たまに絡まってイライラして
右と左違う音を出しあって
上手にラブソングを奏でましょう
「…すごい」
倒れていた少女はゆっくり上体を起こしながら呟く。
「皆さんすごいですね、チームワークとか、魔法とか、本当…」
そうかな?と周囲のコドモ達は顔を見合わせる。
「…別に、ぼくらの魔法自体は特別すごいモノじゃないと思う」
「だよね! ていうか、ここにいるメンバーって魔法使いになったことに対してネガティブな感情を持ってる子多いし…」
へ?と倒れていた少女は驚く。
「あ、ここにいるメンバーはね、魔法使いになったのは良かったんだけど、手に入れた魔法が思ってたのと違ったとか、願いを叶えてしまって魔法を持て余してしまったとか、そもそも魔法使いになったことを後悔してる子とか、色々いるんだ…」
「うちらはそういう集まりなんです」
周囲の魔法使い達がそう説明すると、倒れていた少女は、そうなんですか?と聞き返した。
「うん、そうだよ。さっきのアツマ先輩も、何年か前まであんなすごい魔法を手に入れたことを後悔してたって言うし」
「『ここで死にたくない!』って願ったのに、手に入れたのを後悔するなんて変だよねぇ」
「ちょっとエリ! それじゃ先輩に失礼でしょ」
魔法使い達の中のよさそうな会話を聞きながら、少女は自分の手元にある鞄型のマジックアイテムを見つめた。
「…あの、わたしも仲間に入って良いでしょうか?」
魔法使い達の視線が一瞬にして少女に注がれた。
「…わたしも、自分が手に入れた魔法の使い道があまり見当たらなくて…だから」
少女は魔法使い達をまっすぐ見据えた。
「だからわたしも、な…」
「あ、仲間になってもOKだよ!」
和服のような恰好をした魔法使いの言葉に、少女はぽかんとした。
「うちらの集まりは、来るもの拒まず、去るもの追わずのゆるい集まりだからね! 出会ったその時から、仲間みたいなもんだよ!」
あーでもないこーでもない、なんでみんな僕の邪魔ばかりするんだ、なんていう言葉をまた生産しては手を動かす。器用な人である。先程憎まれ口は叩かれたものの、これは別に嫌われているそれではないのだとわかる。本当に切羽詰まっているのだろう。私には手伝ってあげることはできないから、コーヒーだけでも入れてあげようとソファから腰を上げた。
ついでに私の分も入れようと、マグカップを二つ並べる。一方は月の模様があり、もう一方はマグロを模した魚がプリントされてある。以前使っていたマグカップを割ってしまった時、キミのはこっち、そう言って彼が出してくれたものであるが、やはり感性については疑問を感じずにいられない。そうは言っても、お気に入りにしてしまっている時点で私の負けである。コーヒーメーカーに、水と挽いたコーヒー豆をセットし、スイッチを入れる。するとタイミングが良いのか悪いのか、彼のただならぬ声音が聞こえてきた。だから私は、マグカップもそのままに、慌てて様子を見に行ったのだ。その後に思わずため息をついてしまったことがバレなくてよかったと、今だから思う。
僕の邪魔をしてそんなに楽しい?僕の血はおいしかった?そう彼が話しかけるのは紙。どうやら手を切ってしまったらしい。思っていた以上に疲れているのかもしれない。色んな意味で。
小さく笑って、私は絆創膏を持ってきた。
「先輩! こっちです!」
和服のような恰好をした少女に導かれ、蛍光色の妙な格好をした少年が家々の屋根の上を走っていく。
少年が着いた先では、他のコドモ達に介抱されている変わったセーラー服姿の少女が倒れていた。
「うちらが来る前から戦ってたみたいなんですけど、ついさっき”アイツ”の攻撃をモロに食らって、それで…」
周りのコドモ達の話を聞きながら、少年は倒れている少女に目をやった。
目に見えるケガは見当たらないが、少女は苦しそうに呼吸している。
「…さっきからサワラが治癒魔法何回も掛けてんですけど、あんまり効果がないみたいで…」
うん、うん、とうなずきながら、手の中のおもちゃみたいな銃を小瓶に変身させた。
「とりあえずおれの出番って事だな」
少年は小瓶の蓋を開けながら呟いた。
「…」
倒れている少女はちらりと少年の方を見た。
「あ、大丈夫だから、とりあえず応急処置をするだけ。安心して」
少年はそう少女に言いながら、小瓶の中の蛍光色の錠剤のようなものを少女の口に放り込んだ。
「これで平気。とりあえずこれで”死ぬこと”だけは回避できっから。あとおれの手でマジックアイテムを使ったから、ちゃんと効果は発動する、大丈夫」
訳の分からないまま錠剤を飲まされた少女は、とりあえず少年の言葉にうなずいていた。
「サワラ、もう1回治癒魔法掛けてくれ。多分今なら効くと思う」
あ、はい!と聖職者みたいな恰好をした少年は答え、倒れている少女の方へ駆け寄った。
「…そういえば、他のみんなは?」
さっきの錠剤の入った小瓶をまた銃に変えながら、少年は周りのコドモ達に尋ねる。
「フリード先輩とかはあっちでまだファントムと戦ってます!」
和服のような恰好をした少女は空を指差した。
その方向に目をやると、コドモが何人か、表面が木目のような模様になっているクビナガリュウのようなバケモノと戦っている。
「OK! ユウキ!」
はい! 先輩!と背の高い少女が杖を振るうと、少年は少しの助走をつけてから、そのまま住宅の屋根を蹴ってファントムの方へ跳んで行った。
梅雨の香り
枕にしみる
今日も僕は生きてるの?
血の臭い
視線に感じる
ああ、なんで今日も生きてるんだろう
僕より上手な人にあげたいこの命
部屋の隅でうずくまる
でもねだけれどね
僕より僕を生きれる人なんていない
みんな一生懸命自分を飼いならそうとしているの
今日も空は暗いけど
雲は僕を見下ろすけれど
いいさ見てな
こんな出来損ないの僕でも
使い果たしてやるからさ
今日の暗い空も今日を生きてるから見れるのだと
神様あなたから幸せを受け取るよ
今頑張って魔法譚の物語を書いてますが残念ながら間に合いそうにないので、来週に書き込んでいいですか……?
ちょうど今年が
神様の代替わりの年なのかもしれないよ
今までの神様はいい人だったけど
今年からの人は悪い人なんだよ
きっと次の神様会議で『コイツはダメだ』
ってなるから
来年はまたいい神様が回ってくるよ
金色のウェーブ 妖しく揺れて
街中が瞬きだす時刻
ママのおさがり 青いエプロン
白い帽子がトレードマーク
さっきから追いかけてくるわ
目に見えない敵が
魔法の日傘 風をつかめば
手の届かない空の彼方へ
Run!Run!Run!
あなたを探して彷徨うけれど
どこにもいない・・
I’m late, l’m late, l’m late ...
夜明けが来るまで急いで、
魔法の国のアリス。
私のこと 子供じみていると
あなたは笑わないで
テーブルの上 甘いクッキー
一口かじれば、ほら元通り
からだごと小さくなって
すり抜けた カギ穴
星のペンダント 強く握れば
言葉なくとも通じ合えるの
Run!Run!Run!
あなたを探して彷徨うけれど
どこにもいない・・
l’m late, l’m late, l’m late ...
夜明けが来るまで急いで、
魔法の国のアリス。
だれよりもドジだし、
いつも弱虫だし、
すぐ泣くし!
きみが嫌いだよっ!!