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高校いちねんせい。

高校の制服

初めてのスマホ

おろした髪の毛にくすぐられて

払う手に付けられた腕時計


チクタクと過ぎる時はただ

大人になるまでのカウントダウンの様で

愛おしく ひたすらに 真っ直ぐに


考査も掃除も授業も

中学と変わらない日々なのに

ローファーの音と学校帰りの寄り道に

彩られて磨かれて輝きを増す


キラキラと光る日はただ

将来の想い出の欠片の味がして

甘くて 苦くて 淡い



逃しそうな毎日を繋ぎとめて

掴んだその手は離さないで



青い 赤い 楽しい 辛い

全部汲み取って 全部吐き出して




あぁ、





青春だと、思う。

1

異端児たち

これは歌 響(ウタ・ヒビキ)とその友人の会話である。
友「お前、歌声で窓ガラス割ったんだって?先生驚いてたぜ?」
響「ん?みんな本気出したらこんなモンじゃねえの?」
友「いやいや、全員が本気出してガラス割れる世界線だったら、替えのガラス何十枚あっても足りねえよ笑」
響「ふーん。そっか...」
新しい発見をした響であった。

0

   

みんなは1人のために
1人はみんなのために犠牲になる

0

現実ニルヴァーナ

不思議なろうそくがここに一本
このろうそくを吹き消すと、現実が消えるらしい
「こんな忌み物捨てちまえ」「何て不吉な...」
あら、本当にそうかしら?
愉快なお歌でも歌いながら吹き消したら
きっと楽しく終われるわ
じゃあ、またどこかでお会いしましょう?
フッ...と灯火は消えた

3

君は一体…

完璧な犯行だったはずだ…
君を恋に落とすための策は全て上手くいっていた
全て1人で行い、僕の行動がバレる要素は限りなく抑えた。どこにも僕がやったなんて証拠も残さなかったはずだ、なのにどうして…?
裏垢を作り、ネ友を偽って君の友達から情報を得てそれもバレないように使い、君にアプローチをかける。君の反応が良くなるのがメールの文面でもわかった程だ。
疑われる余地はなかったはず…

「バカだなぁ、そんなものすぐにわかるよ、
不可能なものを全て取り除いて残ったものがどんなに信じられなくてもそれが真実なんだ、
“あなたが私のことを好き”
それ以外の全てをあなたが削ぎ落としてくれた
それだけさ」
「君は一体、何者なんだい?」
「あなたを好きなあなた専門の探偵さ」

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復讐代行〜第10話 順調〜

“こんなに上手くいっていいのだろうか”
親にも同級生にも否定されてきた私にとってはこんなの初めての経験で、にやけるのを精一杯堪える。
「すみません!遅くなりました!」
“私”が教室に駆け込んでくる。
髪は乱れ、制服も着崩れとは違う乱れ方をしたその姿はさながら激昂した後といった感じだ。
“なるほどよくできている。ならばこれに合わせて”
「あーあー、大丈夫か?闇子ちゃん、何があった」
そう言って席を立ち、駆け寄ろうとする。
そして同時に2人に目配せをする。
大切なのはただ目立たせるのではなく、喪黒闇子が復讐する可能性があることをを強く植え付けることである。
「こ、これは酷い…」
三文芝居を演じる桐谷青路を演じる。
言っててもパニックになりそうな状況だ。
「先生!ちょっと3人で保健室まで運びます!」
小橋は教師を煽るように教室を出た。
「大丈夫だから!1人でいい!」
“私”の方も状況と狙いがわかったようであえて抵抗する
「サボるのに丁度いいだろうが、陰キャブスが口答えしてんじゃねーよ」
小橋は“私”の口元を掴む。
「ひ…ひひゃい…」
「顎を細く見せてもブスはブスだな」
執拗なまでの攻撃、なんなら悪口の勢いは増していた。
「一応、形式的には保健室まで連れてくぞ」
橘は面倒くさそうに会話を区切る。
「それにしても青路、お前一体何を」
そして俺に話を振った。
“なるほど、大人しくついて来たのはそれが狙いか”
2人は同じことを察し、目配せをする。
「なぁに、ただ罰告、つまりは嘘だったことを責めてきたから言ってやっただけさ、外見も中身もブスなお前が告られるはずないだろって」
言っていて涙は出なかった。何せ事実、いや、本音だったからだ。なのに、なぜか目の前の“私”は泣いていた。
“いやいや、なんで?なんでお前が…あぁ、演技か、いやそれにしては上手すぎやしないか?”
「あぁもう!分かったらこれ以上関わるな、いいなっ!」
小橋は居づらくなったのか、早く切り上げたそうだった。
しかしこのままでは復讐の理由はできても、復讐の機会が皆無だ。
「そこまで言ってやるなよ、元はと言えば俺らのノリのせいだ。今度何か奢ってやるよ」
橘…全てにおいて完璧すぎる…

to be continued…

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空の青さを知る君は明日海へ行く

数年ぶりの夏休みだった。中3の時に前線に行ってから
夏休みはおろか、教科書を片手に日々、血と弾丸の降り注ぐ毎日だった。夏休みが始まる少し前に一時的な休戦協定が結ばれた。大学部以下の者は全員、夏休みに入ることができた。でも、いつ、相手国は再び襲撃してくるか分からない。だから、夏休みとは言え気が抜けない。もし、普通の学生だったなら、もう少しマシな人生を送れていただろうか。もし、両親が生きていたならば…。そんなことを思いながら、優樹はガラスの奥の子猫を見ていた。たまに、時間がある時優樹はペットショップの犬や猫達を見ながら物思いにふけっていた。子猫がおもちゃで無邪気に遊んでいる様子をぼんやり見つめていると、後ろから肩をポンと叩かれた。
「やぁ、君は相変わらず猫ちゃんが好きなんだな。」
「隼斗もきてたのか、どうも、子猫には敵わなくてね」
「ほほ〜無敵の優ですら、敵わないものがあるんだな、勉強になった、なった。それより、さっき妙なグループに会ったんだよ。何故かは知らないが、俺を見るなり、何もしてないのに、いきなり驚いた顔して一目散に走っていったんだよ。」
「不思議だな、いや…少し思い当たることがある…それって…」
優樹は先程の地下の階段での出来事を話した。隼斗は納得した顔と同時に少しニヤニヤしながら
「そういうことが、相変わらず、優樹はすごいな、雰囲気だけで相手を黙らせるとは、さすが、高等部全軍総司令官!!」
「や、やめろよ、恥ずかしいじゃないか、でも、僕はそんな、怖い顔をしていたのだろうか…だと、すると、あぁ…もしかして舞さんにも怖い思いをさせたかもしれない…」
「まぁ、でも、結果は君の一目惚れの相手にまた、会えたんだ。良かったじゃないか。」
「まぁな…。」

それは、突然の出来事だった。2人がペットショップを出ようとした瞬間だった。
「ブゥーーーーーーーン!!」
空襲を告げるサイレンだった。
この不気味な音に一瞬で周りはパニックなった。
優樹と隼斗はサイレンが鳴った瞬間にお互いにその場を離れた。
「隼斗、詳しい話はあとで、まず、君はこのショッピングモールの中にいる人達を地下に誘導!もし、他にも仲間がいれば、手分けして避難誘導だ、僕は外にいる人たちを誘導する!」
「了解、あとは、無線で連絡しよう!じゃあ!」

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エアメモ

「はぁ? あいつの電話番号?」
「そうそう。ライン持ってないんだよ、教えてくれないか?」
「知ってるわけ……いや待て、確かこの間メモした……ってあれ、一番新しいページに書いたはずなんだが……ああ、思い出した」
「何」
「この間メモ帳が見つからなかったからこっちに書いたんだ」
「何も持ってないじゃん」
「いやだから、記憶の中のメモ帳に」
「それは覚えているのでは?」
「何言ってるんだよ。忘れても良いようにメモったんだろうが」
「ちょっと何言ってるのか分かんねえわ」

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君の隙間

最高には程遠くて
最低にも程遠くて
幸せには程遠くて 
不幸せにも程遠い
一体ここは何処ですか

好かれたから好き返してやった
嫌われたから嫌い返してやった
それだけのハナシで
始まったものが終わっただけだよ

『「なんでもない」って言って泣くのは
溢れ出る「ナニか」が言葉を追い越したって
ことだよね??』
そんな歌が好きな君はとっくの昔に
僕を追い越してたんだよね???

君の隙間から 君の隙間から見えたのは
情けなく笑ってる僕だったよ
僕の隙間から 僕の隙間から見えたのは
君ばかりな心の内だったよ

吐いて吐いて吐いた
吐いて吐いて吐いた
履いて穿いて吐いた
履いて穿いて吐く
ため息ならとっくに窒息死

あん時嫌々だったのは
あん時キラキラしてたのは
あん時白々しかったのは
君も同じだろ

運命の人なんだ それならいいでしょう
運命の人なんだ それならいいでしょう
運命の人なんだ
運命の人なんだ それなら
どれほどよかったでしょう

君の隙間から 君の隙間から見えたのは
隙間を塞ごうと必死な君だったよ
僕の隙間から 僕の隙間から見えたのは
君を離すまいと必死な僕だったよ

恋したんですスキマだらけの女の子に
恋してたんですキスマだらけの貴方に
恋していたみたいですスキマだらけの僕は

あん時 あん時 隙間を閉じていたら
どれほどよかったでしょう 

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 10.ウロボロス ②

へーとわたしはうなずく。
「ちなみに依頼は情報屋経由なんだぜ」
「え、へ?」
耀平の思わぬ発言に、わたしは一瞬混乱する。
「え…情報屋?」
「そうそう情報屋」
思わず聞き返すと、耀平はうなずいた。
「情報屋は情報の融通だけじゃなくて、異能力者の斡旋もやったりするんだ」
結構何でもやるんだぜ、と耀平は笑う。
わたしは思わぬ場所で情報屋の話に出くわして、ついぽかんとしてしまった。
「ね、ねぇ、情報屋ってどんな人なの?」
わたしはここぞとばかりに疑問を投げかけてみた。
…異能力の存在を知ってしまった”わたし”の事を、寿々谷の異能力者たちに言って回る情報屋。
その正体が知りたいのだ。