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ワイヤード

たまに絡まってイライラして
右と左違う音を出しあって
上手にラブソングを奏でましょう

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魔法譚 ~ウィザードパーティ Ⅱ

「…すごい」
倒れていた少女はゆっくり上体を起こしながら呟く。
「皆さんすごいですね、チームワークとか、魔法とか、本当…」
そうかな?と周囲のコドモ達は顔を見合わせる。
「…別に、ぼくらの魔法自体は特別すごいモノじゃないと思う」
「だよね! ていうか、ここにいるメンバーって魔法使いになったことに対してネガティブな感情を持ってる子多いし…」
へ?と倒れていた少女は驚く。
「あ、ここにいるメンバーはね、魔法使いになったのは良かったんだけど、手に入れた魔法が思ってたのと違ったとか、願いを叶えてしまって魔法を持て余してしまったとか、そもそも魔法使いになったことを後悔してる子とか、色々いるんだ…」
「うちらはそういう集まりなんです」
周囲の魔法使い達がそう説明すると、倒れていた少女は、そうなんですか?と聞き返した。
「うん、そうだよ。さっきのアツマ先輩も、何年か前まであんなすごい魔法を手に入れたことを後悔してたって言うし」
「『ここで死にたくない!』って願ったのに、手に入れたのを後悔するなんて変だよねぇ」
「ちょっとエリ! それじゃ先輩に失礼でしょ」
魔法使い達の中のよさそうな会話を聞きながら、少女は自分の手元にある鞄型のマジックアイテムを見つめた。
「…あの、わたしも仲間に入って良いでしょうか?」
魔法使い達の視線が一瞬にして少女に注がれた。
「…わたしも、自分が手に入れた魔法の使い道があまり見当たらなくて…だから」
少女は魔法使い達をまっすぐ見据えた。
「だからわたしも、な…」
「あ、仲間になってもOKだよ!」
和服のような恰好をした魔法使いの言葉に、少女はぽかんとした。
「うちらの集まりは、来るもの拒まず、去るもの追わずのゆるい集まりだからね! 出会ったその時から、仲間みたいなもんだよ!」

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『祝福は似合わない』#2

 あーでもないこーでもない、なんでみんな僕の邪魔ばかりするんだ、なんていう言葉をまた生産しては手を動かす。器用な人である。先程憎まれ口は叩かれたものの、これは別に嫌われているそれではないのだとわかる。本当に切羽詰まっているのだろう。私には手伝ってあげることはできないから、コーヒーだけでも入れてあげようとソファから腰を上げた。
 ついでに私の分も入れようと、マグカップを二つ並べる。一方は月の模様があり、もう一方はマグロを模した魚がプリントされてある。以前使っていたマグカップを割ってしまった時、キミのはこっち、そう言って彼が出してくれたものであるが、やはり感性については疑問を感じずにいられない。そうは言っても、お気に入りにしてしまっている時点で私の負けである。コーヒーメーカーに、水と挽いたコーヒー豆をセットし、スイッチを入れる。するとタイミングが良いのか悪いのか、彼のただならぬ声音が聞こえてきた。だから私は、マグカップもそのままに、慌てて様子を見に行ったのだ。その後に思わずため息をついてしまったことがバレなくてよかったと、今だから思う。
僕の邪魔をしてそんなに楽しい?僕の血はおいしかった?そう彼が話しかけるのは紙。どうやら手を切ってしまったらしい。思っていた以上に疲れているのかもしれない。色んな意味で。
 小さく笑って、私は絆創膏を持ってきた。

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魔法譚 ~ウィザードパーティ Ⅰ

「先輩! こっちです!」
和服のような恰好をした少女に導かれ、蛍光色の妙な格好をした少年が家々の屋根の上を走っていく。
少年が着いた先では、他のコドモ達に介抱されている変わったセーラー服姿の少女が倒れていた。
「うちらが来る前から戦ってたみたいなんですけど、ついさっき”アイツ”の攻撃をモロに食らって、それで…」
周りのコドモ達の話を聞きながら、少年は倒れている少女に目をやった。
目に見えるケガは見当たらないが、少女は苦しそうに呼吸している。
「…さっきからサワラが治癒魔法何回も掛けてんですけど、あんまり効果がないみたいで…」
うん、うん、とうなずきながら、手の中のおもちゃみたいな銃を小瓶に変身させた。
「とりあえずおれの出番って事だな」
少年は小瓶の蓋を開けながら呟いた。
「…」
倒れている少女はちらりと少年の方を見た。
「あ、大丈夫だから、とりあえず応急処置をするだけ。安心して」
少年はそう少女に言いながら、小瓶の中の蛍光色の錠剤のようなものを少女の口に放り込んだ。
「これで平気。とりあえずこれで”死ぬこと”だけは回避できっから。あとおれの手でマジックアイテムを使ったから、ちゃんと効果は発動する、大丈夫」
訳の分からないまま錠剤を飲まされた少女は、とりあえず少年の言葉にうなずいていた。
「サワラ、もう1回治癒魔法掛けてくれ。多分今なら効くと思う」
あ、はい!と聖職者みたいな恰好をした少年は答え、倒れている少女の方へ駆け寄った。
「…そういえば、他のみんなは?」
さっきの錠剤の入った小瓶をまた銃に変えながら、少年は周りのコドモ達に尋ねる。
「フリード先輩とかはあっちでまだファントムと戦ってます!」
和服のような恰好をした少女は空を指差した。
その方向に目をやると、コドモが何人か、表面が木目のような模様になっているクビナガリュウのようなバケモノと戦っている。
「OK! ユウキ!」
はい! 先輩!と背の高い少女が杖を振るうと、少年は少しの助走をつけてから、そのまま住宅の屋根を蹴ってファントムの方へ跳んで行った。

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祝福

梅雨の香り
枕にしみる
今日も僕は生きてるの?

血の臭い
視線に感じる
ああ、なんで今日も生きてるんだろう
僕より上手な人にあげたいこの命
部屋の隅でうずくまる

でもねだけれどね
僕より僕を生きれる人なんていない
みんな一生懸命自分を飼いならそうとしているの

今日も空は暗いけど
雲は僕を見下ろすけれど
いいさ見てな
こんな出来損ないの僕でも
使い果たしてやるからさ

今日の暗い空も今日を生きてるから見れるのだと
神様あなたから幸せを受け取るよ

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遅刻

今頑張って魔法譚の物語を書いてますが残念ながら間に合いそうにないので、来週に書き込んでいいですか……?

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ちょうど今年が

ちょうど今年が
神様の代替わりの年なのかもしれないよ
今までの神様はいい人だったけど
今年からの人は悪い人なんだよ
きっと次の神様会議で『コイツはダメだ』
ってなるから
来年はまたいい神様が回ってくるよ

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Forget-me-not

真実の友情を


私を忘れないで


この花を貴方に

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魔法の国のアリス

金色のウェーブ 妖しく揺れて
街中が瞬きだす時刻
ママのおさがり 青いエプロン
白い帽子がトレードマーク

さっきから追いかけてくるわ
目に見えない敵が
魔法の日傘 風をつかめば
手の届かない空の彼方へ

Run!Run!Run!
あなたを探して彷徨うけれど
どこにもいない・・
I’m late, l’m late, l’m late ...
夜明けが来るまで急いで、
魔法の国のアリス。

私のこと 子供じみていると
あなたは笑わないで
テーブルの上 甘いクッキー
一口かじれば、ほら元通り

からだごと小さくなって
すり抜けた カギ穴
星のペンダント 強く握れば
言葉なくとも通じ合えるの

Run!Run!Run!
あなたを探して彷徨うけれど
どこにもいない・・
l’m late, l’m late, l’m late ...
夜明けが来るまで急いで、
魔法の国のアリス。

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ツンデレ系告白

だれよりもドジだし、
いつも弱虫だし、
すぐ泣くし!
きみが嫌いだよっ!!

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バイオリン

高くて
ハスキーで
それでいて、どこか大人しい音。

君の声に似てるなぁと思った。

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魔法譚 死にたくない魔法使い5

「アトは、お前ダけカ」
『クククククク……。よくぞあれだけの数を倒したものよ。褒めてくれる』
「じゃあ、ツイでにあんたモ消エテくれまセンカねェ?」
『ああ……。そうだな……』
〈ケットシー〉が塀に飛び乗り、捨て台詞を吐く。
『ええい、今回だけは見逃してくれる!次は気付かせる間もなく一瞬のうちに始末してくれるから覚悟しな!アバヨ!』
そう言って向こう側へ飛び降りた。しかし、
「オット、ドコへ行くンだ?」
その壁をすり抜けて、『死神』が追いかけてきた。
『な、馬鹿なッ!』
「今ノ言い方、まるでマタやっテ来るみたいジャあないカ。そんなコトは僕が許さナイヨ?」
『グッ……、ま、魔法は一人に一つ、そうじゃなかったのか!』
「知らなかったのか?『死』からは誰も、逃げられない」
ただの人間には聞こえない断末魔が、周囲に響いた。その日、ほんの一部の人間にしか分からないことだが、その周辺に大量のネコの死骸が目撃された。その数は、数千から数万匹にものぼったという。
「……一つ。死は、命あるものを等しく殺す。一つ。死を留める障害などこの世には存在しない。一つ。『死』、その正体は、自身である。以上がこの魔法のルール。……おお、怖い怖い。この世はまったく、怖いものばかりだ。そうだな、今は冷たい麦茶が1杯と安らぎのひと時が怖い、なんてね」

『死』そのものになること。それがこの少年の魔法である。

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無幻の月-終-

後日談ってやつをしよう
あの日から賢者は私の前に現れなくなった
そして私は真の意味で自由になった
肉体すら必要ない
魔力で生成すればいいのだから
この世だろうと冥府だろうと自由自在に出入りできる
これを自由と言わずしてなんと言う
少しヘマをしてどっかで噂にはなってしまったがあまり関係のない話だ
さて、今日からは何をしようか
何を、狩ろうか

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『祝福は似合わない』#1

 今日も今日とて仏頂面の彼は、ぶつぶつと文句を口から量産しては、その割にはやいスピードで仕事の書類であろう紙の束たちを整理していく。そういうところを見ると、やはり仕事ができる人なのだと思う。
 こんな天気の良い休日の昼下がりに、クーラーのきいた部屋でただただ仕事をこなしていくほかに過ごし方はないのだろうかと甚だ疑問ではあるが、口にはしない。そうして幾度となく嫌な目を見てきたからである。人間とは、学ぶ生き物だ。だから、私もただそんな彼をソファに座って眺めるだけなのだが、この時間は嫌いではない。眉間に皺を寄せているときのこの人の顔は、ゲームが欲しいのにクリスマスプレゼントが図鑑だったときの子どものような顔をしている。いつもは意地の悪い楽しそうな顔をしているものだから、日ごろやりこめられている分、やり返してやったようなそんな気持ちになる。
 こうして眺める時間は、最近また増えたように感じる。テリトリーに入ることを許されたとでも言おうか。人は、ずっと見つめられると居心地の悪いものだと思う。彼は特にそういうのを嫌っていると、感覚的に思っていた。そもそも彼は、興味を抱く対象が特殊である。心を許した相手とそうでない相手との差は歴然としており、対応もまた顕著だった。本来私は、興味を持たれない側の人間のはずなのだけれど。
 そんなことを考えながら視線を外さずにいたら、ばちっと音が鳴る勢いで目が合う。気象予報士でなくともわかる爆弾低気圧だった。
「なんでキミはそんなに僕の邪魔をしたいの。そこのおもちゃを使っておままごとでもしてなよ」
 訂正。何をどうしても機嫌の悪い彼は機嫌が悪い。そこのおもちゃというのが比喩ではなく本物のおままごと用のおもちゃなのがこの人の人柄をさらにわからなくするアイテムなのだが、まあ今に始まったことではない。

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ワイヤレス

束縛は勘弁してほしいけど
見えない何かで繋がってるのは
ホンモノっぽくていいっすね

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幻想曲

すっ…とその少女はヴァイオリンを構えた
闇と光が混ざりあった世界の狭間
蠢く醜い化物達
勇んで少女に飛びかかろうと伸び上がる影
少女が1音目を奏でる
美しい音に身体が震え
目の前で音に融ける様に亡霊は断末魔をあげながら消えていく
そして、
少女は最期の1音を余韻を楽し見ながら終えた時
闇は消え去り光に溢れた世界が残った
少女は満足そうに微笑みヴァイオリンを仕舞い
次の行き先へと足を踏み出した。

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『私』

私は助けを求めているの。
声にもならないくらい小さな音で。
誰にも気付かれずひとりで
苦しみに耐えてるの。

あいつらなんて。
そう思うけど
人の素晴らしさを信じているの。
いつか誰かが
気付いてくれるんじゃないかって。

私だけじゃないとわかっているから
諦めずにもがいてる。

あぁ
なんて素敵な日だ。
そう言える日々を探して
私は虹の麓へ歩くの。

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魔法譚 〜もうすぐクライマックス

どうも。知ってる人はこんばんは、初めての人ははじめまして。
テトモンよ永遠に!改め、大賢者の代弁者です。
もうすぐ企画「魔法譚」の3日目も終了、ついにクライマックスですね。
最後まで、皆さんと盛り上がっていきたいところです。
もちろん、最終日からの参加も大歓迎ですよ!

企画「魔法譚」の概要はタグ「魔法譚」から。
参加は作った作品に「魔法譚」のタグをつければOK!
皆さんのご参加待ってます!