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music on the way

こんにちは、晴結です。小説を書いてみようと思います。どこまで続くか分かりませんが、読んでいただけたら嬉しいです。今回は人物紹介です。
music on the way
主人公 咲風 爽(13)中1。
    花見 尽(13)中1。咲風の親友。
中学校に入学した咲風と花見は不安や葛藤を抱えながら自分で道を歩んでいく青春コメディ。

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ここだけの話

ここで交わされているのは言葉だけじゃなく愛だと思う。
無意識で言葉に乗せられる愛。
それがどんなに小さくても、薄れかけていても。それは相手を思っているってことだ。
互いに思い合えるから温かく感じられる。温かく感じられなくなった時も僕は愛を求めてまたここに来る。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 16.トウテツ ⑦

「ま、おれ達と一緒に行動してた方がコイツにとっても利益になるしな」
耀平がふと呟く。
「一般人に異能力の存在を知られるワケにはいかない異能力者に襲われる可能性だってあるし」
耀平はそう言って手に持つ大きな海老せんべいをかじる。
「ま、ボク達が”一般人に異能力の存在をバラしてしまった”存在として寿々谷の多くの異能力者に知れ渡ってしまっているから、ボクらだって誰かの怒りを買っている可能性もあるし」
だから一緒に行動した方が良いかもね、とネロはココアシガレットをくわえつつこぼした。
「ふーん」
ミツルはにやにやしつつ言う。
「意外とソイツの事受け入れてるんだ」
「え、いや違っ」
ミツルの思わぬ言葉に、ネロは思わず立ち上がる。
「こ、コイツの事なんか全っ然受け入れてねーよ‼」
だってボク達の所に面倒事持ち込んでくるしさ!とネロは続ける。
「最初なんかずっとボク達に付いて来たし」
「まぁまぁ今では仲が良いじゃんか」
「仲良いように見えるかもしんないけど、ボクは友達なんて認めてないもん!」
ミツルにたしなめられても、ネロは思い切りそっぽを向いた。

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架空のボードゲーム『好奇心を9回分』

「好奇心は猫を殺す」という言葉があります。これは「猫には9つの命がある」という伝承に由来し、9つもの命を持つ猫でさえ、好奇心に任せて何にでも首を突っ込めば危険に巻き込まれ死んでしまう、というエピソードが元になっています。
話は変わって、プレイヤー達は悪意ある上位神です。人間たちに伝わるこの諺の存在を知ったプレイヤー達は、「一つ猫を好奇心で殺してやろう」ととある1匹の猫に目を付けました。
プレイヤー達の悪意に導かれ、猫は好奇心の赴くまま、街・海・里山など、様々な危険と魅力に溢れる各地を彷徨います。
しかし猫の方も野生に生きるだけあって、動物特有の勘と持ち前の身軽さで、危険を次々回避していきます。己の権能によって猫のキャパシティを上回る生命危機を引き寄せ、見事に9回分猫を殺すことが、プレイヤー達の目的です。

……みたいな架空のボドゲ案を思いついた。

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雨 君想う

雨が嫌いだ。
100%を越えた湿度が
不愉快な喧騒を耳に響かせる

曲と呼ぶには不均一な雨音が
幾度と僕を目覚めさせる

何もかも耳障りだ

君がいないと
何も楽しめない

君と道を挟んで話した声も
君と同じ傘で聞いた雨音も
君とじゃなきゃ
ダメなんだ

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トカゲの木 2


 月が上品な乳白色の光を湛えて天頂に登りました。
 その子は一辺一米ほどの木箱の中で『トカゲの木』を静かに見つめていました。
 これだけではへんてこれんな文章ですが、これにはこういったわけがあるのです。


 ある街のよくある民家に、これもまたよくある、背高ノッポの木がありました。背高と言ってもせいぜいが二米程度で、枝も幹も鶏の脚くらいの太さだからそう見えるのです。その木がある家には齢十にも満たない幼い子息がいらっしゃいましたが、彼には『トカゲの木』と呼ばれています。というのも、この木には、いつも干からびて煮干しのようになったトカゲが串刺しになっているのです。口から尾の付け根まで、糸車の針のような枝が貫いています。
「これは、誰がやっているの」
 幼い子は母上に聞いたことがありました。
 その度に彼女は、きっと野良猫が遊んでいるのでしょ、取っていらっしゃいね、と答えました。しかしその子は決まって、こう反論なさるのです。
「違うよ、同じ野良猫が毎日来るわけないよ」
「じゃあ違うのが来るんだわね」
「いつも同じところに刺さってるんだ、同じのがやってるんだよ」
「あらそう。じゃあその猫の縄張りになってるんでしょ」
「でも僕、ここらで猫なんか見たことないや」
「そうなの。会えると良いわね」
 確かにトカゲの木の横にはそれの半分くらいの高さの箱が置いてあって、それに乗ったら猫でも届くでしょうし、第一、そんな気味の悪いことをするのなんて、野良猫くらいなものです。ですからその子の母上は本当にそんなことを思ってらっしゃいました。彼女はわざわざ外に出て、トカゲの死骸の刺さった木をまじまじと見たりはしませんから、それが毎日あるとは知らないのです。
 しかし子息の方はトカゲの木が気になって仕方がありません。もしかしたら近所の年上の子供が、自分に意地悪をしようとしているんじゃないかしらと思っているのです。これは大変!放っておいたらこれ以上何をされるか分かったものではありません。母上にも迷惑がかかってしまいます。
 そうした経緯で、この子は今、トカゲの木の横で、箱に隠れて息を殺して外の様子を伺っているというわけです。

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トカゲの木 1



 ……まだ時間ございますが、お話は以上でよろしいでしょうか。さようですか。ええ、お代金ですな……こちらになります。
 ああ、焦らないで結構ですから。ほら、何か落とされましたよ。……どうぞ。いえいえ、今のお写真、お嬢さんでございますか。可愛らしい。違いましたか、これは失敬。へえ、わたくしの子もですって?何故そうお思いに……ああ、これでございますね。この写真の子供はわたくしの子じゃございませんで。友人の子供でしょうか。この子は何を指差しているのか……それがわたくしにも分からないのですよ。言われるまま撮らせていただいたもので。あの時、尋ねましたが、上手くはぐらかされてしまいまして。わたくしとしたことが、お恥ずかしい。子供には弱くってですね。いやはや、子供とは不思議なものです。我々には見えぬものが見えているのでしょう。何を言い出すのか、いつも楽しみにさせていただいております。あなたもお分かりですか。ええ、この写真の話が気になると。……良いでしょう。それでは、時間もしばらくございますし、のんびりお話ししましょう。
 この世にはいろいろとヘンな話があるもので、こんな職業ですから、スピリチュアルとは縁遠いわたくしにも、そういった『持ちネタ』はあるものでございます。とは言ってもわたくしの体験した話などではございません。これは、この写真の子供が話していたことです。
 それはこんな話です。