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墓想造物茶会 Act 13

「…あ、ナツィ」
来てたの?とキヲンは立ち上がりかけるが、ナツィは無言でその襟首を引っ掴む。
クロミス、タイサンボク、中紅、露夏は驚くが、ピスケスは落ち着いた様子でその光景を見ていた。
キヲンはご、ごめんね!と慌てて謝る。
「ナツィのうさうさ勝手に持ち出し…」
「謝罪なんかどうでもいい」
とりあえずジークリンデを返せ、とナツィは低い声で言い返した。
「わかったから、まずボクを離してよ…」
キヲンはナツィに笑いかけると、ナツィは冷たい目を向けたままキヲンを乱暴に離す。
キヲンはナツィから解放されると、慌てて足元に落ちたぬいぐるみを拾った。
そしてキヲンは、はい、ナツィのうさうさ、とナツィにぬいぐるみを差し出すが、キヲンが言い終える前にナツィはキヲンの手からぬいぐるみを奪い取り、背を向けた。
「あっ…」
キヲンはつい言葉を失い、その様子を見る露夏はおいテメェ!と立ち上がる。
「きーちゃんに対してその態度はないだろ‼︎」
いくらきーちゃんがヒドいことをしたからって、お前までもそうする必要ねーじゃねーか!と露夏はナツィに近づく。
…うるさい、とナツィは言い返した。

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墓想造物茶会 Act 12

「クロミスとタイサンボクと中紅で、よくやってるんです」
で、今日はきーちゃんも一緒に、とクロミスはキヲンの方を見やる。
ピスケスはそう…と言いつつキヲンの方を見た。
キヲンは不思議そうな顔をするが、ピスケスはその場にかがみつつにっこり笑う。
「きーちゃん、そのぬいぐるみはナハツェーラーのでしょう?」
「あ、うん」
「早く返しに行った方がいいわ」
「え」
ピスケスの言葉にキヲンは驚く。
「返すって、でも」
「なにを考えてるのかは聞かないけど、それはアイツが大切にしているものなの」
だから返しに行きなさい、とピスケスは続ける。
「さもないと、来るわよ」
「ふぇ?」
アイツが…とピスケスはキヲンの後方に目を向けた。
キヲンはつい首を傾げるが、目の前のクロミスたちが急に慌てたような顔をし始めたので振り向く。
その背後には、黒髪でゴスファッションを着て背中に黒い蝙蝠のような翼を生やしたコドモ…ナツィが立っていた。

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墓想造物茶会 Act 11

「確かに」
勝手に自分のものを持ってかれたら誰だって困るわよ、きーちゃんとキヲンの右隣に座る紅色の長髪とキツネのような耳を持つコドモは腕を組んだ。
「うーん、そうだけど…」
でもこの子がかわいそうだし〜とキヲンは口を尖らせる。
「それに、ナツィは家に帰りたくないってかすみのところにいるから、どうにかして家に帰る気にさせたいんだ」
だから、仕方ないのとキヲンは開き直った。
3人のコドモたちはつい黙り込むが、ここで屋上の塔屋の方から、あらお茶会?と声が飛んでくる。
キヲンたちがそちらの方を見ると、青い長髪のコドモ…ピスケスと、赤髪でキャップ帽を被ったコドモ…露夏が立っていた。
「あ、ピスケス! 露夏ちゃん!」
キヲンが思わず立ち上がると、ピスケスは楽しそうねぇと言いながら歩み寄ってくる。
「クロミスたちが主催なの?」
「あ、はい」
ピスケスがそう尋ねると、クロミスと呼ばれたヒレ耳のコドモは慌てて背筋を伸ばして答えた。

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墓想造物茶会 Act 10

昼、とある大学の敷地の片隅にて。
昼休みの時間になって多くの学生、教職員が食堂や空き教室、敷地内の芝生で昼食を摂っている。
そんな中、敷地の片隅にある建物の、普段は立ち入り禁止になっている屋上で、奇妙なコドモたちがお茶会をしていた。
「…それでそのうさちゃんを?」
「うんそうなの!」
髪が水色で魚のヒレのような耳を持つコドモがウサギのぬいぐるみを抱える金髪のコドモに尋ねると、そのコドモ…キヲンは明るく頷く。
「ナツィがお家に帰らないでかすみの所にいるっていうから、このうさうさもお外に出られなくてかわいそうだと思って」
「へ、へぇ…」
そう言うキヲンに対し、キヲンの左隣に座る植物の葉のような髪を持つコドモは引き気味に返した。
それを見て、どうかしたの、タイサンボク?とキヲンは聞く。
タイサンボクと呼ばれたコドモはい、いや…とビクビクしながら答えた。
「勝手にナハツェーラーのところからその子を持ち出しちゃって、大丈夫かなぁって…」
絶対怒られるんじゃ…とタイサンボクは続ける。

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墓想造物茶会 Act 9

「聞くなよ…」
そうこぼして、ナツィは丸くなった。
キヲンはそんなナツィの様子を微笑ましげに見ていたが、ふとベッドの枕元の見覚えがある白いウサギのぬいぐるみが目に入る。
「…」
それから数分後、部屋からキヲンが立ち去るような足音がしたのでナツィが部屋の入り口を見ようと寝返りをうつと、枕元にウサギのぬいぐるみがないことに気づいた。
「えっ」
ナツィは慌てて起き上がり、辺りを見回す。
「…まさか」
ナツィは思わず呟いた。