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おやすみ即興詩。

もどかしくも
哀しい、この
眠気と戯れて

ぼくはいつか
詩人になりたい
と憧れたまま大人に
なったのだ。みすぼらしいけれど
ぼくは今、こうして言葉と戯れて
おやすみ、を宛てる相手はいないまま

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LOST MEMORIES 414

司書さんからお静かにとたしなめられ、初対面の男子生徒からはぎょっとされ、自分でもらしくない行動に赤面しつつ、図書室からの帰り道、なぜかその男子生徒と並んで帰る瑛瑠。
「あの、すみません……この本、読み終わってからでも構いませんよ?」
図書室で読むはずだった本は、結局お持ち帰りコースとなったのだが、先の状況と違うのは、瑛瑠がそれを譲ってもらったこと。
「いーのいーの。俺興味ないんだけどさ、勉強しろって家のやつうるさくって。
なんかテキトーに持ってきただけなんだ。」
悪戯がばれた子供のような、ばつの悪そうな、恥ずかしそうな、そんな表情。
新しいタイプの人である。初対面の打ち解けやすさは歌名に匹敵するなと頭の片隅で思う。
とてもまっすぐで綺麗な目を持った人。
「にしてもアンタ、こんなん読むのか?面白い趣味してんな。」
面白いというわりに興味のなさそうな声。
表裏のない人だなと瑛瑠は苦笑する。
「あ、俺こっち。」
階段前で立ち止まった彼が指差したのは、瑛瑠の向かう階ではない。
「俺、2年だからさ。じゃあな。」
まさかの年上だったか。改めて敬語でよかったと瑛瑠は思う。
「ありがとうございました!」
片手を挙げた先輩。
しばらくしてから、名前を聞くのを忘れたことに思い至った。

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瞬きの隙間に

おとなになれなかった子どもたちは
揺れるブランコに乗って三日月に手が届くと信じている
始まりは些細なことで、涙溢れるエンディングはいつだって君次第だ
秘密のあい言葉で鍵を開けて、迷子の世界に入り込む
繋いだ手は離さないで
ピエロはいつも笑っている
おとなになれなかった子どもたちは
地面を踏みしめて歩くこの瞬間さえ夢の魔法をかけ続けている

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絆創膏

いつも通りの昼休み。
廊下に先輩いるのを見つけた。
と、先輩の隣にいる女の人も。
綺麗に結ばれた黒い髪と白い肌。すごく美人だ。
私も頑張って手入れしてるのに、そんなことを思っていると先輩と目が合った。そして先輩がこちらに向かって歩いてくる。

「いきなりごめんね。俺の彼女が怪我しちゃったみたいで…。絆創膏とかって持ってない?」
彼女が──。
ああ。やっぱりそうなんだ。先輩があの人を優しく見つめていた理由が分かった。
「あ、持ってますよ。ちょっと待ってください。」
「どうぞ。彼女さんにお大事にとお伝えください」
思いが溢れないようにパチパチと瞬きをする。
「ごめんね、ありがとう。」

すごく一瞬だった。
出来るなら忘れてしまいたい。このことも。知らないうちに先輩を好きになっていたことも。

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死ぬくらいなら逃げちゃえば

死んじゃえばいいんだ
人生は1度しかないんだよ?
だから死んじゃいたいんだ

闇雲に解いた
分かるわけもない問4
運任せに転がしたHBが
芯を折った

チャイムが解いた心の糸
逃げるように巣に戻るんだ
逃げて何が悪いんだ
居心地のいいところへさあ
真を突け

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わんだーらんだー

夢を見た
空を飛ぶ夢を

「現実ではありえないけどね」
呟いてみた
目が覚めた気がするんだ

文と文の間に改行入れてみたりして
「ポエムっぽいでしょ?」って
自分たらしさ自分から付け加えちゃったり
なんかしたりあーもう

夢は作れるのさ
君の想うままに
夢を覚まさせてくる
化け物から離れて

夢は手に出来るのさ
君が想うよりリアルに
夢を笑顔で取り下げてくる
自己中から離れて

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ポエムではない話

最近、自分の文章力とか、表現力が著しく低下している気がします…
音楽聴いてても、あぁ~すごいなぁ~、私にはこんなの書けないなぁって考えてしまう…
俗にいうスランプってやつかなぁ
頑張って書こう!
書きたいからさ~

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I'm not perfect.

"僕は僕"
"君は君"
そうでしょう?
自分自身の存在価値を
確かめるために
僕を踏み落としたがる君たちは
正直ナンセンス
"僕が最大の壁"なんて
君たちはもっと世界を知ったほうがいい

神様
僕だって完璧じゃないのにね

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違う当たり前

あちこちでの怒声
鳴りひびく銃声
ひとの最後のうめき声

「へいわなんてしらないよ。ぼくはがっこうにいったことがないからね。じもよめないしかけないんだ。」

虚ろで、けれどどこか穏やかにも見える目をした少年が言う。

「ぼくがうまれたときからここではせんそうをしているよ。そしてぼくはうまれたときからここにいる。たぶんしぬまでもずっとここにいるだろうね。ほかにいくところなんてないんだから。」

そして少年は歩いて行く。町にあふれる騒音をものともせず、死んでいくひとびとの群れをかき分けながら。今日食べるものを探すために。