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崩壊世界の円環魔術師 3 +お知らせ?

「ところで、君は何してるの?避難所も近いのに。」

次は私が質問される番だった。

「お父さんとお母さんが居るから。」
「どこに?」
「そこ。」

私は、2人の寝ているベッドを指した。

「あぁ...」

その魔術師?の子供は何かを察した様な顔になった。

「ねぇ、何であなたみたいな小さい子が出歩いてるの?」
「ちいさ...っ?!」

一瞬顔を引き攣らせ、子供ではないと訂正した。

「もう、軽く30は超えてるよ。」
「ふうん...じゃあお姉さん、何でここにいるの?」
「もうそろそろ別の土地に行こうかな、と思って。」

確かに、お姉さんは小さな肩掛け鞄をもっていた。

「でも辞めた!もう少しここに居ることにする。」
「何で?」

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皆様こんばんは、宿題に追われるやたろうです。
しばらく投稿が止まっていてすみません。 
「魔術師月間」にあるまじき愚行ですね。
リンネ達も本当にごめんな。
言い訳をさせて頂きますと、ただただサボっていた訳ではなく、体調を崩して(夏風邪だったぽい)、田舎から帰って、その他にもバタバタ(?)しておりました。本当にすみません。
今週(あと1日だけど)から投稿再会します。
これからもどうぞよろしくお願いします。

追伸
宿題が終わらず追われている同志諸君!
絶対一緒に乗り切ろうな!

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Flowering Dolly:猛獣狩りに行こう その⑦

「……マスター」
「ん? どうしたハルパ」
「ちょっと、移動するね」
「ああ、うん」
ハルパは男を担いだまま短距離転移でビーストの背中の上に腰を下ろした姿勢で移動した。唯一無傷だった竜頭が2人の方を向いて牙を剥くが、ハルパは片足で鼻面を押さえる。
「このまま死ぬまで待ってよ」
「ああうん……せっかくだから下ろしてほしいな」
「ん」
男はハルパの隣に腰を下ろし、転落防止にハルパを抱き寄せた。
「ちょっと掴まらせてね……っと」
「んー……」
男を押しのけるようにハルパが頭を押し付ける。
「待って押さないで」
「にゃーお」
「『にゃーお』じゃなく……」
2人が背中で騒いでいるにも拘らず、ビーストが動く気配はない。竜頭を除くすべての部位が、隙間ない〈ガエ=ブルガ〉の侵食を受けて完全に固定されていたためである。
「……そろそろ…………かなぁ……」
ふと、ハルパが呟いた。
「ん、そうかい」
ハルパが男を抱え、瞬間移動でビーストから離れた直後、その全身から黒い棘が突き出し、唯一無事だった竜頭ごと肉体をズタズタに引き裂き殺した。
「かった」
「よくやった」
ハルパから解放された男は、彼女とハイタッチを交わした。

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Flowering Dolly:魂震わす作り物の音 その⑥

ヤツが家の残骸からのっそりと這い出してくる。まずは軽いドロップキックを仕掛けて、一度反発で数m距離を取り、向こうの動きを見る。契約なしの私には大したことはできないから、あまり不用意なことはできないけど……。
ヤツのことを注意して見ていると、さっき生えてきた両腕の表面がうぞうぞと動き、瞼が開くように複数個の穴が開いた。中身は眼球じゃない、むしろ……。
「ッ⁉」
咄嗟に背後、ケーパのいる場所を確認する。今いるのは、私の真後ろ約20m。問題無いはず。首と心臓を腕で庇った直後、その『目』の中身が、ミサイルのように一斉に射出された。
生体ミサイルは滅茶苦茶な弾道で大体こっちに飛んできている。弾速はなかなかのものだけど、直線軌道じゃないから回避する余裕は十分…………
「……なっ……!」
ミサイルのうちいくつかは、私の横や上を通過していった。この先にいるものといえば。
「けーちゃん!」
あいつの目の前に瞬間移動し、身体で受け止めた。
けど、受けてみて分かった。これは駄目だ。
威力が、貫通力が高すぎる。
体内を、まるで何の障害も無いかのように掘り進む感触。それでも着弾の瞬間の衝撃で、体内で破裂する感触。それらが加速した走馬灯の思考にスローモーションのように襲ってくる。
せっかく私が盾になったのに、これじゃまるで無意味じゃないか。それどころか、爆発のせいで受けなかった時以上に守りにくくなってしまっている。
こうなると、多少の無理でもするしか無い。

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「円環魔術師録」達による他作品所見 2

リンネ「で、『人工精霊は魔力の塊』ってところなんだけど...すごいねぇこれ。魔力の実体化でしょ?
錬成者は未来人か何か?」
ミル「魔力の実体化...魔力は目に見えないし、魔力単体で出すことはできないから、そもそも無いんじゃないか、なんて言う学者さんも居ましたね。」
リンネ「一応、魔力によって魔術や魔法を行使してる、というのが現段階での有力説だね。あと、この地名だけど...なんて読むんだろうこれ。東方の国かな?ミル君、君の出身この辺でしょ読んで。」
ミル「無理ですよ!そもそも混血だし、物心ついたときには帝国の孤児院ですよ!そんな無茶苦茶な!」
リンネ「そっかぁ、じゃあやたろう、読んで。」
ミル「もう帰りました!」
リンネ「酷いなぁもう。まぁ良いや。あと、『異能』と言うのは魔術や魔法とは別物なのかな?」
ミル「字面だけ見たらそうでしょうけど...。」
リンネ「コレも後でやたろうに聞こうか。話しを戻すけど、魔力の実体化が可能なら、何もない所から何かを出す事も可能なんじゃない?だとしたら革命だね。騎士団の荷物持ちが要らなくなる。」
ミル「規模ちっさ!」
リンネ「ま、こんなところかな。最後まであの小娘は来なかったね。」
ミル「小娘って...。まぁそうですね。異世界の魔術も面白かったです。」
猫町「ではお二人ともお疲れ様でした。また呼び出すので覚悟しやがれください。」
リンネ「なんでキレてるの?」
ミル「確実にアンタのせいだよ!」

以上、「『円環魔術師録』達による他作品所見」でした。リクエストをくださった「テトモンよ永遠に!」さん、ありがとうございます。
リクエストはまだ受け付けていますので、是非ご参加下さい。

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魔法をあなたに その⑨

僅かに遅れてヤツに追いつくと、【フォーリーヴス】は怪物の目の前に立ち止まり、目を見開いて何かを凝視していた。怪物を、じゃねェな、どっちかってーと、その足下、の……。
(オイオイマジかよ!)
最高だ。怪物が今にも踏み潰そうとしていたのは、【フォーリーヴス】、いや、千代田ツバメを普段イジメてた主犯のガキじゃねえか!
『なァツバメちゃんよォ』
魂への囁きを、【フォーリーヴス】に差し向ける。直接ヤツの魂に触れることで、その「欲望」を剥き出しにさせる、生物学的標準技術だ。
『コイツはどうしたことか、最高のシチュエーションじゃねェか。目の前にはテメエを虐めてるクソガキが、化け物の手で殺されそうになっていやがる。喜べ、テメエの願いは叶うぜェ? しかも、テメエが手を汚す必要も無ェ』
「っ…………」
【フォーリーヴス】が硬直していると、ヤツが、あのイジメッ子がこっちに気付いた。
「なっ、千代田……!」
イジメッ子の目は如何にも「助けて><!」って言いたげだ。
『キヒヒ、テメエの願いを言えよ。イヤ、言う必要も無ェ。ただ願え。心の底に眠る願いを。己を取り巻く悪環境の終結を。何たってテメエの名は【フォーリーヴス】』
“幸運の四葉”? いいや違うね。 テメエのその名に与えた意味は、“復讐の白詰草”。
『名は体を表す』、テメエらの諺だ。体を表せよ。
復讐に堕ち、人道を外れたその瞬間! 昏く鈍く擦り減り切った魂は、最ッ高に上質の“魔力源”となる。
さあ。
さァ!
『サアァッ!』
ヤツが徐に歩き出した。それに応じて、手の中のブローチも輝きを放ち始める。
学校制服はやや和風の衣装に、学校鞄は刀身を持たない日本刀の柄に、陰気な黒髪は若草色のツインテールに、ヤツの姿が魔法少女のソレに変身する。
「………………ごめん」
ヤツがそう呟き、柄を握る手に力を込めると、そこに光の刀身が現れた。何だ、マサカ自らの手でヤるつもりか? 思ったヨカやるじゃねーの。
「色々、話したいけど……全部終わって、2人とも生きて帰って、その後」
『……ァン?』

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Flowering Dolly:魂震わす作り物の音 その①

「フィスタぁー! どこだー!」
私を呼ぶ声が、正確には『あいつが私を呼ぶときの名前』が聞こえる。
「………………」
寝ていたハンモックから身を起こし、あいつの姿を遠くに確認してから自分の身体を隠すようにぬいぐるみの山を崩し、だんまりを決め込む。
「フィスタぁー? おいフィスタ!」
声がだいぶ近付いてきた。多分もう何mも無い。
「やっぱりここにいたか……おいフィスタ、いるなら返事しろよな」
ぬいぐるみバリアが崩されて、光が差し込んできた。
「フィス……」
「だっかぁらあっ! そう呼ぶなっつってんでしょうがぁっ!」
不用心に覗き込んできたあいつの顎に蹴りを食らわせてやる。
「痛っ…………てえなぁフィスタてめえ!」
「私のことは『アリー』って呼べっつってんだろクソガキ!」
「てめえも外見はクソガキだろうが!」
いつものやり取りを済ませ、渋々ハンモックから抜け出す。
「それで? どうしたのさ」
「あぁ、ビーストが出たんだよ。“ドーリィ”の出番なんだろ?」
「そんなのお役所に任せとけば良いじゃん……」
「おま、せっかく“ドーリィ”の力があって、見ないふりするってのかよ」
「『力』っていってもねぇ……」
再びハンモックに仰向けに倒れ込み、掌を太陽に向ける。ちょうど私の方に向いた手の甲には、契約済みの紋様が…………。
「浮かんでれば、考えたんだけどねぇ……」