少年少女色彩都市 Act 12
重石が退いたことでエベルソルはバタバタと翅を動かし、叶絵に向かって突進しようとした。しかし周囲に発生した黒い大聖堂のような空間からカラフルなリボンが伸びてきて、エベルソルを拘束する。エベルソルはつんざくような悲鳴を上げながら拘束から逃れようともがく。
叶絵はそのまま手早くガラスペンで宙に何かを描いていく。描かれた線は上半身のみながらポップなアニメ調の少女となって、宙を滑るように移動して手に持つ杖から光線を放つ。そんな少女に対してエベルソルは火球を放つが、見事に避けられてしまう。
「なるほど、“使い魔”の創造による攻撃、か…」
そういう戦い方もアリだなと典礼は腕を組んで感心する。
「ふふふ、これがあなたの“芸術”ね」
中々やるじゃないと薄紫色の少女は笑みを浮かべた。
そんな後方でのリプリゼントルたちの反応をよそに叶絵は次々と少女たちを描いていく。彼女らは杖、弓矢、剣、銃器…と様々な武器を携えてエベルソルに迫り、攻撃を加えていった。
だが拘束されていたエベルソルが足掻き続けたことで拘束具であるリボンが限界を迎えつつあった。