみせて
どこへでも行けるとはもう思えないけど どこかに行きたい気持ちだけ まだ抱えてる きみがいないとちっとも大丈夫じゃなかったけど きみがいなくてもずっと心臓は動いてた 自分のことも世界のことも 本当は何ひとつわからないまま わかった顔だけ得意になってゆくのかな 重かった荷物の半分この方法 夕方と夜のあいだの青い時間 見つけたものは きっと 教えてもらったものだから わたしの身体 わたしの言葉 ぐるぐるまわって いつか融けるなら きみの中に住んでたいなって 内緒だよ、
宝石を磨くように ほうっと息をはきだして 瞬間を染める半透明のしろ そのせつないきらめきが ひどくきらいで、安心する こんなにもさみしいのはきっと冬のせいだ いとしいひとが会いたいひとになるとき 自分も世界のひとかけらであることを知る となりにいてくれるひとの名前を きょうも呼べないまま 差し伸べられている手は掴まない 凍えるひとりぼっちのふり こんなにもきみが恋しいのは きっと冬のせいだ
もうつかれたよ、って 浪費した時間の影を 視界の端っこでまっしろにぬりつぶした あとどのくらい生きたら あのひとの涙を受けとめられるのかな ひざを抱えるきのうのわたし あのひとがすきだと言った色 まぶた、ほし、落っこちてもただの石 あとどのくらい生きることができても 手に入らないものは数えきれないね よくばりは罪だからと 詩人になりたがるさみしがりやの 首をやさしく絞めている
ひとりでいることが償いになるのだとなんども強くつよく言い聞かせているのに、ぼくはまだいつか見たあのひとの背中を思い出してしまって、記憶のあたたかさに涙がこぼれそうな夜がおそろしいんだよ。前を向いてまっすぐにかけてゆくひとたち、ひかる跡、痕、あと、後、なんてきれいだ。なにも見えなくなる、こころも、ぜんぶ、 できることはなんでもするよ、できることがあるかはわからないけど。歩いて走ってゆき詰まった場所からあのひとの音をききたい、だけなの、に
隣の芝生は青い気がして 夜空に浮かぶ星の数まで 違って見える気がした 不安になって見上げた先に 答えなんてなくて 瞬きと瞬きの隙間に 居場所が無くなった泪は つるつる、頬を滑って 無責任に消えていく それでもまわる 時計の針と地球の上 井の中の蛙が空の青さを知るなら わたしは泳いで消えた泪の強さを知ってるから 選んだ道の上 きっときっと 明日も歩こう
つんと、冷たい空気が恋しくなって 透明度が高くなった夜空の下 胸いっぱい吸い込んだ 僕らの呼吸に色が付くのは この季節だけ 生きた証が 星に引き寄せられるみたいに さらさら、登っていって 切り過ぎた前髪を摘んでは 寝不足な毎日を蹴り飛ばしたくなって きっと僕ら、 60兆の細胞を はっ、 とさせる何かを 心の何処かで期待している