君を少しだけください 僕を少しだけ分けるから 薬指に僕らのこころをそっと嵌める ほら。染まっていく 本当のことは、これから聴くよ 良いかい? 「 」
声のある夜を幾度となく越えて それでも足りないこころでなんとか君を抱き締めた 触れることはまだ叶わなくて、懸命に 線香花火のように、僕らは儚くはないから どうか安心して待っていてよ いつかのときを、待っていてよ。
大丈夫じゃないときは、 大丈夫とか 言ったらダメだよ
たぶん、ただ寂しいだけで 隠すのは強がりなんだって ねえ、君を抱き締めても良いかな? 言葉なんてなくても 本気だって 君なら。
ゆっくりと空気が冷えていく 早くも鳴き始めたひぐらし 1日をもっと上手く過ごしたいけど いつもそうとはいかないみたい 声だけ言葉だけ かくれんぼして見つけたんだ 君を失うことなんて考えられない 夜から朝へ タイムリープのような好き 明日も僕は、君が好き。
肘から小指に、雫が一つ 伝って湯船に落ちたから、 ここは神様の箱庭の映し絵だね。 湯けむりの汗をかいたグラスの、傍らにそっと 手垢のしみた文庫本を 古びた蛍光灯が照らして 重たい瞼を 押さえて、 泣きたかった。 ため息、ひとつ。 おやすみを云うのは ぼくじゃなくて、 きみでもないのかな、 だれかの声を 聴いた 気が し て
あの夏の恋だって いつか離れていく日が来るのかもしれないけど、また思い出したように君は来るんだろうね 悲しい話はこれでやめにしよう 笑って楽しい話だけしてよう 写真にも言葉にも残さずに、記憶にすら留めず それは愛してることになるのかって ふたりだけの、秘密だよ 夏はまた来る あの日と違う季節として。
時が戻らないと知ったのはいつだったろう 戻らないと知っているくせ、あの頃は 忘れられない記憶の中で 抜け出したいまを抱き締められたら 少しは幸せになれただろうか 君の声が必要なんだ 触れられなくて良い 貪欲にあれば、魔法のように消えてしまうから。
星屑 とじこめたレジン パインあめ ふたつ 嚙みくだく退屈はつるつる 私じゃ消化できない幸せ
寄せては返す波のように 波紋も、このこころには広がっていく 淋しさは奥深く 触れることは止めたんだ ねえ、君には見えていたかい? でもさ、君のそれに僕が気付けていたかどうかなんて、分からないんだ 聴けば良かったんだろうけど、きっと怖かったんだろう 嘘か真実かなんて、思ってる以上に分かってしまうんだよ。