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無様と言われる誇り

僕は僕が嫌いだ
自分が好きな人間などいるのだろうか
もしいるならきっと一生分かり合えそうにない

・・・・・・

自分嫌い君
そんな風に呼ばれる日がくるなんてね
ボヤいていたのが聞こえたよ
失礼な人だという印象以外抱きようが無い出会いだったろうけど嫌そうな顔はしなかった
それは遠慮か配慮かそれとも諦めか
それは君しか知らない

・・・・・・

僕は平等を信じない
だって僕自身がそれを知っているから
誰かにある何かを羨みそして己がそれを持たざる者だと自覚嘆く
もうそんな生活は疲れたから
嘆きも枯れきった僕には誰かの自慢は挨拶にしか聞こえない

・・・・・・

また死んだ顔してる
生き生きしなよって言うと相変わらず無愛想に返答してくる
嫌われたそうだね
それには意外なほど素直に初めて見る嫌そうな反応
君は嫌われたくなくて嫌われ者になったのか
同類じゃないか

・・・・・・

嫌われたくなくて嫌われ者に?
なぜ嫌われたくない振る舞いをする人が嫌われる?
そもそも僕は嫌われたくなかったのか
そうか
僕は僕のことなんて全然知らなかったんだ
そんなに臆病だったことを今知った

・・・・・・

臆病か
臆病者同士仲良くしようじゃないか
臆病者は臆病者の戦い方という物があるのだから
馬鹿正直にあっち側に行ってやる必要はないよ
真っ直ぐでいることに負けた我々はどこまでも曲がりくねればいい
歩きやすい道を選んではいけない理由はないさ
辿り着いた場所なんてどうせすぐ崩れる

・・・・・・


僕(私)達は臆病を誇る

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私が愛している

「大丈夫 あなたがあなたを愛さなくても私が誰よりも愛している」

彼女はそう僕に言い残して去っていく
ダークブルーの瞳には僕はどう見えているのかな
君は僕に呪いをかけた
それから僕は何度も君の呪いで死んだ
分からない事がある
君の呪いで死んだ時僕は必ず寂しそうにしている君を見るんだ
黒のコートにフードを深く被って顔は見えないけど
毎回見える君は確かに泣いていた
「私はあなたを誰よりも誰よりも愛し続ける」
そう出会う度君は言っていた
僕は君に何をしてあげたこともないし君とはここで初めて出会ったはずなのに
そう僕は君に問う
「あなたは私の光になってくれたの」
とフードの中で笑顔を浮かべた
不思議だった今までは恐怖を感じていたのに
その瞬間僕の中から恐怖は消えた
そして君は見えなくなっていた
一体君は誰なんだろうか
僕が自分を許せなくて自分を傷つけたいと思ったそんな時必ず君は僕の傍に現れて静かに抱きしめてくれた
暖かく包まれていた 自己嫌悪は包まれるように僕から薄れて消えてゆく
そして君は言った
「大丈夫 あなたは誰よりも優しい人」
「誰よりも誰かを救って来たのだから」
「次はあなた自身を救ってあげて」
知らないうちに眠っていたようだ
眠りから覚めた僕の手には紫の花を握っていた
君がくれたのだろうか