ふわり ふわりと 頬を 撫でる 冷たくない 風 ちょっと きつめの 炭酸水 しゅわっと 弾ける 半月と 一番星だけの 夜空 駅で ギターを かき鳴らす シンガー 次々と 散っていく 花びら すぐそこの 優しい風を 抱きしめて 聞こえるのは 春の音色
世界がひろがることがこわくて
たくさんの出会いをふいにしては安心するような
臆病なわたしは
きみがあしたからそばにいないということが
ほんとうに理解できていなかったのだ
離れていても大丈夫だなんて
とうてい思えていなかったのだ
(卒業式ではまったく泣かなかったのに、いまになってぼんやり実感しちゃってとても痛い。いつでも連絡がとれるからって、さみしさが消えるわけじゃない。)
関わってるすべての人に自分を理解してもらえるなんて思うな
そんなこと絶対無理。
自分勝手な人は知らんぷりして関わらんければいいじゃん!
理解してほしい なんて希望もなくして
自分らしく生きればいいじゃん!
私のいいところはポジティブすぎるところやろ?
一瞬忘れてたやろ?
だって、その自分勝手な人とはもぅ 人生の中の ・ もないやろ?
なら、そいつのこと忘れればいいやん!
人生、おもしろいな
氷の味、溶け出す心と、君の笑顔
春になったら、春になったら、
そんなことばかり思っていた
ひらひらの蝶とほの明るくなる朝に
眠れない秘密をたずさえて
春の色が、春のあなたが、
輪郭を描き出す
きっとずっと待っていた
薄く目を開けたときに、
見えるひかりの全てが、
めくるめくとめどない喜びであるように
春になったら、春の音が、聞こえる
価値観は人によって違います。
そんなことは、はじめからわかっています。
私は、普段あまり怒りの感情を抱かず、不満も自分なりに消すことが出来るのを自負しています。
しかし、久しぶりに苛々してしまっています。それは、価値観のズレによる食い違いで。
何かアドバイスを頂けないでしょうか。私にしては珍しいことで、自分でもこの気持ちをどうしたらいいのかわからないです。
凜の姿が小さくなり、米粒大となると、やっと'大おばば'は口を開いた。
「まず中へ入りな。」
口調こそ乱暴ではあるが、声音は柔らかい。二人は促されるままに木の一軒家へ入った。
座るなり茶をたて、慣れた手つきで出す。そしてこう言った。
「若い旅人たァ、珍しいねェ…。」
彼女は、一番最初にお茶に口をつけた。その様子を見た朔は尋ねる。
「申し訳ないのですが…僕達を残した理由を図りかねます。
教えては頂けないでしょうか。」
ふむ、と呟き微笑む。それは愉しそうな笑みでもあり。
「まずは自己紹介からいこうかねェ、
アタシはこの村じゃ'大おばば'と呼ばれているが――名を、藤と申す。」
それは、村人の誰にも明かしたことのない名だった。
「アンタ達は、朔と蒼って言ったかい?」
こちらの自己紹介はまだのはずである。すると藤は、
「風の便りだァね。」
あっけからんと言い放った。
君がもっているものを
僕はもっていない。
僕は君になりたい。
でも僕は一生かかっても
君にはなれないから、
君がもっていないものを
僕は手に入れられるように頑張るよ
君と出会えてよかったよ。
こんなに本気で笑って、泣いて、歌って、話して…
いちばん“自分”でいられるんだ。
またお手紙書くね。
メールよりも気持ちが伝わる気がするから。
これからもよろしくね!
大好きだよ♥
クリーム色のアパルトマン。
そこに魔女【ユリ・ロトウ】は住んでいる。
探すのにどれだけ掛かったのだろう。
軽く数光年は歩いた筈だ。
気がつけば周りを遥か彼方まで覆っていた本棚は影も形も見えない。
哀しく錆び付いた木のドアを少女は眺めていた。
すると鍵がかちゃりと音を立てた。
中から『どうぞ、早く入って。』と聴こえてくる。
これがユリ・ロトウの声なのだろうか。
声質からして女性、割と若い方だろうか。
しかし見た目など関係ないと少女はすぐ思考を遅くした。
そして少女は、黄昏色の光と風に身を包まれながら、そのドアの中へ吸いこまれるように入って行った。
第一章『空っぽの少女と悠久の図書館』完
次章『魔道書の魔女と摩天楼の灯り』
あとがきを有意義な物にしてみよう、そうだ、好きな曲でも徒然と書いてみよう↓