ある生き物とある生き物の会話 その2
「ねえ、コーヒー飲む?」
「いただこうかな」
「砂糖とミルクは?」
「どちらもいらないよ」
「君はいつもブラックだね」
「いつもというわけじゃないけれどね、だいたいブラックだ」
「苦いのが好きなの?」
「いや、甘すぎるのは嫌いだけど、甘いものが嫌いなわけじゃない」
「じゃあどうしていつもブラックなのさ」
「格好いいからだよ」
「ブラックの方が?」
「そうだよ、ブラックコーヒーを飲んでクールさをアピールしようと思ってね」
「そうかい、僕は純粋にコーヒーが好きだよ」
「僕のイメージでは、コーヒー好きと名乗る人は、ブラックで飲むよ。君みたいに大量に砂糖を入れない」
「決めつけは良くないな。全世界の砂糖の入ったコーヒーをこよなく愛する人に謝った方がいい」
「ごめんなさい」
「うん、じゃあ今日の君のコーヒーは砂糖入りだ」
「あぁあ、僕のクールさが」
「まぁいいじゃないか、たまには可愛さをアピールしたって」
「仕方ないね、まぁそんな日もありかな」