なんとなく、そんな気がして
視界の端で探してみる
ぼんやりと
良く似た後ろ姿に
跳ねた心臓と寝癖を隠して
静電気みたいに
突然ぶつかった視線
逸らせない数秒間
知らなかった、君の横顔
そんな風に笑うなんて
ずるい、
センターにマイクを挟んで立つあの2人も
ゆとり世代とくくられるあの人も
まだ陽の目を浴びてないままで持論を語りつける目上の人も
今きっと自分がこうして言葉での評価の上での
話。あの人明日どうなるかな。その人を憎む人、嫌う人、評価する人。そんな世の中。知らないままいなくなるのヤダな。知ってからここからいなくなりたい。明日寒くなるかな。
ブラックホールさえも真っ白になる
降り積もった雪が
君の足の下で
きゅっきゅと笑い声を上げれば
赤くなった耳
冷たくなった指先
半分こしたイヤホンに
2人の間にだけ共有される音に
さり気なく隠した2文字に
もうそろそろ気付いてよって
少しだけ期待して
ひとみをとじても ひとみをあけても
浮かんでくる眩しい笑顔
うれしさがふわっと風船にのって
それぞれの空をつなぎだす
ここにいること
優しい声と髪をなでるてのひらの
やわらかな感触
空がどこまでも広がって
あなたとわたし あえたなら
いつかきっと約束を
あの日またねをあきらめた
ひとみにふれたい
一年前の自分が、ひどく稚拙に見えるようなこの場所で
理不尽に淋しがりながら生きている。
週末を締め括るためのことばさえ見つからないまま、むなしく鉛筆をかじる宵のこと
君が好き
好きで好きで、たまらないくらいに
独り占めしちゃダメかな?
ずっと好きでいいかな?
見惚れてていいかな?
ずっと隣にいてもいいかな?
いいよって行ってくれる日まで、私
待ってるからね
パーカーの中に閉じ込めたあくびで
ジェントルはくるり夢見る夢の続き
袖口でレンズを拭いて目覚めた君が
三度目の朝をゆるり迎えるときまで
静けさを守るユニコーンでありたい
久しぶりにこの感情がでてきた。
今まで封印してたのに。
親友から親友の彼氏への
「大好き」というラブコール。
見たくなくて。
むかむかして。
また
前みたいな感情を持ってしまった。
また
一人だけ嫌な感じになった。
また封印しなきゃいけないのに。
きみのいない世界に意味を持たせるのは簡単ではないのに。
僕のいない世界には簡単に色がついてそうで。
卑下してるわけじゃないし、慰めてもらいたいわけでもない。
きみの想いと僕の想いがはぐれたままなのは、やっぱり嫌なんだ。
だからね、僕のことは正月休みくらいに思ってて。
あったら嬉しいけど、なくても困らない。
…なんて。
貴方が髪に挿して下さった
真っ赤なカメリア
お母様は顔を顰めたけれど
似合うよと笑んだ貴方の言葉が
迷信よりも真実だった
貴方が髪に挿して下さった
真っ赤なカメリア
貴方の腕はいつだって花盛り
出来れば最後の褥にも
この香りを満たして欲しい
貴方が着せて下さったなら
眞白の装束は迷わず私を導いて
貴方が引いて下さったなら
最期の紅は玉虫のお色
持ってはいけない真っ赤なカメリア
川の畔へ植えておきますから
貴方がいらす頃にはきっと
その懐と同じ 一面の花盛り
君はただひとり、名前をきくと忘れたふりをしてた相手
はあ。そんなの火に向かって叫ぶみたいな虚しいことなのに
君は私に天使みたいな目でそっときく
なんで泣いてるのって
でも、決して君は涙のわけなんてわからない
あいつがいいんでしょ?あいつは王冠をかぶせてもらえるただひとり
きっと嵐の中もそばにいてくれるんでしょう
でもやっぱり君は君なんだ
天使みたいな目で優しく語りかける
でもやっぱりこの刺繍の上を落ちる涙のわけなんてはなせない
だからウェディングドレスの色みたいな笑顔を浮かべて言うしかないんだ
大丈夫だって