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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んでくださると嬉しいです。

トントン。私は先生がいる部屋の扉を叩く。
『先生?入ってもいい?』
爆発音とともに、
「ちょっと待て」という声が聴こえる。

5分ほど経つと扉が開いた。
「お待たせ。」
『先生、また魔法の薬学してた?』
「あぁ。少しだけだ。」
先生は魔法を使った薬学を“隠れた専門教科”としている。
先生の使う魔法の薬学はとても綺麗で素晴らしい。
『今日は失敗したの?』
「掛け合わせができると思ったのだが何処かで間違えてしまったようだ……。 片付け、手伝ってくれるか?」
『えぇ。もちろん。その代わり、チョコレートね。』
「わかってる。魔法の事は誰にも言うなよ。」
『もちろん、わかってるわよ。』
私は魔法使いでも魔女でもない。
いや、普通はみんなそうだ。でも私は、夢のような彼の秘密を知っている。

手伝いをしながら彼に問う。
『ねぇ。先生の魔法の事、私にバレたけど何もないの?お仕置きとかさ。』
「君が黙ってるから何もない。私も何も言わない。」
『誰かが魔法を使ったら、“魔法の存在がバレた”って事がバレるんじゃないの?』
「あぁ。もうバレてるだろうな。」
『大丈夫なの?』
「君が秘密にしてくれているんだ。何もないだろう。」
私は“そっか”といい一息つく。
『だいぶキレイになったんじゃない?』
「そうだな。元通りだ。」
『良かった 良かった。』
「そういえば、何か用事があったのでは?」
そう言いながらチョコレートを渡してくれた。
『えっとね〜……。 忘れた……。』
「まぁいいさ。思い出してからまた来るがいい。」
彼はホットミルクを差し出す。
『ありがとう。……魔法の事、先生にお仕置きがなくて良かったよ。』
先生と話したかっただけとは言えなかったが、帰宅のチャイムがなるまで話し合っていた。

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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んでくださると嬉しいです。

『あっ。また意地悪してんの?先生。』
私のかけた声で、
意地悪されていただろう他の生徒が逃げる。
「私は意地悪なんてしていない。何処がそう見えるのだ?」
『先生、悪い顔してるけど?(笑)』
「私の何処が悪い顔なんだ??」
本気で問いかけてくる。
『ふふふ。嘘。私は先生の事知ってるから、悪い顔だとは思わない。たださ、もう少しだけマシな顔できないの?(笑)』
「笑うな。私にとったらこれはマシな顔だ。」
『そんな顔じゃあ、ただでさえ意地悪な先生がもっと意地悪に見えるわよ?』
少しだけ俯いた様に見えた。
『私は先生の事を知ってるから、なんで先生が意地悪してるか知ってるけどさ…』
「意地悪じゃない。」
先生は私に隠そうとしているが私は知っている。
意地悪する時には必ずニヤリと笑うのだ。
途中で話しを遮った先生を無視して続ける。
『他の生徒からしたら贔屓とか言うやつになるのよ〜?』
「贔屓をしているのはあっちの方だ。」
『それは何年も前の話でしょう?貴方が同じ事繰り返してどうすんのよ、先生。』
少しだけ考えて先生が口を開く。
「私は私なりに守ってるつもりだ。」
彼は自分なりのやり方で生徒を守っているのだ。
『わかってるわ。でも意地悪するのも程々にね。』
先生に手を振り、進路を元来た道へと戻す。

後ろで“アイツらを逃してしまった”と声がする。
私は微笑みながら彼に想いを馳せる。
彼の意地悪は、彼が学生のときにうけた傷のせいだと知っているのはこの学校で私だけだろう。
もしあの悪戯と言う名の虐めがなければ、彼はとても良い人になっていただろうに。
彼は何処でひん曲がってしまったのだろうか。

………ため息をつきながら、次の授業へと向かう。