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女心と秋の空[1]

 ガチャッ。
「ただいまー」
「ああ、お帰り」
 ケンジは野菜炒めを作る手を止めずに、玄関に向かって返事をした。ジュージューと油の音がキッチンに響く。
「んー、今日は何?...あ、野菜炒めだー」
「そ。もうすぐできるから用意しといて」
「オッケー」
 ナナミとは同棲をはじめてちょうど一ヵ月だ。深夜の工事現場で働くケンジと、スーパーでバイトするナナミ。夕飯を作る役は、自然とケンジになっていた。
「ご飯炊けたよー」
「ん、よそっといて」
「はーい}
 しかし最近レパートリーが一辺倒になってきている気がする。ずっと同じ料理のローテーションだとさすがに飽きてくるものだ。そろそろ何か変化をつけねば...。
「あ、そうだ、今日はスーパーでお惣菜もらってきたの」
「おっ、いいね、何貰ったの?」
「今日はね、えーと、唐揚げ!」
「おお。んじゃ、それも出しといて」
「はーい」
 出来上がった野菜炒めを大皿によそう。テーブルに置いてからペッパーミルをまわす。
 食べ慣れたものではあるが、我ながらいつもより上出来だ。口のなかに唾が溢れる。
「ケンくん?」

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はい。

こんばんは。メメントです。しばらくぶりです。この間うちの高校の文芸部の部誌(俺は文芸部ではないのだが)に書いた短編をあげようと思います。宣言もしちゃったことですしね。では、



メメント劇場、開幕です。

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LOST MEMORIES CⅦⅩⅡ

「今日は、長谷川さんとの約束があるんです。ごめんね、ふたりとも。」
英人は妙に納得した様子で、そうか,と一言。
「もう大丈夫だろう。指輪もあるしな。」
微笑んで送り出す英人。一方の歌名といえば、不満そうに口を尖らせている。
「そんな。やっと瑛瑠と仲良くなったっていうのにー。」
そんなことを言いながらも、最後にはにっこり笑って、
「また体調崩したら承知しないからね。」
ぽんと肩を叩いて、じゃねと手を振る。
「じゃあ、フラれた者同士仲良く帰ろうか英人くん。」
「そうだな。また明日、瑛瑠。気をつけて。」
二人に手を振り、瑛瑠は図書室へと歩を進める。
後ろでは歌名が賑やかだ。
「ねえ英人くん、また明日ってどういうこと!?休みだよね!あと、さっきスルーしたけど指輪って!?ねえ!」
明日のことを歌名は知らない。しかし、共有者として、友だちとして、歌名と知り合ってしまった。夢に歌名は見つけられなかったけれど、繋がっているのだろうと、何ともなしに思う瑛瑠。
混乱を回避して少しずつ紐解いていくためにも、明日は英人と答え合わせをしたい。きっと聞いたところで、案外聡い歌名のことだ。深入りはしてこないだろうと思うも、上手く返してほしいと瑛瑠は願う。同じ魔力持ちとして、それ以前に友だちとして、歌名を傷付けたくないと思ってしまった。存外、英人にかなり信頼を置いていることを自覚し、微かに笑う。これから会う望とも、そんな関係が築けていけたら、そんなことを考えながら、扉に手をかけた。

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孤独

孤独があるから、バランスが保たれる。

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無題

死にたいなんて

言いながら

淡々とくる

明日に少し

期待する。

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あの頃

君と歩いたこの坂道。
しょっぱいと文句を言い合っていた学堂のご飯。
進学して、帰り道も別れて、
部活も、クラスまで別れて
もう、前みたいな仲良し3人組はいない
前みたいに遊ぶことも無くなってしまった。
あぁ、戻りたいな
あの頃みたいにもっとふざけ合いたい
堅苦しい制服なんか脱ぎ捨てて、
好きな格好して、
草原に寝転びたい。

あの頃に、、、

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ひねくれる、2時5分

誰かを恨み羨んで、妬み嫉んで荒みました。
壊して直して繰り返して、最初とだいぶ変わりました。
取り外せない魂を心の底から恨みました。

取り敢えずの繰り返しで15年生きてきましたが、辞めたくなってきたんです。


でも取り敢えず、明日も同じように生きようって思ってしまったのは
君に彼氏がいたからでも、ジャンケンで勝ったからでも、新譜が発売されるからでも、

ないような ないような気がするんです。


夜に寄る辺はないし、はべる隙間もございません。
茹だる・アンダー・ザ・夜空
向こうには何も見えてません。

取り敢えずを繰り返してちいさくなってきましたが、辞めたくなってきたんです。


でも取り敢えず、明日も同じように死ねないって思ってしまったのは
君と目が合ったからでも、抉った傷が痛むからでも、手に触れたからでも

ないような ないような気がするんです。

取り敢えず「おやすみ」と、口では言ったけど
心の中では
「好きです。さようなら。」
って、言おうとしてたんです。

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忘れてなんかいない

その手に触れた感触を忘れられたなら僕はもう
辛くなんてないだろうけど、こびりついた記憶が邪魔をする。

きっと見つめたその瞳に
真実を見いだせたなら僕は
君と出会わなければ僕は
あの日泣かなければ僕は

今ここに立ってないのだろう。

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金木犀

雨に濡れぼそって
濃く立ち上る香りを嫌った幼い時の記憶を、
落ち葉を運ぶ緩やかな秋風とともに
後ろから走り去った爽やかに甘い香りで、

思い出させてくれ。金木犀。

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シンプル2行日記 Ⅵ

今日も、帰っても親がいない。                        そんなことに、慣れてしまった9月のある夕方。