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会話

"問題!「蕣」はなんて読むでしょうか!"
"あさがお!!!"
君は笑って得意げにそう答えた。

"なんだ、知ってたのか〜笑 何で知ってたの?"
"だってあなたみたいだもん"
君は僕の問いにそう答えた。

"どういう意味?"
"ひーみーつっ!笑 でもそのうちきっとわかるよ"
"ほんとかなあ?"
"そのときは答え合わせでもしようよ"
その日の会話が忘れなれなくて、僕はその答えをずっと考え続けた。

"ねえ、あの答えは何?"
"あさがお、君も私も好きな花。あさがお、って「朝顔」とも書くじゃない?それは「私」で「蕣」は「あなた」なの。それが答えだよ。"
君はそう答えた。

ーーー 僕はその答えの意味に合った存在になれてるのかな。

そんなこと言えないな、と思った僕はそれを隠して、あさがおが咲く道を君と一緒に歩いた。

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梅雨明けて

君の白い肌
髪をかきあげて見えた後れ毛とうなじ
あぁ、夏が来る

2

セカイ

僕が人間である意味

僕は生まれる動物を間違えたのかもしれない

僕は生まれる場所を間違えたのかもしれない

僕は生まれるべきでなかったのかもしれない

もしあのときくっついた精子が

僕でなかったら


怖いよ

1

戯言即興詩。

あめもようの金曜日、クルマを駆って
ワイパーが往っては戻るのを眺めてる
色々な光が、回転しながら屈折しては
汗ばんだ肌をゆっくりと浸していくよ

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LOST MEMORIES ⅣⅩⅨ

「というわけで。これ以上この話については言及しないでくださいね。」
一瞬の隙をつかれて、幕を下ろされた。
サミットが隠したがっていること。隠さなければならないことがあるのだとしたら、それは一大事だろう。
しかし、それと人間送りがどう関わっているのかはまだわからない。詮索しすぎると、本当に首がとびそうである。それが、たとえ王の娘だとしても。
「サミットが関わっているということは漏らしてもいいの?」
探るように、恐る恐る聞く。これでチャールズの首がとんだなんて、人聞きの悪いことは言われたくない。
「だめですよ。」
「……今、私に漏らしたよね?」
「でも、お嬢さまは漏らさないでしょう?」
連帯責任に持ち込まれた。
これでは小賢しいなど可愛いげがある。抜け目なくて狡猾なのだと、瑛瑠は思わずにいられなかった。

2

解剖学

君の頭蓋骨を
抱きしめて

君の肋骨に
小鳥を閉じこめて

君の蝶形骨に
口づけをして

何度も何度も何度も
解剖してあげましょう
君だけに

0

初恋は

形がなくて
ふわふわしてて
夢の中に、秘めた想い

現実と繋げない
繋げてはいけない
記憶の中だけでふくらむ思い出







なーんて。

半径2mの中にいた君に
手を伸ばす勇気がなかった私に
理由をつけた

0

みんなぼっち

あの頃を思い出した
「友達100人できるかな」

まるで目標かのように言われてきたんだ
数さえ多ければ良いのかと

学校なんてクラスメイトなんて
括らなければ大人は把握が出来ないなんて

しんどいね、しんどいね、そんなの、
しんどいね、しんどいね、君もなの?
しんどいね、しんどいね、私もだよ
しんどいね、しんどいね、ああ、尊いね

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君だけを

君は今 どこにいるの?
きっと 雲の向こう 見守ってくれていると信じて
雨が降るたびに思い出す 泣いていたあの日の君

この雨も もしかしたら 君の涙だったりするのかな

君との過去を見つめ返すたび
何度も何度も泣いた
何回も忘れようとした
それでもまだ君の側にいたい
これまでもこれからも愛してる

この世に永遠なんて無い
それでも僕は
いつまでも君といたかったんだ
なのにどうして?

僕の今に目を向けるたび
涙が止まらないんだ

世界が終わる時がきても
変わらずどんな君も愛してる
何があったとしても君だけを

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LOST MEMORIES ⅣⅩⅧ

「サミットの存在をちらつかせて質問をかわすなんて、卑怯じゃない?」
「でないと、私の首がとびますからね。物理的に。」
少しとがった声で追及するが、チャールズは慣れたものだ。
「時が来れば言うと申し上げているじゃないですか。」
「本当にそんな時が来るの?」
冷めた目で見ると、
「来ない方が望ましいのですが。」
と、陰を落として言う。それがあまりにも思い詰めているようにも見えて、瑛瑠は次に続く言葉を失った。

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LOST MEMORIES ⅣⅩⅦ

瑛瑠の目も真剣になる。
「他の西洋妖怪も こちらに送り込まれていると前に言いましたよね。それには、付き人もついてきています。ですから私だけ、お嬢さまに口を割るわけにはいかないのです。
お嬢さまは先程、何を隠しているのかとお尋ねになりましたね。察しがよくて何よりです、推薦が通ったはずですね。」
推薦とは。
しかし、つけ入る隙もないチャールズの言葉によって霧散した。
「後ろには政府がいます。もっというのならサミット。
賢いお嬢さまなら、これが何を意味するのかわかりますね?」
サミットとは、魔界における各種の王達の集まり。絶対的権力者達。
もちろん、そのうちのひとりには、瑛瑠もといパプリエールの父もいる。
逆らってはいけない。干渉してはいけない。
「黙って従っておけと、そういうことなのね。」
規模の大きさに寒気が走る。