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いろいろ

君に出会った7月某日
僕の運命は確かに変わったんだ

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きみと宇宙

宇宙なんてはんぶんこでいいよ

こっちがぼくの、そっちがきみの。

よるの空がよく見えるから
きみのが、ちょっとうらやましいけど
ここからは きみがよく見える
さびしくなんて、ないんだよ

それでもじきに ぼくは欲ばりになって
きみをひとり占めしたくなる
声がききたい、だきしめたい。

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大っ嫌い。

梅雨なんて大っ嫌い
だって洗濯してた父さんの服がカビたんだもん
今日も学校休校になったし
早くみんなに会いたい。

私は本当に梅雨が嫌いになった
こんなに雨降ったことあったっけ?
瀬戸内海近辺は雨が少ないって言ったの誰だよ
あたしの街は、
台風が来てもいつも熱帯低気圧になるし
毎年そんなに雨は降らない

そろそろ晴れろぉぉぉ!!!

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田中の日常 3

 「おい田中、」
 「うるさい黙ってろ」
 そう言うと田中はフェンリルと目を合わせる。と、今にもこちらに飛びかかってきそうなフェンリルは動きをぴたり、と止めた。
 「…………!!!」
 横で大賢者がオーバーなリアクションをとっているが気にしない。ゆっくりと足をあげると、田中はフェンリルの脳天目掛けて真っ直ぐにかかとを振り下ろした。パァン!という音が響くと、フェンリルは粉が舞い上がるように散った。
 「……で、何の話してたっけ?」
 そう言いながら田中がまた椅子に腰かけると、大賢者は静かに、いつの間にか淹れていたコーヒーを差し出してきた。一口飲む。普通だ。
 「……確かに君の『目を良くして欲しい』って願いは叶えたけどさ……」
 「お陰でサングラスなしじゃ昼間は外歩けないんだぜ、迷惑してらあ」
 「それにしてはそうそうに君のアイテムとしてあげたサングラスは割ってしまったけれどね。全く、私もとんでもない魔法使いを生んでしまったよ」
 大賢者が頭を横に振る。
 「コーヒーごちそうさん。またそのもう1人の20歳越えにも会わせてくれよ」
 「はいはい。とは言っても彼女は最近忙しそうだからね。先になると思うよ」
 「いつでもいいさ。俺は暇だからな」
 そう言うと田中は席を立った。店を出ようとドアに手をかけると、大賢者が声をかけた。
 「サングラス、忘れてるよ」
 「あぁ、ありがと」

 桐崎町は不思議な町だ。青白い化け物はうじゃうじゃいるし、それ以上にヘンテコな金髪の美人がいる。それでも田中は、平和に暮らしているのだった。

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田中の日常 2

 「で、何の用だよ。わざわざこんな場所拵えるんには、俺に何か用があったんだろ?」
 「ちゃんと生きてるかなって」
 「じゃあその確認も済んだな、帰る」
 「ちょっ、ちょっと待ちなよせっかちだな。話があるんだよ」
 「……。」
 仕方なく腰を下ろす。ほっとしたような顔をすると、大賢者は手元のコーヒーミルをガリガリやりだした。
 「そういえば君はもう23なんだってね。大きくなったもんだ」
 「昨日で24だ」
 「おっとそれは失敬、なんせ久々だからね、誕生日なんて忘れてしまうよ」
 「失礼なやつだ」
 「20を越えた魔法使いは今のところ君と、あと一人だけだ。それになんだい、わたしがあげたアイテムもさっさと壊してしまったくせに」
 「仕方ないだろ、うっかり踏んじまったんだよ。よくある事じゃないか」
 「君がアレを壊した、と言った時、わたしの方がよっぽど焦ったものだよ」
 「あの時の顔は傑作だったな」
 「うるさい、全く図に乗っちゃって。どうやって君が生きてこられたのか不思議でたまらないんだよ」
 「で、なんだ、今更それを聞きに来たってのか。なんでもないよ、俺はただ普通に生活してただけだ」
 「だからそれがおかしいんだって言ってるじゃないか!あれから7年だよ、7年!一体どうやって……」
 「待った」
 田中は手を上げて大賢者の剣幕を押しとどめた。[いつもの]匂いだ。田中は椅子から静かに立ち上がった。大賢者はカウンターの向こうで何も言わずにまっすぐ立っている。
 田中はドアの方を向いた、途端に窓ガラスをすり抜けて青白い狼のような化け物が店の中に飛び込んでくる。さながらフェンリルだ。

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田中の日常 1

 「田中ぁ、またなあ」
 「おー、元気でな、平田ぁ」
 駅前のロータリー、久々に会った友人と別れた田中は、ポケットに手を突っ込みながらいそいそと帰路に着いた。
 桐崎町は不思議な町だ。確か町のキャッチコピーは「1日に四季のある町、桐崎町」みたいなだったか。何となく聞こえはいいが、よく良く考えればそんな町誰も住みたがるわけが無い。だから住民はみんなこの町に住み慣れた人達ばかりだ。こんな変な町に住み慣れたら、逆に他の町に慣れないのだ。出ていくのは友人の平田くらいのものだ。なんでもバンドを組んでよろしくやっているらしい。この間テレビにも出たらしいが田中の家にはテレビがなかった。
 「……ん?」
 いつも駅から帰る同じ道だが、行きつけのコンビニの斜向かいに見慣れない建物があった。
 「喫茶パ〜プル」
 看板にはそう書いてあった。こんな所にカフェが、いつの間に?あからさまに胡散臭すぎる。そう思いはしたが、田中は試しに入ってみることにした。
 ドアを開けると、小気味良いベルの音と共にコーヒーのいい匂いが漂ってきた。サングラスを外してドア近くのカウンター席に座る。店内には誰もいない、と思ったらカウンターの奥から店員らしき人が……。
 「……あ。」
 忘れもしない、その顔だ。長い金髪にいつもの青いエプロン。
 「やあ、田中。久しぶりだね」
 「なんだお前かよ。通りで胡散臭い外観だと思った」
 「なんだとはご挨拶だね。こんな美人が君との旧交を温めようと言うんだ、素直に喜び給えよ」
 「なんだよその話し方、ますます胡散臭いぞ。しばらく会わないからもう死んじまったのかと思ってたぜ」
 「ひどいなあ、勝手に殺さないでくれよ」
 大賢者。初めて会った時こいつはそう名乗った。大賢者なんて言うと白ひげのローブに三角帽子、なんてのを思い浮かべるかもしれないがこいつはどう見てもそんな大賢者には見えなかった。グラビア雑誌ぐらいでしか見かけないような外国人女性みたいな風貌(しかしどの国かと言われるとさっぱり分からないのだ)で、それでいて母国語のように日本語を話す。名前も年齢も分からない。つまりとにかく胡散臭い。

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誕生日

「誕生日いつ?」
なんて思わせぶりなこと、まるで聞けない。
でも
「誰と誕生日一緒?」
なら

帰って調べよう

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a=0、v=一定

等加速度直線運動もしんどいし

慣性に逆らって停止するのもかったるい

だから今は、等速直線運動のまま

慣性に従って、惰性で生きている

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コミュ

待合室の整理券発行して待たずに帰るもらった薬大事にケースに入れてシンクの渦にさようなら「こんばんは」隣人と今日はじめて言葉を交わす

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コロナ収束願う

少し動けるようになった
会いたい人にも会える
と思った矢先に
またまた増加
まだ会ったことない
先生や友人もいるのに
いつになったら収まるの?
今年度はズタボロ
本当に
いつもの日常を返して

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RUN

みんなカッコつけて言うんだ
「そばにいなくても同じ空の下」って
「離れていても絆で繋がってる」って

そんなの僕には全然わからない
見えないものじゃ心満たされない
だから確かな君の存在を求めて僕は

走っていく 遥か遠く
飛べない空より進める道をひたすらに
君が笑う 僕も笑う
そんなゴール地点がきっとこの道の先に
待っていると信じてるから

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人に紛れて言いたいな
雨に紛れて落としたいな
言葉も涙もその本音を

空に紛れて癒えたらな
光に紛れて降ろしたいな
傷口も気張ったその肩を

言われて嫌になる言葉なら
心の引き出しに仕舞っておいてよ
必要になった時にさ
引っ張り出してくればいいんだよ

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inori.

きょうで地球は終わる
だからもう急がないで
あしたになったら
みんな消えてるから

小さな光りと見つめあって
どっちが負けるかな
悪者でいいから
嫌いなら それでいいから

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付属品賛歌

ある日は2人組の後ろに
ある日は4人組の後ろに
そっといる

隣になんて
誰もいない。

いれば便利。
ただそれだけ

ただ、
それでも
付属品役を続ける。

誰からも必要とされて
誰からも必要とされない
万能な付属品であり続ける

そしたら
ほら

少し楽になれるでしょ?

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トイレの花子さん

コンコンコン
「花子さん花子さん 私のお願い叶えてくれますか?」 

『ねぇねぇ。ノックする扉間違えてるよ?』
「えっ!?」
『トイレに入るなら3番目、ノックするだけなら4番目。』
「あっ。ごめんなさい。」
『何お願いしに来たの?』
「いや。何でもないんです。くだらないことです。」
『ふーん。教えてくれないんだ〜。』
「秘密です。  ……ところであなたは?」
『私? 誰だと思う?』
「はじめましてですよね。」
『私はこの学校の七不思議7つ目、トイレの花子さんだよ?』
「あなたが!?」
『ん?何か不満でも?』
「花子さんって簡単に出てきてくれるものなんですね。」
『簡単とは失礼だな〜』
…………。
「花子さん。お願い叶えてくれますか?」
『さっきから何お願いしに来たのって聞いてるよ?』
「ふふふ。そうでしたね。花子さん、お友達…。」
『えっ?何?』
「お友達になってくれませんか?」
『私が?あなたのお友達?』
「はい!」
『私は人間じゃないのよ?』
「そうですよね。ごめんなさい。くだらないお願いをしてしまって。  じゃあ、失礼しました。」

『待って!!』

『私でも良ければあなたが卒業するまでお友達になります。』
「ありがとう」

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Happy birthday

聴き馴染みのある音が鳴った。
隣を見ると、私のスマホのライトが緑色に点滅している。

…誰から?

開いてみると大好きな君からのたった一行のメッセージ。

「え…。」 思わず私は声を漏らした。

スマホには誕生日おめでとうとだけのLINEが。
思わず言ってしまった。伝えた訳でもないのに。

「ありがとう。」

たった一行のLINEがこんなにも嬉しいなんて。
学校でも言えることなのに。
何でわざわざ文章にしたんだろう。
皆にはそんなこと絶対にしないくせに。
私は幸せ者だ。
たった一行のメッセージにこんなに喜ぶことができて。
人を好きになる気持ちを教えてもらえて。

やっぱり、そんな貴方が、私は大好きです。

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(´・_・`)

うそだ、なんて言ってごめんなさい。

あなたのほんとうなのに。

でも、乗り越えたかなしいこと、全部わらいばなしにしなくてもいいよ。