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崩壊世界見聞録 5

夕飯の支度を初めてて数分。
あ、とカナが声を上げる。

「どうしよう、魚もうないや。」
「何ッ⁉︎なんだと....⁉︎」

エミィが大袈裟に嘆く。
カナはそれを腕組みをしながら見つめ、じゃあ、
と口を開いた。

「近くの川でなんか獲ってくるよ。」
「うむ、気をつけろ。」

獲ってくる、と耳にした瞬間、コロッといつもの
態度に戻るエミィ。
猫らしいと言えばそうなのだろうが、何となく癪に障らないでもない。

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愛することって

私は誰?
あなたは誰?

友達?
好きな人?

誰だと思いますか?

愛することってなんでしょう?

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 21.ティアマト ①

寿々谷は、ありふれた街だ。
人口は数万人程で、駅前だけが栄えている微妙な所。
駅から離れてしまえば住宅地がずっと広がるし、他の市や町との境界付近には田園地帯が出てくる地方の街。
少し前まで、わたしにもそう見えていた。
…しかし、今は違う。
この街、寿々谷は常識の外側の存在が多く暮らす不思議な街だったのだ。
当たり前のように常人の目につかない所で常識の外の存在がその力を発揮している。
この街は、”普通の街”ではなかったのだ。
そんな街のショッピングモールの屋上で、わたしは”常識の外”の存在の会話を聞いていた。
「いや~小学校の頃から一緒の榮もヴァンピレスと繋がっているとは、夢にも思わなかったよー」
やー、大変大変と前髪をカラフルなピンで留めた短髪の少女、雪葉は頭をかく。
「…本当よ」
まさかあたし以外の異能力者であいつに協力している子がいるなんて、全くの想定外だったわと長髪にメガネの少女、穂積は呟いた。

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Side:Law in Black Market 世界観

舞台は近未来の世界。自律ロボットもサイボーグも多分いる。
約200年前、人類は滅亡の危機に瀕した。理由は不明。紙媒体の資料はポスト・アポカリプスにおいて『燃料』として消えてしまったから。デジタル・デバイスは生きているが、重要な情報は大部分が厳重に保管・秘匿されているため、真相を知る人間は少ない。
人類は世界各地のメトロポリスの高層建造物群を利用し、上へ上へと逃げるように移住していった。やがて彼らはそれぞれの役割に応じて、そのスカイ・スクレイパー群に3層に住み分けるようになる。
地表から100m以上の上層〈アッパーヤード〉。総人口の約2割、主に有力者や権力者が住み、デジタル・メモリを利用した情報・記録の保存と各スカイ・スクレイパー群の統治を目的としたエリア。
〈アッパーヤード〉より下、地表から40m以上の〈グラウンド〉。建造物の隙間に橋を渡すように増築された『地表』が総面積の約7割を占める、一般市民の居住区。
そして、〈ブラックマーケット〉。正確な規模や面積は一切不明で、地表から〈グラウンド〉や〈アッパーヤード〉の高さにまで食い込んでいることすらある、人格や思想故に民衆から『あぶれざるを得なかった』ドロップアウター達が最後に辿り着く危険地帯。
〈ブラックマーケット〉の領域内において上層の『法』は適用されず、ただ『商品価値』を示せる限り生を許されるという『掟』だけで回っている。『価値』を失った人間は、最後に残った『肉体』と『生命』を『価値』が分かる人間に『活用』されることになる。

物語の主な舞台は〈ブラックマーケット〉。ドロップアウター共が己の『価値』を武器に現世の地獄を生き抜く、そんな歴史の端にも引っかからないような、ちっぽけなお話。

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企画「Side:Law in Black Market」

たしか先々月くらいだかにここにブン投げたフリー世界観『Side:Law in Black Market』ですが、ちょうど良く月が新しくなったので、これを機に正式な企画にしようと思います。期間は今年の夏休みが終わるくらいまでを目安にしましょうか。
レギュレーションについては簡単。本世界観「Side:Law in Black Market」を元ネタに、SSなりポエムなりキャラクター設定なりその他もろもろ好き勝手に書いてくださいって感じ。どうせ素で道を外れた世界観なんで、反映されるギリギリを攻めてくれてもええんやで。
設定についてはタグから飛んでもろて……って言いたいんですが、一応雑に書くだけ書いときますね。この書き込みが反映されたのを確認してから。

企画に参加しても良いよーって方がおりましたら、タグに「Side:Law in Black Market」か「SLBM」か「さいどろ」と入れて作品を投稿してください。おすすめは2つ目。1つ目は長すぎるし3つ目はきな臭ェ世界観に対して字面がちょっと緩くない? 緩くないか。緩くてもまあ良いか。

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五行怪異世巡『天狗』 その⑬

数分して、青葉と天狗のもとに種枚も合流してきた。
「うぁー……? おや青葉ちゃんよ、捕まえたのかい?」
「あ、はい。どうにか」
「そりゃめでてぇや。そこ、代わってくれるかい?」
「はい、どうぞ」
天狗から離れた青葉に代わり、種枚が天狗の身体の上に腰を下ろし、〈薫風〉の柄に踵を乗せた。
「そんじゃ、オイ天狗」
「な、何だよ……?」
やや怯えた表情の天狗の眼前に鋭い爪を具えた指を突き付け、種枚は顔を寄せた。
「現状、貴様の命は我々が握っているわけだが……ここは上位者らしく貴様に死なずに済む可能性を提示してやる」
「なっ、『上位者』だと……⁉」
反抗しようとした天狗の顔を片手で掴み、僅かに握力を込める。
「馬鹿め、話は最後まで聞け雑魚妖怪が」
「…………!」
「良いか? おい天狗、私たちの仲間になれ」
「ナ、ナカマ……?」
「ああ。本来なら人間相手に悪さする阿呆は容赦なくブチ転がす所存なんだが……。安心しろよ、同類なら身内にいる。悪いようにはしないさ」
「……何をすれば良い?」
既に抵抗を諦めて脱力していた天狗に問われ、種枚はニタリと笑った。
「良い子だ。人間相手に悪さする阿呆を懲らしめてくれりゃあ良い。貴様はあの子……青葉ちゃんの下につけ。貴様の生死は単に、貴様があの子の機嫌を損ねないかにかかっている。ふざけた真似はするなよ?」
天狗の額に、出血が起きる程度に爪を強く押し付け、肩の〈薫風〉を抜いた。

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台本もカンペもない
一発撮りの青春の日々
吉と出るか凶と出るか
それは誰にも分からない
いつか終わりを迎える日までに
納得のいく答えを出せたら