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何故上を向くとポジティブになれるのか?

僕の上には空が広がる。海とにらめっこし続ける壮麗な空がある。
人はその空の下で何気なく下を向きながら生きる。歩くときもご飯を食べるときも、ポエムを詠む時も。
涙が溢れそうになる時に上を向く。すると上手くいけば涙は溢れない。瞳に溜まった涙が乱反射して見えない青空が見えてくる気がする。例え涙がなかったとしても、全てが虚無に終わろうとしようとも、何もない白い部屋の中で限りなく青に近い碧が生まれる。

その幻であろう碧さと現実の壮麗な空とを重ねた時、僕たち人間は自分というささやかな存在を知る。そして、身の丈にあったささやかな幸福を思い出す。その時、自分の背負った存在証明を確認しなんとなく「明日は生きよう」と思えるのだ。

(あくまで持論ですし、やはり拙い。すみません。よかったら、お話しましょう!)

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手をつなごう

1人だったら多分、怖くて前に進めなかった。1人だったら多分、泣いてばかりいた。君がもし、隣にいてくれなかったら、私は今ここにいないよ…。
今はただ、隣で笑っていてくれるだけでいいよ。今はただ、手をつないでいよう。何も怖くなんかないよ。

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君と書いて希望と読む 2

なるほど、たしかに僕も、昔は誕生日が来るのを指折り待っていたかもしれない。「其奴めはいつ頃やって来るのです?」。「いつ頃やって来そうだと思う?」。女の子は楽しそうだ。僕も楽しくなってきて、そうですね、と腕を組む。

「春かな。君の頬は桜餅みたいだ」
「春か、春もいいなあ」
「違うか、それなら夏。君の瞳は蛍みたいだ」
「夏か、夏もいいなあ」
「またハズレか。秋?君の唇は紅葉みたいだ」
「秋か、秋もいいなあ」
「わかった、冬だ。君の手は雪みたいだ」
「冬か、冬もいいなあ」

女の子は肯定も否定もしなかった。意地悪しないで教えてよ、君の誕生日はいつなの?焦らしに焦らされ急いた僕に、女の子は今日見た中で一番の笑顔で言う。

まだ迷っていたんだ。いつにしようかなって。

「―――え?」
「でもね、決めたよ。私は春と夏の隙間が好き。だって、こんなにも空がきれいだ。」

瞬間、涼やかな風に煽られる。湿った大地のような、花の露のような匂いに包まれる。思わず閉じた瞼の向こう側、木々の合唱の中に、君の声が響いた。

それじゃあ、またいつか。今度は貴方が教えてね。桜餅のこと、蛍のこと、紅葉のこと、雪のこと。それから、せかいはだれもひとりぼっちになんかしないこと。

そっと瞼を持ち上げると、そこに女の子は居ない。辺りを見回すが、あの子らしき少女の姿はなかった。あの女の子は、君は、一体。

立ち尽くす僕の背中を、聞き慣れた声が呼ぶ。振り返った途端、両肩と両手に引っかけていた紙袋を押しつけてきたのは、言わずもがな彼女だった。わんぱく坊主みたいな笑い方をしおって、畜生。僕は肩を竦めた。

「随分買い込んだな、これ全部、お前の服?」
「いや、この子の服」

自らの腹を撫でて見せる彼女に―――時が止まったかのような、気がした。

「遅くとも、来年の今ごろには会えるってさ」

知っていたら徒歩五分程度の距離であれど一人で歩かせたりなんかしなかったし、荷物だって喜んで持たせていただいていたわ、この馬鹿!

春と夏の隙間の水色に抱き締められながら、彼女を抱き締めた。ばさりと紙袋が地面とキスを果たしたが、そんなことはいい。

いいよ、教えてあげる。せかいはだれもひとりぼっちになんかしないこと、を重点的に。僕は泣いた。しあわせな意味で。

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ナヤミナヤンデグルグルト。

イメージと違うっていいことなのかな?

大人しそうな子なのに
話したら違うねって。
いつも笑顔なのに
けっこー闇抱えてんねって。

どうなんだろうなぁ
いつもの自分。本当の自分。素の自分。
になりたいのに

結局また言われるんだよね
イメージと違うよね。ってさ。

いつか現れるとイイナ
"本当の君が好き"
って本当の私を見つけてくれる人

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君と書いて希望と読む 1

―――荷物が重いから迎えに来て。甘え上手な姫を持って、貴方は幸せ者ね。
―――言うと思いました、もう来ています。甘やかし上手な王子を持って、お前は幸せ者だな。

せっかくの祝日だというのに、僕を置いて買い物へ行ってしまった彼女に返信し、携帯をポケットにしまう。彼女の居るデパートからそう離れていない公園で、僕は大きく伸びをした。徒歩五分くらいは一人で頑張れ、姫。

ぐうんと腕を背中を伸ばしながら、何とはなしに空を見上げる。昨晩にテレビで見たサファイアよりも、ずっと鮮やかな水色をしていた。彼女の好きな色だ。ぼくもすき。

そうしてしばし日光浴に励んでいると、いつの間にか僕の隣には女の子が居るのだった。僕の隣で、僕と同じように、空を見上げている。

見たところ十歳にも満たないくらいだろうか。あどけないながらも利発そうな顔立ちをした、綺麗な子供だった。僕の視線に気付いたらしい女の子は、ソーダ水のように澄んだ声で、「こんにちは」と笑う。はい、どうも。僕も笑った。

「君は皆と遊ばないの?」

すぐそこで走り回る子供たちを差すと女の子はまた笑って、「うん」と頷いた。よく笑う子だ。きらきら揺れる髪の毛の柔さが、なんだか彼女に似ている。

「私ね、待っているから」
「ああ、親御さんと待ち合わせているんだね」
「待ち『合わせ』ているのは、お兄さんの方でしょう。私は待っているだけ。そんなことより、お兄さんが待ち合わせているのって、好きな人?」
「どうしてわかったの?」
「さっきから、ポケットの中を気にしているようだったから。そわそわしているのにしあわせそうだし。あとは、そうね」

おんなの勘よ。

お見逸れしました、名探偵。僕が降参のポーズを取ると、女の子は得意気に胸を張った。そんなところはちゃんと子供らしい。

僕は咳払いをして、恭しく尋ねる。「それでは名探偵、一体どなたを待っておられるのです?」。女の子は口髭を撫でるような仕草で、答える。「私はね、誕生日の奴を待っているのだよ」。

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上を向いていると

外にいることが前提なのですが、地に足がついているということは下を向いているとすぐ近くに自分の足が見えますよね。対して上を向いていると
空が見えます。天気にもよりますが大抵高く、そして遠い。海じゃありませんが、広く大きいものを見ていると悩みが小さく感じるものなのでしょうね。それに開放感がありますから。とまあ、僕の見解はこんなところです。お粗末様でした。

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『何故人は上を向くとポジティブになるのか』

心理学では、人は上を向くと比較的ポジティブになる傾向があるとの研究結果が出ている。
では何故そうなるのか考えていこうと思う。

考えた結果から話すと、私は人間に「空への憧れ」が本能的に眠っているのでは無いかという考えに至った。
理由は「星座というものの存在」に見ることが出来ると考える。
夜になると、無数の星が空を覆う。
それだけならただの現象だが、人間はその星を繋げ、それを神話として語り継いだ。
それが一つ二つならまだわかる気がするが、星座表を見るとわかるだろう。
西から東、北から南までそれが形作られている。
私はそれを空への憧れと結論付けた。

以上から私は『何故人は上を向くとポジティブになるのか』を「空への憧れから来る」と考えた。

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8年目の片思い。

なんであのとき振り向かなかったんだろう。
なんであのとき無視したんだろう。

あなたは今何をしていますか。
あなたは今どこにいますか。
あなたは今好きな人はいますか。
あなたは今私のことを覚えてますか。

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おやすみ即興詩。

放り投げた泪、丸めた毛布、
積み上げた文庫本、転がしたコップ、
台所の水時計、枕許の電球、
パジャマにも幻バイブ、
昨日になりかけた今日の雨、
ねぇ、おやすみ
話し声、
瞼、

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君がいてくれたから

僕はもう
怖くない

もし僕が
こんなところに立たされなかったら
きっと気づかなかっただろう

大切なもの一つ失うのが
こんなにつらいなんて

どうでもいいもの一つ失うのが
こんなに寂しいなんて

ありがとう
君がいなかったら
僕はずっとなにかを失い続けて
得続けて

心にあいた穴に
戸惑いながら生きていただろう

ありがとう
僕はもう怖くない