僕の回りはもう梅雨が明けたらしい
晴れ渡る青い空、押し寄せる暑さ
夏の始まりがやって来た
だけど…
僕は梅雨に取り残されたまま
あの空も眩しすぎる
まだ夏の始まりが見つからない
大事な物をなくしたあとのからっぽをなかなか受け入れられない
どんどん遠くなっていく
少しだけだけど届いたと思ったのに
全然近くもなかったのか
でもクヨクヨもしてられない
僕は飛べないってわかったから
僕は歩いていく
君に追い付くために
あの過去を受け止めて前を向けるように
もう誰か助けてよ
いいにおいがする
きみがスプーンでみかんのゼリーを掬う音
きみの大好物
僕のきらいな、きみの大好物
きみの好きな物
僕はどうしても好きになれないんだ
捻くれ者の僕を見て
またきみは困ったように微笑むんだろう
―自分の周りに誰もいない。
隣にいるはずの美蔵も、目の前にいるはずのあの2人も。
痕跡一つ残さずいなくなっている。
「…どうして」
思わずわたしは呟いた。
ついさっきまで、確かに彼らはここにいたのだ。
なのにどうして―?
それに、なぜあの時視界が真っ暗になったのだろう。
今は真っ昼間だし、普通突然目の前が真っ暗になるなんてちょっとおかしいし…
「…まさか」
わたしは色々考えているうちに、ある1つの可能性に辿り着いてしまった。
「でも…」
いや、さすがにそんなハズはない、とわたしは首を横に振った。
その可能性も十分にあるけどちょっとありえない。
でもやっぱり…
とりあえず、わたしは向かっている途中だった駄菓子屋へ向けてまた歩き出した。
多分そこに行けば、分かるかもしれないから―
こんなつもりで
好きなんて言ったんじゃないよ
ほんとうは
さよならしたかったんだよ
なのにあなたに会うと
まだ痛いなんて
私
馬鹿だな
1ヶ月も我慢できなくて
あなたに出会ってから
あなたに会えない日々がつらくなって
なんだかおかしな気分なの
すれ違うあなたの前で
無理矢理笑ったり
それくらいしたいくらい
わたし、あなたに好かれたいの
なんか心が荒んだ時
私はそっと火をつける
燻らせた煙
アナタとの事を煙巻いて
全部忘れてしまうのよ
「何にも上手くいかないなぁ」
何度ぼやいたことでしょう
「もう、いいや」
って
アスファルトの上
煙草を擦り付けて
ため息ひとつ
アナタのいないアパートへ帰る
なあなあなあなあ
何がしたい
何がほしい
何が見たい
何がいいんだ
私はもうどうでも良くなってしまったよ
何をしてほしい
何をくれてほしい
何を見せてほしい
何を望む
もう人のためには何も出来なくなってしまったのかもしれない
自分のためにも未来が遠すぎて何も出来ないらしい
そんな自分は出来る人を見て羨むだけ
何もできない
そんな自分が嫌なんだな
とりあえず
疲れたから
休みます
もし、明日 世界が無くなると言われた時
君は 何を思う? 何をしようとする?
君は 最期に何を思う?
君は愛された日々をどう思う?
君は誰の愛も感じなかった日々をどう思う?
最期に君は・・・
何を残す?
僕が 誰かを傷つけたとして
それでも君は僕を愛すと言ったとして
誰かを傷つけたこの手で君の手を握れるだろうか
誰かを傷つけたこの手で君を幸せにすると
胸を張って言えるだろうか
誰もが身軽に愛を口にする世界だとしても
僕は君を愛すと
言えるだろうか
答えなんてない 出せるはずない
だって そんな未来 誰も見たくないから
僕達は見たくない未来の決断を
目の前に現れるまでしようとはしない
それが僕達
かわいいひらがなで
10もちがうのに
なんか全然
そんな感じしないんだ
なんでかな
物知りだし
すごく頼りになるんだ
いい意味でおとなさん
じゃないから
すきなんだよ
茶色い髪に破れたジーパン
近所の夏祭りで見かけたとき
声をかけることができなかった
握る手の先には一回り年上の
一回り背の高いmatureな女の子
人は皆、自分の抜け殻を
夏の片隅に忘れてしまう
2年前の夏祭り一緒に行ったね
クラスメートを見つけると
少し離れたところ歩くあなた
手を繋ぐのが恥ずかしくて
私の着物の裾ぎゅっと握ってた
人は皆、自分の抜け殻を
夏の片隅に忘れてしまう
イヤリングに真っ赤な口紅
ラムネの底に自分の顔が映る
気づけば私も変わってしまった
中のビー玉のように輝く瞳
あなたは今でもgenuineな男の子
病み上がりだからと言うあなた
本当はカナヅチなの知ってるの
サンダルで足跡を追いかける
ふくらはぎのとこ蹴ってみれば
くすり指だけマニキュアの色
青に変わったの気づくかしら
何色の夏が2人を待ってるかな
小さな変化にも気づいてあげて
セミの鳴き声 聞こえ始めた
7月の第3月曜日
慣れない自転車でついてきた
ビーチに着くまでのあいだずっと
シャツからのぞく背中見ていた
どこか懐かしさを感じながら
時々こっちの方振り向くあなた
わたしのペースに合わせるの
何色の夏が2人待ってるかな
近づきすぎずに 離れすぎずに
なまぬるい風 顔にあたる
7月の第3月曜日
終業式が終わった放課後
人目を盗み立ち寄った
静かな路地裏の喫茶店
なつぞら色に輝くソーダには
真っ白なアイスクリーム
その上には甘酸っぱいチェリー
ソーダ越しの君が微笑む
愛しくて 恋しくて
ストローで空っぽにしたいぐらい
クリームが溶ける前に
泡がはじける前に
ふたりが混ざりあう前に
チェリーは最後のお楽しみ
ソーダ越しの君が微笑む
愛しくて 恋しくて
ストローで空っぽにしたいぐらい
僕のクリームが溶け
君の泡が弾けた
でもその瞬間が、一番幸せ
そうでしょ そうでしょ
その誘いに 身を任せ
亡び朽ちていく
隠して 隠して
見え隠れする 君の汚れた世界
隠して 隠して
心の声に逆らうように 笑顔を向ける
世界は 残酷だよね
いっそのこと ゼロに返してくれ
あの子の上手な作り笑いに
二重螺旋を撒き散らす
涙みたいな味がするって
相変わらず完成度の高い愛想笑いで
誤魔化されて顔が見えない
誰も知らない僕らのことを
夕立ちが溜まった緑のジョーロ
神さま気取りの少年少女
夏雲越しに君をみていた
みずいろのしゃーべっと
あなたが好きだって言うんだもん
わたしだって好きになるに
きまってるじゃん
くちのなかが麻痺するくらい
つめたくなったら
せんぷうきのちかくで
おひるねしよう
君は
僕の揺りかごみたい
心地よくて
このままずっと
ずっと
ずっと
沈んでいたい
君と触れていたい
君と愛し合いたい
この夜が終わらなければ良いのにって
目が覚めたら
君は隣にはいなくて
君という存在もなくなっていて
そんな世界を僕は
僕は
僕は
壊した
僕と僕で
半分こしましょう
黒と白の世界
怖くないよ、さぁおいで
みんなが僕を待っている
綺麗な世界
嘘の世界
みんなが見てる
でもみんな見てない
ぜーんぶ僕
ぜーんぶ僕の気持ち
ほら、楽しいね