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LOST MEMORIES ⅧⅩⅤ

「ただいま……。」
思わず玄関に座り込み、壁にもたれかかる。
いつもは出てこないチャールズが、リビングから姿を表した。
「お嬢さま!?」
さすがに様子がおかしいと思ったらしい。すぐかけより、瑛瑠の額に手を当てる。ひんやりとしたその手は心地よかった。
「大丈夫。少し頭が痛いだけなの。」
心配させまいと微笑んで見せる。するとチャールズは、失礼しますねと一言言ったかと思うと、慣れたように瑛瑠の腰に手をまわし、膝裏に自分の腕を通した。嫌な予感がする。
「ちょっと、チャールズ!?」
そのまま横抱きにされ部屋へ直行。強制連行された瑛瑠は完熟トマト状態。
「さすがに着替えは手伝ってあげられないので頑張ってください。ちょっと無理をしすぎちゃいましたね。明日明後日は絶対安静としましょう。ね、お姫サマ。」
くしゃっと頭を撫でられ、悪戯めいた瞳を残して出ていく。
「病人にそれはキツいよー……。」
即行で着替え、倒れ混むように横になり、瑛瑠は顔を枕に押し付けた。

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うたうたいの独り言

信じてたことがあって

疑っていないことがあって

頼りにしていたことがあって

支えになっていたものがある。

一瞬が一生にって神様に願った。

一生が一瞬に変わるまで、わからなかった。

この世界に神様なんていないこと

やっぱり願い事なんてしないほうがよかったって

そんな風に思う日がくることを。

悲しみは誰のものでもない。

自分が背負う業でしかないのでしょうか。

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unrequited love

ねぇなんで貴方はそんなにも
完璧なまでに美しいのかしら
見た目も心も何でもいいから
もう少しくらい醜ければよかったのに

優しく笑う貴方の横顔
嫌いで嫌いで愛しているわ
貴方がくれた花束の中の
根が今私の心を蝕む
最後まで貴方は狡いのね

知ってる 知ってるわ ねえ ダーリン
醜いのはそう 私自身よ
過去の冠が外れないまま
赤い糸引きずって生きているのね


ねぇ 幾つの季節が貴方の声を
私の記憶から消してくれるの
あの日咲いてた花さえあなたを
引きずってくる鍵となるの

画面の向こうの貴方の涙
見ようとしない私への罰ね
貴方の不幸を知らずに願う
汚れて傷つく私の心
最後まで貴方は賢いのね

覚えてて 覚えてるわ ねぇダーリン
笑ってくれた貴方の想いも
壊れかけパズルをはめてくように
泣きながら私は生きていくのね


お願い最後にひとつの我儘
これ以上何も望まないわ
今を生きていく貴方の中に
いつまでも私を息づかせて


覚えてて 覚えてるわ ねぇダーリン
笑ってくれた貴方の想いも
壊れかけパズルをはめてくように
泣きながら私は生きていくのね

知ってる 知ってるわ ねぇダーリン
醜いのはそう私自身よ
過去の冠投げ捨てて ほら
最後まで貴方は美しかったわ

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Bang!

彼女の暗鬱な語り口がべっとりと頭に残ったまま、僕は頭抱えて譜面と睨めっこしている。その内飽きたか諦めたかでペンと紙を取り出して、さっきの彼女の事やらを描き出すのであった。怯えたまま。震えたまま。
誘き出された性的欲求に圧勝する倦怠感。何かが変わる予感だけしてる。耳鳴り未満のお小言くいくい、偏屈な思想を振り翳すOn the music.
悪くない、悪くはない。
悪くはないけど反吐が出る。
悪くない。嫌じゃない。
けど吐き気催しちゃってまたとんずらしたいのに!

責め立てられて白群の朝、止まった時計が揺るがないぜ。あぁ…動物園もびっくりのカテゴライズ。
げにsultry!群青だなんて、気張ってないけどうだってない。あぁ…「パラディソはウェアー?」切って貼っておやすみ。Bang!

さして間もなく描き終えてからテンプレ怒髪天を衝く。空回る日々に指した嫌気すら「まぁいっか」って美声でかき消して。その内冷めたか覚まされたかで布団に転がっては、また新たな詞を書く為に言葉がwork inside head.
求めるまま、逃げ出したら。
完全無欠無血開城大失敗。
あぁ…やはり血は流れる…!
痛くない、そう悪くはない。
痛くはないけど血反吐吐く。
悪くない。嫌いじゃない。
けど縺れ絡まっちゃって、頑張りは無駄じゃないのに。

追い詰められて乳白の空、しまった。取り敢えず横を向いた。あぁ…やっぱ情けなくなっちまう。
一等賞だけが有意義?もしもそうでも君がいる。何を隠そう、散って去ってまた明日。Bang!

勝ち目もないのにガッツ!は迷惑?
借り手のつかないこの胸に流れるMusic&My blood
もう!容易く僕の心に触れるな。lockはけっこう厳重なんです。
そうデリケイト・バリケード
悪くない、悪くはない。
悪くはないけど飽き飽きしてる。
悪くない。嫌いじゃない。
けど吐き気しちゃってもうすっぽかしちゃいたいのに。

責め立てられて白群の朝、止まった時計が揺るがないぜ。あぁ…動物園もびっくりのカテゴライズ。
げにsultry!群青だなんて、気張ってないけどうだってない。あぁ…「パラディソはウェアー?」
誰にもわからないから
また始まっちまう
Tomorrow never knows!! Bang!

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ごめん

俺のせいだから

それはちがうよ?

お前ほんと優しいな。
ありがとう。

優しくなんてないよ。


…何度繰り返しただろう。

僕が寂しさを隠しきれなかったから

君は優しすぎるから

それに気づいてLINEや電話をしてくれた

とても嬉しかった。

でも僕はその優しさに甘えすぎた。

そのせいで君は大人たちから

同級生たちから

色々なことを言われてることを

僕は知ってる。

君は笑いながら

まあなんとかする。

大丈夫だよ!

って言うけれど。

君の大丈夫は大丈夫じゃないことも

僕は知ってる。

それに"たぶん"が付いたときは

絶対に大丈夫じゃない。

ほんとにごめん。

謝るなよ

って君は言うけれど

謝ってしまうよ。

悪いのは全部僕だったもの。

僕が強ければきっとこんなことに

ならなかったよね。

…ごめんね



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こんなのポエムでもなんでもないかもしれないです。ごめんなさい。
でも言える場所が見つからなくて…
今、思ってること素直に書きました。

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ときどき

あなたが生きていることを忘れそうになる。

この地続きのどこかで、食べたり寝たりお話したり。
結局自分のことしか考えていないのだ。
それでいて、あなたのことを想像し得るほど、あなたのことを知らないのだ。

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LOST MEMORIES ⅧⅩⅣ

瑛瑠はふと気になって口を開いた。
「仲が良いんですね。」
特に深い意味はなかった。不意に口をついただけ。
しかし、望が驚き慌てる。
「そう呼んでって言われたからそう呼んでるだけで!別にぼくたちの間に特別な何かとかないから!」
何も言っていない。
思わず頭痛を忘れる。おかしくて笑ってしまった。
「私、何も言ってません。逆に、何か隠しているみたいじゃないですか。」
笑う瑛瑠に、表情を固くした望。
「ねえ瑛瑠さん、」
チャイムはいいところで鳴るものだ。
開きかけた口を閉じ、無理しないでねと言って前を向く。
瑛瑠は、今紡がれようとしていた言葉を恐れた。少しはやすぎる事の顛末に動揺もした。そして、とりあえずほっとする。
勘違いであって欲しい。いっそ、自惚れであってほしいとさえ思う。
頭痛だけではないような痛みに瑛瑠は耐えていた。

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Dragon Fantasy

 むかし、ドラゴンに悩まされている村がありました。たまにドラゴンがふらっとやってきて、村から若い娘をさらってしまうのです。
 そこで、若者たちのなかで一番屈強なのが骨董屋で手に入れた剣を腰に差し、ドラゴン退治に出かけることになりました。
「ドラゴンをやっつけたら記念に牙をみやげに持ってきてくれ」
「オッケー」
 たいまつの火を頼りに洞窟の奥に進むと、ドラゴンはいました。近くで見るドラゴンは思ったより凶暴そうで、若者はすくみあがってしまいました。
「お前を退治しに来た」
 ふるえる声で若者が言いました。
「ああそう」
 ドラゴンの返事が洞窟内に響くと、若者は腰に差していた剣を捨ててしまいました。
「お前もか……わたしを真近で見るとほぼほぼみんな身体的脅威または脅威、暴力臭、それらに由来する恐怖の裏返しによって愛、尊敬の念がわいてきてしまうストックホルム症候群のような状態に陥る。心拍数を増加させるホルモンが分泌されそこにさらに種々のホルモンが分泌された結果だ。やはり人間なんて生理現象の奴隷にすぎんのだな」
 若者は剣を拾いました。
「若い娘をさらうのはやめてほしいです」
 少し涙目になって若者が言いました。
「さらってない。合意の上だ」
「じゃあせめてもう少し年かさの女性をねらってください」
「中年女を見てもむらむらしない」
「とにかくもうやめてくださいよ」
「そうだな。そろそろ飽きてきた」
「何かべつの趣味を見つけるといいです」
「恋を重ね、女性に対する幻想が消えるころ、狂おしい欲求はなくなり、それにともないすべての欲が衰えてゆく。もう生きるのにも飽きた。その剣でわたしの眉間のあたりを刺してぐりぐりやってくれ」
「……できません」
「やれと言ったらやれ!」
「うわあああ!」
 ドラゴンの牙を持って村に帰った若者を、村人たちは大歓声で迎えました。若者の股間が濡れていて、ちょっと変なにおいを発していることにはもちろん誰もふれませんでした。
 若者には当然若い娘がたくさん寄ってきましたが、若者が相手にすることはありませんでした。ドラゴンの言葉が心にこびりついていて、恋愛する気になれなかったのです。
 どうですか。身につまされる話でしょう。ではまた。