「そう泣くなって。また会いに来るからな。」
「はい…待ってる…から…ちゃんと好きでいてください」
「もちろんだろ。好きでいるから。」
待ってろ、そう言って彼はその1歩を踏み出した。
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3回で書くとか言ったのに4回になりました(笑)
ちなみに最後の彼の「1歩」は彼の、そして2人の未来への1歩ってことで…はい。はっきり言います無理矢理です(笑)
しかも最後めちゃくちゃ中途半端なところで切ってしまった…
なんか恋愛経験ほぼゼロなのになぜ恋愛物語を書こうとするのか…憧れですかね?www
長くなりましたがこれで終わります!
お代くれたかた!ありがとうございます!
卒業式当日。
何も言えないまま最後のホームルームが終わりみんな泣いている。でも今はそんな余裕はない。だってこの後告白すると決めたんだから。
「ほーら、行っておいで!頑張って!」
「う…うん、が、頑張るよ…」
「ちゃんと笑ってよね!1度しかないチャンスなんだから!」
「分かったから…また後でね」
「いい報告待ってるよー!」
優樹菜と別れた私は彼の方へ近づく。
「……あの…」
「あ、俺?ちょっと外で話そ」
「え?」
彼に連れられてきたのは校庭の桜の下。今年は咲くのが早くてもう所々に花が見える。
「あの!」
「ん?」
「わ、私…話したことないけどずっと好きでした…あ、いや、好きです…で、出来ればこれ受け取ってください!」
私は彼に硝子のプレゼントを押し付けた。
「あ、ありがとな。俺さ、実はお前のこと好きなんだ。」
「ふぇ?」
あまりに予想外の出来事に変な声が出てしまう。
「だから、俺はあなたのことが好きです。」
「えっと…ありがとうございます」
「そんなかしこまって…でも君らしいなその返事」
「そ、そうですか…」
「そこがかわいいんだよな」
「か、かわいいなんてそんな私に似合わな…」
「かわいいよ。とっても。話したことなくても好きになるぐらいに。」
「な、なんか…ありがとう…ございます…あ!連絡先…交換しませんか?」
「うん、もちろん。」
スマホを取り出しLINEを開く。LINEを追加してるのは家族と仲のいい3人ほど。そこに父親以外の男の人の名前が並ぶのは不思議な感じがする。
「多分知らないだろうけど俺、大学遠いから4年間は一人暮らしするんだよ。」
「そっか…じゃあしばらくは会えない…」
「まぁ、そうなるわな…でも休みの時はすぐ戻るし、そのためのLINEなんじゃん。毎日でも話そうよ。」
「そ、そうですね…毎日…」
「べ、別に無理はしなくていいからな。返信待つことぐらい出来るよ。好きな人のためならね」
「私あまり喋れなくて…それでもいいですか?」
「もちろん。」
「…付き合ってくれますか?」
「はい。よろしくね。」
ちゃんとした答えを聞いた瞬間泣いてしまった。ちゃんと思いを伝えられた安心感と片想いではなく両想いだったことへの嬉しさと彼としばらく会えない寂しさがごちゃごちゃになって涙が止まらなかった。
「ねぇ、優樹菜」
「どうしたの?」
優樹菜は私の数少ない友達。家がガラス細工のお店をやっている。
「今日ね綺麗な硝子見つけてね。それを優樹菜の家でなにかいい感じの形に出来ないかな…って」
「うん!いいよいいよ!ちょっと見せてよ!」
「どうぞ」
「ほんとだ!めっちゃ綺麗!校庭に落ちてたの?」
「うん、なんでだろうね?」
「ねー不思議ーまぁとりあえずうちの家おいでよ!」
「うん、行こ行こ」
「ねぇ、もしかしてまた好きな子のこと考えてるでしょ!」
「うん、まぁね…」
私が悩み事をしてると優樹菜はすぐ勘づいてしまう。その能力欲しいぐらい。
「まぁ…もう卒業だもんねー彼には何か言うの?」
「言いたい気持ちはあるけど…なんか急に今さら言うって向こうも困るだろうな…って。」
「そんなことないよ!やっぱり告白されたら嬉しいもん!しかも彼には彼女いないことはリサーチ済みだから」
「もう…お節介なんだからー」
「友達として当然でしょ!あ!そうだ!その硝子プレゼントすれば?」
「え?」
「綺麗な形にしてーそれを渡してーそして告白しちゃったらもうイチコロよ!」
「いやいや、そんな簡単にはいかないってー…でもプレゼントにするのはありかも」
「我ながらいいアイデアだと思うよ!」
「はいはい、そうですねー」
「じゃあなんの形がいいかな…もうそこは思い切ってハートにするとか?2人の名前も彫っちゃう?」
「いやいやいやそれは重すぎるって。ハートはやめとくよ…」
「そっかーじゃあ何がいいの?」
「うーん……しずく型は?私雨好きだし」
「それめっちゃいい!超ナイスアイデアじゃん!じゃあそうしよ!」
綺麗に磨かれしずく型になった硝子はさっきの何倍も美しいものになっていた。優樹菜のお父さんのご好意で売る時の箱にまで入れて頂いてリボンまでして…なんか本気のプレゼントみたいになっちゃったけど引かれないかな…
皆さん、お久しぶりです。
以前、物語の初めと終わりを決めて頂いてそれで書く「始まりと終わりで紡ぐ物語」のコーナー…と言っても1回しかやってないのですが…をやっていました。
11月にmemento moriさんから「それは紛れもなく硝子だった」で始まり「待ってろ、そう呟いて彼はその1歩を踏み出した」で終わるものを書いて欲しいと頂いたのですが、受験生だったり難しかったりして今さらになってしまいました…遅くなってすみません
実はSOLは卒業するつもりでいるのでもしかしたら最後かもしれません。いや、多分最後です。
今回は少し長いですし前置きを書きすぎたので多分3つに分かれます。
あいかわらず拙い文章ですし若干無理矢理なところもあるかもしれませんがぜひ、読んでください。
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それは紛れもなく硝子だった
何となく綺麗だったから拾い上げる。
少し砂で汚れていたが洗ってあげたら輝きが戻った。
「きれい…」
私はそれを透かして見てみた。すると何となく人が映って見える。後ろ姿だけど間違いない。あれは私の好きな人。高校1年からずっと好きで、3年生で同じクラスになれたけど1度も話したことの無い人。私みたいなコミュ障が友達が沢山いる彼の彼女になれるわけが無い。そもそも話しかける勇気が出ない。だからずっと後ろ姿だけを追っていた。
もう3月。あと10日で卒業式。今言わないともうずっと伝えられない。でもやっぱり不安でしょうがない。
私はその硝子を持ち帰った。
長くて暗くて
遠い遠い道の先に何があるのですか?
見えもしないもののために走れるほど
強くない 強くなれない
星の隠れた夜空に 腐りかけの願いを込めながら
・・・・
今すぐにでもこの僕を眠りにつかせて下さい
「”コマイヌ”、能力発動時はただでさえ目の色目立つんだからフード被れよ」
そう言いながら、ネロは彼のウィンドブレーカーのフードをひっつかんだ。
「あー忘れてた。でもお前の赤紫もめっちゃ目立つじゃん」
耀平、いいや”コマイヌ”が笑いながらフードを被った。
「そうだネロ、お前もちょっと手伝えよ」
何を思いついたのか、不意に彼は言った。
「は…あーはいはい、分かった分かった」
ネロは一瞬、意味が分からないという表情をしたが、すぐに理解したのかその目をあの時と同じ赤紫色に光らせた。
「んじゃ、行くぞー」
そう言って”コマイヌ”はおもむろに歩き出した。
その少し後ろにネロ、いや”ネクロマンサー”が付いて行った。
「そいじゃ俺たちも行くかーっ」
師郎のその言葉に、黎が微かにうなずいた。
「…ちょっと待って行くって…」
わたしはまた目の前でことがどんどん進んでいるせいで、混乱していた。
「ぐずぐずしてると置いてかれるぞ? アイツどんどん先へ行くから」
そう言って笑いながら師郎はコマイヌの背を指さした。
「そもそも彼…”コマイヌ”はどうやってわたしのストラップ探すの? 探す対象見たことないだろうし、そもそもわたしがどうやってここまで来たか知らないよね?」
思わずそう聞くと、師郎はちょっと驚いた。