木から落ちてきたのは、
「は...?鳥...?」
一羽の鳥だった。
ぽかーんと突っ立っている僕を横目に、
鳥、否、鳥の死体を回収するマスター。
少し死体を観察して、
「成程ね、じゃあ大丈夫か。」
と呟いた。
何がだよ。何も大丈夫じゃない。
内心そう思いながらマスターに駆け寄る。
「うん、ご苦労様。先帰ってていいよ?」
早く帰りな、と言うマスター。
思い切って聞いてみる。
「いや、そうじゃなくて...その、アリス、は?」
数秒黙った後に、これ、と鳥を指すマスター。
「え?」
「遠隔操作の魔術。本来は人形とかにかけるんだけどね。流石、やる事が非道いね。」
淡々と説明するマスター。
結局、アリスと会う事はなくこの騒動は終わってしまった。
「うるせぇ‼︎」
ここは俺たちの溜まり場なんだぞ!とナツィは鎌でエマの箒を押し返す。
「溜まり場なんて知らないわよ!」
大体アンタ…!とエマが言いかけた所で、かすみがストーップ‼︎と叫ぶ。
2人はかすみの方を思わず見た。
「2階で騒ぐと下に響くから‼︎」
マスターに怒られちゃう!とかすみが声を上げる。
ナツィとエマはポカンとしたようにかすみを見た。
「だから、2人共静かにして」
かすみがそう言い切ると、ナツィとエマは互いの持ち物を下ろして顔を見合わせる。
「…んなこと言われても」
そもそもコイツ誰なんだよ、とナツィがエマを指さす。
「え」
あー、あー、えーとかすみは困惑する。
「そ、その人は…」
「わたしはエマよ」
かすみの知り合い、と言った所かしらとエマがかすみに助太刀をする。
「あ、そうそう!」
知り合いみたいな人!とかすみは慌ててエマに合わせる。
「…本当かよ」
怪しいと言わんばかりにナツィはかすみにジト目を向ける。
かすみはホントだよ〜と笑った。
なんで、本音って恥ずかしくなるんだろう
なんで恥ずかしくなくちゃいけないんだろう
「…お前」
アモンが呟きながら近付くと、サタンは静かに微笑む。
「君を助けてあげる、そう言ったでしょう」
サタンはそう言ってアモンの顔に手を伸ばす。しかしアモンは咄嗟にそれを払った。
「あれぼくのこと嫌い?」
「いやそうじゃなくて」
アモンはそっぽを向きながら呟く。
「…なんか、ありがとう」
恥ずかしそうな顔をするアモンを見てサタンは満足そうに笑った。
「さて」
ぼくもそろそろお暇させて頂こうかなとサタンはくるりとアモンに背を向ける。
「もう1人の“ぼく”がそろそろ起きてくるだろうからね」
そろそろぼくも撤収しなきゃとサタンは伸びをする。
「…お前、何言って」
「あ、ぼくこう見えて二重人格なんだ」
サタンの思わぬ発言にアモンは…は?と驚く。
「ぼくは元天使長“ルシファー”の別人格」
例の反乱を率いてたのはぼくの人格さ、とサタンは笑う。
「…はー」
アモンは呆れたようにため息をついた。その様子を見てサタンはふふふと笑う。
「そういう訳で、またね!」
ぼくの愛しのアモンきゅんとサタンは笑顔で手を振る。その直後、糸が切れたようにサタンは倒れた。
少し前にナニガシさんも参加したリレー小説『少年少女色彩都市』のキャラクター設定を、ナニガシさんの主観で雑に乱暴に書いていきます。より詳細な設定は原案のテトモンさんや企画者の点Pさんがきっと書いてくれる。
・叶絵さん
芸術:イラスト/ポップなアニメ調の人物画(部分)、ダークなアニメ調の背景
衣装:ピンクいワンピース風の衣装
本作主人公。イラストを描くことだけが取り柄の少女。妹が優秀過ぎてコンプレックスの塊。プレリュードが前奏曲であることだけは何故か知っている。得意分野はポップな感じの人物画とダークな感じの背景。鳥さんも描ける。でもこの子、全身画描けないんだよな……。多分SNSや投稿サイトに絵を出しちゃいけないタイプ。ちょっとでも叩かれたら唯一の取り柄もへし折られて死ぬしか無くなる。
・薄紫色の少女
芸術:イラスト/トゥーン調モチーフ不問
衣装:華美な装飾の薄紫色のワンピース
リプリゼントルの中でも特に強い部類らしいリプリゼントル。クソガキ。ちっちゃくて(重要)強い。嫌いなものは嫌いと言う子。彼女がものを描いてる描写はナニガシさんしか描いてないからナニガシさんがいくらでも設定用意して良いよね。ちなみに本名は知らないけどナニガシさんは臼村早紀(仮称)って呼んでる。ウスムラサキ。本名気になるね。
・和湯典礼
芸術:演奏/バイオリン
衣装:燕尾服
音楽を得意分野とする少年。バイオリンを描いて演奏すると相手は干し肉になる。コワイ!
けど燃費がたいへん悪いようで1日に何度も戦えない。あとお兄さん、演奏専門の割にきちんと弾けるバイオリン用意できるなんて、絵ぇ描くの上手いねぇ。やっぱり普段から見慣れてるものは描きやすいんだろうな。
・和湯のお姉さん
少年の姉貴。本名はテトモンさんの頭の中にある。元リプリ。ガラスペンはまだ持ってるけど、芸術性は既に枯れかけてるらしい。そりゃ有能な芸術家は早逝なもんだけど、芸術性だけ死んでるなんて何があった?
白蛇から下りた芸術家さんをエベルソルから守るため、まずは防壁を生成する。次いで両脇を固めた避難路を形成し、避難を指示した。
「避難完了ヨシ。……さて、あの人の避難に最後までついて行ってあげるべきか、新人くんの戦いを見守っておくべきか……そうだうさぎさん」
腕の中に抱いたままのうさぎさんに声を掛ける。
「あの人について行ってあげてくれる?」
うさぎさんは私の腕からするりと抜け出し、芸術家さんの後を追うように走り去っていった。
「民間人の警護ヨシ。新人くんは頑張ってるかなー?」
階段を生成し、防壁の上から顔だけ覗かせる。新人くんは2頭の馬を前衛にしながら蛇に攻撃させ、また別の何かを描いている。今度は何を描くのかな?
結構大きい動物みたいだ。がっしりしていて、重厚な体つき。太い四肢。鼻から生えた太い角。
あれだ、シロサイ。アフリカゾウの次に重くて大きな陸生哺乳動物。
新人くんの指揮で、サイが突進する。馬たちが横に躱すのと同時にエベルソルと衝突し、敵を数mもふっ飛ばしてしまった。
「そのまま、轢き潰せ!」
新人くんの指揮に従ってサイはエベルソルに突進し、その重たい全身を使ってぺしゃんこに潰し倒してしまった。
“対策課”の一室。その入り口に近付く気配に、少女は仲間たちに無言のアイコンタクトで意志を伝えた。仲間たちもまた無言で頷き、陣形を完成させる。
そしてドアノブが動いた瞬間。
「突撃! 殺せぇー!」
少女の合図と同時に、入室してきた人間に少女らが一斉に飛びかかった。瞬く間にその人間をうつ伏せに押し倒し、少女は背中の上に飛び乗った。
「いっひっひっひっひ……制圧完了」
満足げに笑い、少女は押し倒された人間――その呪術師の男性の背から下り、仲間たちに解散の命を送った。
「やあ、イユ……また新しい手口かい」
呪術師の男性が苦笑し、立ち上がりながら少女――イユに呼びかける。
「ああ、こないだ本で読んだんだ。たしか……何つったっけ? ソラ、あれ何ていったっけ」
小学校低学年程度に見える小さな少女、ソラはおずおずとイユの隣に近寄りながら答えた。
「たしか、ねっさつほーきゅーっていうんだよ。ミツバチがスズメバチを取り囲んであっためて殺すの」
「そうそれ。流石にちと数が少なかったかな。いくら私らの体温がぽかぽかといっても、さすがに3人ぽっちで蒸し殺すのは難しかったか。おい呪術師ィ、あと10人くらい仲間増やせよ。その時はきっちり熱殺してやる」
「そうかい……努力するよ」
最後の1人の仲間、2人よりいくらか年上に見える少女、サユリが2人の近くに寄っていったところで、呪術師の男性はあらためて3人に向き直った。
「それじゃあ、出掛けるよ。ソラ、通信手をお願いできるかな」
「うっわまた私にそういう面倒なの押し付ける……」
それまでの自信なさげに背中を丸めた姿勢は変わらず、表情と口調だけは刺々しくソラが答える。
「イユ、人形のストックは?」
「そこの机の上にあんだろー。個数はまだそれなりだし、この間発注した分は明日到着だし。あ、私に荷物持ちなんかさせんなよ? させたら殺すからな?」
「分かってる分かってる……」