ふと思い出した 君との会話
聞こえないはずの 君の声が響く
「二代目さん!」
呼んでくれた時の私の心臓の鼓動
手が重なった時の私の顔の赤さ
君は何も知らないでしょう?
でも それと同じくらい
私も君のことを知らない
私も君のことを知らないんだ
今 君が何をしているのかも
どこにいるのかさえ 知らない
こんなに知らないんだ 私
知らないんだなぁ
せっかくだから僕はコインがまっすぐ直立するのに賭けるぜ。回り将棋で一手で205マス進むことだってあり得るんだから。
僕は君に恋をした
僕は君の顔もしらない
君も僕の顔を知らないだろう
君の優しさ、君の面白さ
いや面白さではない
僕を笑わせてくれる魔法だ
君は魔法使いだ
ただ知っているのは君の趣味くらい
それだけなのに僕は君に恋をした
なぜたろう、君が魔法使いだからなのか
そんな中、君の悲報を耳にした
ぼくはおどろいた
おどろいただけではないかたまった
その悲報はしょうがいと呼ばれてしまうもの
でもぼくはそんなことは気にしない
君は魔法使いだからそんなことは関係ない
君は僕を笑わせてくれる
ただそれだけでじゅうぶんだ
ビルの向こうで
次の季節が顔をのぞかせて
ガラスの中のビー玉が疼きだす
からっぽな日記
交わらない君の日々
うんざりしてた日常も
今さらこんな愛おしい
よく磨かれた太陽が
正しく周りだすのを待っている
リーダーみたいに威張って、
結局私はすごくもなんともない。
やっぱり周りが合わせててくれたんだな。
みんな優しいから。
私はそんな優しささえ持っていないよ。
理想の先に待っているのは理想
そして
無すら感じないゼロの先が
リアルが待っている
いくら追いかけたって
見えるのは背中ばかり
そして最終的に残るのは
追う背中のなくなった無の世界と
獲物の狩り方はおろか歩き方も満足に知らない子兎一頭
そして遅かれ早かれ子兎は子兎のうちに世に放たれる
生き残るのはただ強い兎かもしくは兎のフリをしていた
猛獣
行く先を決めるのは自分
思えば実に残酷な台詞だ
思い出は綺麗なままで
なんて
そもそも思い出は綺麗だと思いますか?
美も醜も 思い出は思い出だ
そう強く生きられますか?
思い出なんて気まぐれだ
突然生まれて 苦しめたり 慰めてくれたり
そして突然消えてゆく
思い出は永遠ではない
僕達が世界から消える時一緒に居なくなる
残された人々に思い出はあっても消えた我々にそれがあるとは言えない
全ての事象は誰とも共有されなくなった時
既に死亡宣告を受けたも同然となる
それともあなたは
それでも永遠だと強く居られますか?
朝起きて カフェオレと小さなパンを口にして
課題して うどんを食べたらまた課題して
夕食後 ラジオ聴きながらまた課題して
風呂入ったら布団に入る
こんな日々が2か月も毎日同じように続いている
まるで岩窟に囚われた罪人のように
家から出ることもなくひたすら同じ一日をくり返す
毎日変わるのはラジオだけ
2か月が1週間のように感じる
それなのに2か月前の最後の中学校生活が
大昔に感じるのはなぜだろう
だれにも知られたくないです
きみにも、ぼくにも、あいつにも。
けれど 自分が知らないと名前がつかないもの
それをひみつと、呼ぶらしい。
ひとさし指を口にあて
ニヤリと笑えばそれはもう
ひみつと、呼ぶらしい。
ひみつ 一つすら守れないきみは
大人になれなくて
ぼくに嫌われていく
あいつにも嫌われていく
だからきみは悟ったらしい
人に話してしまうと
ひみつ は ひみつ ではなくなるらしい。
それを、ひみつと呼ぶらしい。
これも、きみのひみつらしい。
4月の入学式のクラス写真
真ん中あたりにいる にこにこ顔の君
その5つ隣に ぎこちない笑顔の私
まだ何も知らなかった頃の二人
まだお互いを知らなかった頃の二人
ほら、あそこに
高く
高く
飛んでいる雲雀
散歩道の土手
髪を触る風
春は今ここに居る
バラバラになった
変わってしまった
ガキの頃の友情
あれは本物だったのか
変わってしまった
自分が知るもの
知る場所
そして自分自身も
変わらないものは存在するのか
君の泣いた顔を観るのが辛かったから
君を泣かせたのが僕なのが怖かったから
君のいる場所から逃げたくなった
君の心を無視して笑顔を繕った
でもだめだめだった
ねえ、なんでこんなことになったんだろうね
僕は君の笑顔が好きだったんだ
自分らしく生きなさい 周りに合わせなさい
失敗を恐れず挑戦しなさい 責任はとりなさい
正直者でありなさい 必要ならば嘘をつきなさい
自分の意思を持ちなさい 人の意見を聞きなさい
命を大切にしなさい 命をかけてやりなさい
大人の言う事を聞きなさい 子どもらしくありなさい
笑って過ごしなさい 笑顔でいなさい
そうやってちょっとずつ大人になっていく
皆の声が聞きたいな
今深い夜の中
私の周りはかえるの大合唱
可愛いな 元気だな
でも
皆に会えない私
迫る運命の日への準備が出来てなくて
焦るばかり
皆はどうしてるかな
教室に響く笑い声を聞きたい
楽しい話を
皆それぞれの声を聞きたいな
先生の授業もなんだか恋しいな
思いっきり歌えない私
唯一の仲間の君と歌いたいよ
小さな声楽部
新しい部員は入ったかな
これからもっと歌いたい
何もなく引退してしまうんじゃないかな
美しい響きを
二人の声を重ねたいな
新しい曲にも出会いたいな
色んな声を聞ける日を
楽しみに 信じて
今 できることをしよう
夏と春が混ざりあって溶けた夕暮れに
烏が1羽飛んでいった
そよよそよよ木の葉の音が
君の声のように聴こえる
どっかの家の風鈴がちりり
やけに夏を早く取り込んだおうちだね
ふわふわと飛んでく蝶々を眺め
ぼんやり君のこと思い出してた
ゆっくり暗くなってく夜空
日が長くなったね