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ブラック

初めて飲んだブラックコーヒーは
猫舌な僕には熱くて苦いや

この涙は苦味のせい
コーヒー色は誰の心?

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ねえ、愛して

忘れられないよ

君とすごした

あの夜が

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言えない

噛みつきたい。啜りたい。噛み砕きたい。引き裂きたい。噛み続けたい。食したい。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑤

ひとまず会話が落ち着いたところで、わたしはふと、さっきのことを思い出した。
「そういえば…さっき、能力発動してましたよね?」
「うん、そうだけど」
さっきわたしが見たのは、ただの見間違いではなかったと分かって、ちょっと安心した。
「あなたの能力って…『周りの人の視線を集める』能力?」
「ん~、ちょっと違うね。アタシの、ていうかアレは”セイレーン”っていうんだけど、『周りの人の意識を集める』って言うのが正しいかな」
その人は、水の入ったペットボトルのフタを開けながら続ける。
「あ、あと、アタシの名前は船戸 セレンって言うんだ。キミは?」
「え、わたし?」
思わず聞き返すと、船戸さんはそう、とうなずいた。
「…不見崎 清花(みずさき さやか)っていいます」
「へーいい名前じゃん」
船戸さんはニコッと笑った。
「…そうだ、船戸さんってさ」
「セレンでいいよ、苗字じゃなんかかしこまりすぎ」
そう言ってセレンさんは、ペットボトルに口を付けた。
「…寿々谷の人?」
わたしの言葉を聞いて、セレンさんは軽くむせった。

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連歌企画について。

連歌企画に参加しているみなさんこんばんは、ちょっぴり成長したピーターパンです。
fLactorさんにまわる前にお伝えしたいことがあります。

先ほど掲載されました私の11番目の連歌ですが、見てくださった方はわかるように、ひどく字余りをしております(許容範囲±3におさめてはいます)。これは、まだこの企画に慣れきっていないみなさんのこれまでの正攻法な流れを裁ち切るために、あえてこういう形をとりました。
とても楽しいものですが、みんながみんなこういうことをしてしまうと、秩序がなくなってしまいます。秩序があるからこそ、こういった遊びもできるわけで。
次に私にまわってきても、このような邪道なことはいたしません。本来、連歌というのはとても決まり事の多いものなのです。みなさんにはぜひ、このように枠からはみ出しすぎることなく、形態を守っていただきたいのです。
その分、掛詞や共通のキーワードを使っていくなどして、形は崩さず工夫して楽しみましょう。

先ほどの私の歌は、fLactorさんの発句を私なりに再現したものです。最初に戻してみたので、ぜひまた違う歌を紡ぎあげていきましょう。

ご清聴ありがとうございました。

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浸る

ずっと君だけを覚えていたいんだ。ただ君のいた夏に浸っていたいだけなんだよ。

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黒歴史

思い返せば私の人生、黒歴史ばかりであります。

しかし黒い歴史も残さずして、一体何になれようものでしょう。

では反対に、白い歴史とはなんでしょう。

後で振り返っても、何の恥じらいもなく誰にでも誇れるような、

そんな立派な過去でしょうか。

綺麗な思い出ばかり集めて、青春映画でも撮るつもりでしょうか。

偽物で埋め尽くされた世界は、何処まで行ってもフィクションです。

"白い"自分であろうとするその姿が、何よりの黒歴史ではありませんか。


私の歴史は、黒で良い。

真っ黒に塗り潰されたこの道は、きっと何処かへ繋がっているから。

汚れることを恐れては、前には進めません。

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じゃない奴

メメントさんの誕生日にポエムで囲み倒すの見てて面白かったので、今度誕生日で祝われたい人は名乗り出てもらってその人にポエム送りまくるっていう企画を誰かしてください(丸投げ)

ちなみにどなたか誕生日が近い方いらっしゃいますか?

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イカとにゃんこの独り言 002

自分のこと可哀想に歌う人いるけど何がしたいんだろ。
自分の人生を物語に例えたら自分は主人公で脚本家で監督であって。そうやって自分の人生は自分が決めるのに悲劇の主人公に自分を仕立ててどうするんだ。
どうせなら喜劇の主人公になろう。自分が笑顔で終われるラストを描くんだ。

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手を繋いで帰ろうか 3

泣いちゃダメだ。泣いたら蒼空が私を忘れたことを認めたことになる気がする。


でも、もういいかなぁ。


スマホをぎゅっと握りしめコンクリートに膝をつく。蒼空、蒼空と声を上げて泣いてしまう。
蒼空が私のことを思い出さなくても、これからもずっとずっと私は蒼空のことが好きだ。蒼空の声も仕草も匂いも全部全部大好き。
でも私だけが好きだなんて寂しいんだって。
伝わるはずもないけれど、悲しい気持ちは募るばかりだった。するといきなり私の視界に誰かが手を差し伸べるのが見えた。


「膝、怪我してるじゃん」


聞きなれた声に上を向く。

『蒼空……?』

そこには蒼空がいた。なんでこんな時に。
蒼空は本当にずるい。私が辛い時にいつも現れるんだから。

「ほら、手貸すから。
女の子でしょ、怪我跡残ったらどうすんの」

『……ありがとう』

蒼空の声に1滴1滴と涙が零れてしまう。

「葵、泣かないでよ」
『そうだよね、ごめん…ごめんね』

そう言う彼の手には私とのツーショット写真が映ったスマホが握られていた。

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手を繋いで帰ろうか 2

私がいなくても蒼空の世界は回るんだ。
そう思うと出し切ったはずの涙は床にまた落ちていた。そして私は来た道を戻っていた。
どうして私を忘れてしまったの。
そんな黒いモヤが心を支配していく。
いつの間にか雨が降ってきた。
でもその雨さえも今の私にとってはどうでもいい。


2週間立って蒼空も学校に来るようになった。
でも私のことを思い出す素振りはない。
寂しいかと聞かれれば当たり前に寂しい。
そりゃそうだろう。
でもその気持ちさえどこにもぶつけられない。
これからどうしていいかも分からない。

私はただの幼い子供だったんだと思いながら
スマホのフォルダーを見る。そこには蒼空と私のツーショット写真があった。この頃には戻れないと思うとまた涙が出てきそうだ。
もう今日は帰ろう。先生に早退するとだけ伝え、
ポツポツと歩く。

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手を繋いで帰ろうか 1

幸せなんて儚いものだ。案外脆くて壊れやすい。
そしてそれがいつ終わるか誰も予想出来ない。
例えば大切な人が事故にあってしまって
自分のことだけ忘れてしまう、とか。

「君は誰…?」
『…何言ってるの?葵。葵だよ…?』
「ごめん、僕達どこかであったことあるかな」

神様は不公平だ。私と蒼空は世間一般的に言う“恋人同士”の関係だった。
私の隣には蒼空、蒼空の隣には私。そんなどこにでもあるようでここだけの幸せだったと思う。もう過去形になってしまったけど。



[蒼空が帰り道に事故にあった]
そう聞いた時は心配で心配で蒼空がいる病院まで
ひたすら走った。命に別状がなかったと聞いた時はどれほど安心したことか。
蒼空の病室に入った時堪らずに涙が零れた。
本当に良かったと泣くことしか出来なかった。
それなのに

“君は誰…?”

まるで初めて会うような蒼空の言葉に視界は暗くなった。だけど頭の中は真っ白で。
変わらないのは蒼空の綺麗な瞳だけだった。

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ああもう

頭を抱えて
髪をぐしゃぐしゃにして
考えても
考えても
わかんない
君の気持ち。
ほんの少しでいいから
私のことを好きになって欲しいのよ。