私の特別はあなただけ
私の頭の中は
起きてるときも
寝てるときだって
あなたでいっぱい
肥大化していく熱で
冷却機なしの頭の中が焼けただれる
喉の奥にずーっとつかえている想いで
眩い仄暗闇の中呼吸困難に陥る
私の特別はあなただけなの
ねえ どうか
私を殺さないで
あなたの特別は私だけ
ずっとそうであってほしいの
そうでありさえすれば
私はこの今際の苦しみの中で
生き続けられる
薄暗い部屋に独りきり
考えても考えても
どうしても私に着いてくるの
分かってはいるのに。
身体の奥で造る
重なり合った色が
私の心に
鈍く刺す
朝日が差す
「おはよう。」なんて。
たまにわたしは
ちょっとだけ事実を隠して話をする
「ずっと片思いしてたんだけどね」
「あの人絶対こっちのこと女として見てないから」
「今日すっごい塩対応されちゃって」
「あーあ、失恋しちゃったなー」
「もしかしてこれ、脈アリかな」
そういうときだけは
普通の恋する女の子になれるから
私の恋は
虚像なのかな
虚像にこんなに悩まされてるとしたら
虚像に5年間も苛められてるとしたら
あまりにバカらしすぎる
あまりにかわいそすぎる
あまりに無駄すぎるし
あまりに気持ち悪い
ああでも
そうかもね
思春期が生み出した
可愛らしい妄想
虚像 幻想 虚偽
悲劇のヒロイン振ってるだけ
禁断の恋に憧れてるだけ
敬愛と恋愛を履き違えてるだけ
恋愛経験が少ないから
一番近くの男性を好きだって
勘違いしてるだけ
だとしたら
私は本当に
自分を騙すのが上手ね
それは咄嗟の判断だった。ブケファルスはカウダを突き飛ばした。それは助けるための行動だったが、カウダは運悪く姿勢を崩してその場で転び、ブケファルスとカウダは共々アリエヌスに丸呑みにされてしまった。
_アリエヌスの体内
「痛ぇー…」
ブケファルスがしたたかに打った背中の痛みに悶えていると、上からカウダが降ってきた。
「痛っ」
「ぐえっ!?おま…は!?食われてるじゃねぇか!!俺身代わりになったのに!」
「仕方ないだろ転んじゃったんだから。あ、でも助けてくれてありがとう」
「どういたしまして…結果的には助けられなかったけどな…あと悪いけどどいてくんね?」
「おっと!ごめんね」
カウダはブケファルスの上からどいて立ち上がる。ブケファルスもゆっくりと立ち上がった。
「さて、ここからどうしようか?」
「内側からアリエヌス倒して出るしかねぇだろ」
カウダはそうだねと小さく呟いてまわりを見回した。なにでできているかわからないが、黒く、なにもないただの広い空間のようだ。
私が恋愛なんて、ヘンな話。
「そういうキャラ」じゃないから、
友達にだって言えないよ。
メイクだって全然できないし、
お洒落もヘタクソ。
仕草とか話し方だってまだまだダメダメ。
でも、
誰にも言えないけど、
応援してくれる人もいないけど、
ほんとにひっそり、
あなたに意識してもらえるように、
あなたの自慢になれるように、
ちょっとずつ、ちょっとずつ、
頑張ってるよ。