ぼくだけの場所。
日光を含んだ温かい瓦に、素足で降り立つ。
道行くおばあちゃんたちは、空を見上げるだろうか。ぼくに、気づくかな。
ちょっとだけどきどき、ぼくの内緒のやさしい時間。
あったかい日差しと鳥の声、向こうの方で聞こえる こどもの声と車の音。
空気は昔から澄んでいるけれど、たまに枯れ草燃してる匂いが混じって、なつかしいおじいちゃんの匂いがする。
見上げる空に雲はない。真っ青にどこまでも広がって。
イヤホンなんてしなくていい、灯油屋さんの歌う声、飛んでく飛行機の音、全部がやさしいBGM。
自分が今ここにいることを一番深く感じられる。
あぁ、ここが、いつまでも変わらないぼくの生まれた場所なんだな。
【姉の部屋にはあるけれど、あたしの部屋にはないんです、ベランダ。笑 昔こっそり出てみた屋根の上、すっごく気持ちがよくて。でもちょっぴり怖いから、窓から足をなげだして座ってるのがちょうどいい。】