届かない
振り向いてもらえない
わかってる
わかってる
満たされた世界
幸せな世界
あなたの中に私は要らない
わかってた
わかってた
でも
どんなに傷ついても
苦しくて消えてしまいそうでも
愛してる
愛してるの
心から...
だから、今週末に久々にそっち行けそうなんだよね。
え、まじで。
まじまじ。
まじかよ。
嬉しいでしょ。
そりゃもう。
そんで、土曜の昼に着くんだけど、一旦実家に顔出さなきゃいけないからさ、会えるの日曜になっちゃうんだけど。
良いよ良いよ。
ごめんね。
だって少しでも距離近いじゃん。
うん。
テレパシーいつもよりスムーズになるよ。
うん、今時差あるもんね。
ごにょごにょ………あ、来た! みたいな。
そうそう。
絵しりとりしない?
いいよ。何から?
何でも。
それ一番困るんだって。
書けた。
写真、送って。
はい。
ん。送るよ。
嘘、今のでわかったの?
わかんないよ。難しい。合ってるよね?
合ってる合ってる。「向かい風」。よく絵にしたよね私。
いいじゃん。この絵、可愛い。
天使が舞い降りた。
「大好きです」
悪魔が囁いた。
「消えてしまえ」
貴方は言った。
「ありがとう」
僕は言った。
「さようなら」
天使が囁いた。
「どうして?」
悪魔が舞い降りた。
「何故なんだい?」
貴方は 僕は言った。
「もういいんだよ」
ありがとう。
大好きだよ。
さようなら。
こわかっただろう
痛くて 苦しくて かなしくて
きらきらと降る白い雪
生温い身体をふかく沈めて
まださみしく思うよ
できるなら会いたいって思うよ
年を重ねるごとに薄れていく傷は
きみがつけてくれたものだ
たった一度だけ地面を蹴る勇気
そんな足なら要らなかった
さまよいながら歩けなかったきみは
本当に真面目だったんだ
いつかきみを思い出すようになって
いつかなんでもなくなってしまって
きみに翼が生えていなかったことも
ぼくは忘れてしまうのかもしれないね
時計の針が1秒ずつ進んでくのを眺めるだけで
切なくなる 苦しくなる 愛しくなるの何でだろう
そうだ。
70億人の中で運命の人が重なるのが奇跡なんだ。
だから大丈夫。
この世界は70億人もいる。
森の中の廃ホテル
ツタで隠された秘密のシェルター
そこが僕の巣
誰も干渉してこない場所
今にも崩れそうな天井
音程の狂ったピアノ
奇妙な安堵がここにある
こここそが僕のエリュシオン
汚れた世界にさよならしたのは
昨日のことだったろうか
あるいは何十年も前のことだったろうか
定かではないけど
今言えるのは
ただ
もうあの世界には
戻らなくてもいいということ
僕はやっと「自由」を
手に入れることが出来たということ
君はなんて言うだろうか
今の僕の姿を
堕ちたものだと嘲笑うだろうか
それでもいい
やっと僕は
真の「自由」を手にしたのだから
おなかが痛くて学校の
トイレにこもるぼく
ふーすっきりした
おーまいがー
紙がない
「はいっ、どうぞ!」
あ、ありがとう
隣のトイレからペーパーがきた
その声は後ろの席の前島くん!
ちょっと待ってと彼が言った
そして彼は靴を脱ぐと、噴水の真ん中にある
天使の像にキスをした
「冷たい」そういうと彼は
「やっぱり、君のほうがいい」といって
微笑み乍ら戻ってきた
ありがとね、痛いくらいがちょうどいいなんて
どこかで聞いたことあるような科白を
これ見よがしに並べてくれて
それ、今私が言ったから
どうして
そんなセンスの無いことばっかり
どうして
私を救ってくれないの
何も何も何も
残らないまま
靴擦れに絆創膏を被せて
生きていた
生きてしまっていた
「えっ………憧れって…?」
夏川くんが心配そうな顔をした。
「いえ。何でもないんです」
夏川くんには隠せても桜尾さんはたぶん全部知ってるんだ……。
(心読めるんだもんな、桜尾さん)
そう思ってふと桜尾さんの方を見た。
桜尾さんは優しく微笑んでいた。
「僕は何も言わないよ。白帆さんに言われない限り」
(やっぱり優しい人だ…)
人の心が読めてもあえて何も言わない。
人の心が読めるから人の気持ちがよくわかるんだろうか。
“ふじばかま”の花言葉… '思いやり'
「確かに“ふじばかま”っぽいですね」
いきなり話しかけられて少し驚いた夏川くん。
そして嬉しそうに
「そうですよね。ぴったりだと思うんです」
そう言われた桜尾さんは嬉しそうに照れ笑いした。
それから私の方に向き直して優しく笑い掛けてきた。
「ゆっくりでいいんだよ。白帆さんにはまだ沢山時間がある」
“時間は沢山ある”
そうだ。私はまだまだこれからだ。
ゆっくり答えを出せばいい。
ゆっくりと、確かな答えを。
「運命っていつ決まるかわかりませんからね。突然やって来るものですから、ゆっくり待てばいいと思いますよ」
夏川くんがそう言った。
とても大人びた言葉だった。
甘い言葉で慰めようだなんて
甘い考えだろう
「本音で語り合おう」だなんて
キレイごとに聞こえてしまうだろう
バスから見える景色は相変わらずで
通り過ぎる高級車を横目で見て
「ふざけろ」って呟いた
今、君が泣いていて
隣で笑っている人もいる
だけど、羨ましがらなくていいよ
今、苦しいのは 逃げずに
前に進もうとしているから
楽な方になんていくらでもいける
だけど、目を背けて
楽しいふりをするよりも
向かい風にでも当たっていく方が
素敵じゃないかな
「桜尾さんって…」
夏川くんが口を開いた。
「…初めて会ったときから思ってたんですけど
……“さくら”みたいな人…ですよね」
“さくら”みたいな人…。
「どういう意味?」
桜尾さんが問う。
「“さくら”……具体的に言うと“ふじばかま”かな。
“ふじばかま”の花言葉が '思いやり'、'ためらい'なんですよ。優しい感じの花なんです」
そうだった。
出会ってからまだ少ししか経っていなかったからか、夏川くんのこの一面を初めて目の当たりにした。
「はな…好きなんでしたね」
私のその一言で夏川くんの表情が陰った。
「変人………って思いました?」
元々低い夏川くんの声が一段と低くなった。
「…別に………よく言われるんですか?」
予想と違う返答に驚いたのか、少し表情が明るくなった。
「……はい。よく言われるんです。男のくせに、変人変人ーって」
やっぱり。よく言われるんだ。
「思いませんよ、変人なんて。逆に………」
うつむき加減で私は言った。
「憧れます」
「えっ………?」
ひっく ひっく
吸って 吸って 吸って
ひっく ひっく
まだまだ 吸って 吸って 吸って
ひっく ひっく
吐き出すことを忘れた悲しみを
ひっく ひっく
流すことのできない涙を
ひっく ひっく
繰り返す過ちを
ひっく ひっく
生きてるから
吸って 吸って 吸って
アコースティックギター
人差し指がひりひり
おなかすいたから
春雨食べようか
ラジオから
すきなひとの声
眠たいしあわせ
目障りだよしてくれよ。
笑えば楽だって解ってるけどさ。
上手く笑えないのに。お前はいっつも笑ってる。
自分で創ってしまった自分は好きじゃあないんだ
表情を押し殺して。笑いもせず泣きもせず。
なのにお前はいっつも笑って泣いてる。
知ってるさお前は俺が押し殺した俺本人だろ?
もう解ったからやめてくれ。
それ以上姿を見せつけないでくれ。
俺は今以上自分を嫌いになりそうだ。
霧の中の幻 幻の中の霧
何が本物か 分からない
それが恐くて たまらない
霧の中に幻が あるのなら
幻の中に 入らなければ
良い けれど
人間は幻の中に ある誘惑に
負けてしまう しかし
己を鍛えれば 入らずに済む
幻の中に霧が あるのなら
幻の外へ 出る必要がある
幻の中に 入ったらなかなか
外に 出られない
幻は己の 欲の塊だから
霧が晴れても 我等の旅は
終わらない 本物と思ってた
物が偽物かも しれないから
雨が降ると 旅は続けられない
そんな時 ボクはキミを思い出す
濡れないように 傘を
差し出す キミの事を・・・・
心の雨 想い破れて 強くなる
知りたくなかったものを幾つも暴かれて
それで私は幸せだってさ
欲しくなかったものを幾つも背負わされて
それで私は幸せだってさ
他人のアンタが
上澄み見て描いた夢の形代に
選ばれた私は幸せだってさ