表示件数
1

言葉の刃

口から言葉が零れ落ちる。
最初は、美しく透き通った宝石。
沢山の人と関わる様になって、いつしか少しずつ歪みを生んだ。
今では、どす黒い血のこびりついた刃。
それを他人に向けるだけでは収まらなくなって、自分に刃を向ける。
鈍った刃で無理やりつけた傷は、自分の心情を表していた。
どこか遠くで、穢れを知らぬ幼子の言葉が響く。
鈴を鳴らすような美しい言葉。真っすぐな言葉。
見ていると気がめいってしまって、
・・・・・・・・・・・・自分があまりに憐れに見えて。
そっと目をそらして、空っぽな言葉の刃を、今日も投げつける。
それは、きっと明日も変わらない。
だけど、そんな自分を見てくれる人は案外そばにいるのかもしれない。
刃がいつしか宝石に還るように、少しだけ足を踏み出してみようか。


0

そのこと

可愛いね、て言う君が
違う誰かに寄っていった

可愛いね、て褒めててくれたのに
あの子についていった



そのことは嘘だったの?

言葉も存在も、気持ちも。

0

少年

きみはともだち
ぼくの大切
はなれているけど
意外とちかく
きみがすきだよ
はなしたいな
いますぐ
だけどこれは
恋じゃないことを
僕はちゃんと
わかっている
おとことおんな
ふたつにわけた神様
その間には

愛しか承認してくれないのですか。

0

Stockholm

僕は、息をする。息をするように。
運命ね。
パズルの一ピース、海に放したような朝。
僕も、君もまだ、充たされない。
そんな答えがいいね。
そうね、いっぱいじゃ終わってしまうわ。
暖かさも、柔らかさも。
この悲しみさえ、消えてしまうの。
運命、ね。
私には、この雪の朝だけあればいいの。
君を待っているわ。その先で。

2

半透明な夜

つるり、つるり
夜風が肌の上を滑っていく

大人のふりしてピンヒールなんて
うまく歩けっこなくて

それでも作り笑いは上手くなった

泣くのは下手くそになった

君に借りた傘を返せないまま
お気に入りの傘を見つけられないまま

水たまりを渡っても
誰かの特別にはなれないまま
愛を囁くふりをしている

0

風呂上り即興詩。

まだ濡れた指で画面をなぞった。
軋むような音がした。

きみにはもう、とどかない。

0

すなどけい

残り時間に追い立てられるように
恋をして
恋を終えた

最後から二番目の砂つぶがおちたとき
ちょうどふたりははじめてを終えてそして
目覚めない眠りについた
けれど
最後の一粒は天井にはりついて
底は机にはりついて

時間をころばす影なんか、もう

0

生きてる間の恋の数

君はどうして泣いているの?
どうして後ろばかり見ているの?
君の愛情はこんなにも前に進みたがっているのに

0

まっくろ

嫌い、
怖い、
触れたくない。

黒い黒い私の声。
押さえつけてる蓋の内側から、
どくどく、どくどく、溢れてくる。

いやだ、私に触れないで。
もう、何もしたくないんだから。

息ができなくなる。

私は生きているのか、泣きながら。

0

メリバ

あなたが大切だから
一番だから
頼みたいの

コロシテチョウダイ
ウチニアルキョウキデ、アナタノホンノウデ

きっと答えは簡単だったんだ
血濡れなら一人で
望むなら二人で

アナタニオワラセテモライタクテ

0

無題

終わりの予感を積み上げる
こんな関係に意味はない

そう言い切れたなら
もっと毅然と生きられるのに

0

闘え

勝てとは言わない
負けるなとは言わない
それでもグチグチといってるんだろ?
幸せだよな
本当に努力した事ないくせに
本当の努力なんか知らないくせに
さーって、キョウハナニヲシャベルノカナ?

0

つらくて

つらくて
助けてほしくて
だけど
今はなにも信じられないから
たとえ、もし、いないと思うけれど、もしも、優しい誰かがいたとしても、
差し出された手も
かけられた優しい言葉も
すべて嘘に感じてしまうから。
どうして生きてるんだろう、なんて。
嘘に感じるなら
まっすぐ信じられないのなら
人間として価値がないんじゃないか、なんて。

0

もう

今回こそは、もう信じられない
信じたくない

0

こころ

たくさんねたくさんね生まれたよ
心の片隅にまるいまるいの
とっても黒い醜い汚い
それでも私の一部なの
よかったね

2

東京

外れたイヤホンから
わたしの生まれたずっと前に
切り取られた5分32秒が
2016年の夕暮れに
流れ込む、とくとくと。
染み込んで、栄養になればいい。
寝転んだ畳の目から芽が出たら
君に電話しようと
思った。

0

思い返すはいつも君 第2話

・・・長い長い学校が終わった。
私は荷物をまとめて真っ先に家へ向かった。
家に向かうとはいえ、まずは電車に乗るために駅へ向かい、電車に乗って家に着く。

駅で待っている時。私が持っていたスマホが振動した。

見れば私の友達からLINEが届いている。

「星羅、今から会えない?」

ーー私の中学時代の同級生、池乃有彩(いけのありさ)からだ。

「うん、別に会ってもいいけどどこで?」
「んーじゃあ○○駅で。」
「OKりょーかい。」

こんなやりとりをしてLINEを閉じた。

私はふと思った。

・・・いつも有彩とは、大晟のことばっかり話してたっけ。私がずっと大晟に片思いしてるってこと、有彩を含めてほんの数人にしか言わなかったもんな・・・

結局いつも、考えていること全てを大晟に関連付けてしまう私なのであった。

0

無題

夢を叶えるために強くならなきゃならない
気持ちと行動は真逆になって
本当は怖いのに何食わぬ顔をして歩いていく
いつかこの思いが実現するように
今日も前だけ向くよ

0

朝の下駄箱
毎日君がいた
そう気付いたのは
君がいなくなった日

0

本音

本音を伝えるのって、難しい

きっとそれは、それほど周りの人が

大切だから。

本音を告げて、関係が崩れることを

恐れてるから。

伝えた後、天国か地獄かは

自分じゃわからない

でも、ゴールは同じ

お互いの関係はこの世でいちばんの

天国にいる心地がする

でも、伝え損ねると

何かの拍子に伝えるべき人がいなくなった時

人生最大の地獄に

叩き落されるだろう。

本音って、大切ですね

1

無題

チカチカ光る街灯に
窗ろっこしい影を投げ
深い溜め息を捨てていく
月が陽射しに隠れる頃には
影も形を変えるだろう。

1

別れる前の喧嘩より
別れる瞬間より
さよならの言葉より
何より辛いのは
付き合ってた証があること。
もらったもの、お揃いのもの。
記憶ごと消えたら
こんな思い、
しなくて済んだのに。

0

いつか。

いつか忘れてしまうんだろうね。
いつか消えてしまうんだろうね。
いつか失ってしまうんだろうね。
そのいつかが
いつ来るか
わからないからこわいんだろうね。

0

帰り道:星が綺麗とか思い乍ら

君と歩くこんな夜は
夜空には星が瞬いていて欲しい