歩道橋の上からみた
濡れたアスファルトが
いつもよりも綺麗で
数秒間だけ、
君のことを忘れられたよ
それでも数秒後に
少し秋めいてきた日常が戻って
割れた水風船みたいに
抜け殻の愛おしい記憶の中に君を探すよ
泣いてしまいたい
なんて 何度も星に願った
流れていった 涙じゃなくて星が
いいかげんにしてくれよって
叫んでしまいたかった
でも それを口に出せないのが
本当の私 弱虫で情けない
今の気持ちはこの詩で
まだ 耳を澄まして みれば
ありがとう ごめんなさい
聞こえてる
きっとまだ この世界は 終わっちゃいけない
はれたそら、落ちてこい
真っ白に燃え尽きながら
汗に濡れて、ぼくは
届かない
触れない指に
冷たい風がとおる。
響かない
揺れない鼓膜に
世界が斜めに揺れる。
未来は、
僕が、
独りで描けるものじゃなく
暗闇では道は見えない。
愛しい、
恋しい、
誤魔化せるものじゃなく
色も意味も見えない世界で。
女の子の部屋は、花であふれていました。
お母さんが育てた花をたくさんくれたのです。
男の子にはすべての花の種類を言うことができます。
この花はどうしたんですか?
枯れちゃったの。
この花にあまり水は必要ありません。水をやるのをやめて、陽に当たるところに出してあげてください。
男の子はそっと植木鉢を手に取ると、窓際に置きました。
ありがとう。
んで
もっと聴かせて欲しいの。オトの楽器の音を。
男の子は生活のために楽器を作り、鳴らしてきました。
しかし、この女の子にはいつまででもずっと聴かせてあげたいと思いました。
見たことのない世界を見せてくれた女の子には、聴いたことのない音色を。歌を。
男の子は楽器を手に取ると一音鳴らして、口を開きました。
あの子と話すのは楽しいですか
私と話すのは楽しいですか
あの子と私どっちの方が好きですか
頑張っても何も
変わらないかもしれないし、
後悔するかもしれない。
嫌われたくないし、
傷つきたくない。
きっと逃げた方が
楽なんだ。
でもね、あたし思ってたよりもあなたの事が
好きみたい。