表示件数
0

黄色いおにいちゃん

黄色いおにいちゃんは、いつも黄色。髪も、服も、靴も。
ぜーんぶ黄色。笑顔も、明るくて、太陽みたい。
そんな黄色いおにいちゃんは、毎日公園にやってくる。
「何してるの?」
「ん?掃除だよ」
「何で?」
「何ででしょうか」
ちょっと意地悪だ。でも好きだ。僕は黄色いおにいちゃんみたいになりたい。
「おにいちゃん何歳なの?」
「何歳だと思う?」
「う~ん。25歳!」
「ブブ~」
「え、じゃあ正解は?」
「教えな~い」
やっぱり意地悪だ。でも僕は好き。好きというか憧れているのかもしれない。
「お家どこ?」
「あそこ」
「あそこってどこ?」
「あそこはあそこ」
ほらね、やっぱり。何だか、本当に僕のおにいちゃんみたい。もし、25歳だったら15歳くらい離れている。だけどいつも、放課後ここに来て遊んでくれる。
「明日も来る?」
「分からない」
「来てね」
「君は来るの?」
「うん!」
「じゃあ来ない」
「え~!なんでよ!!」
黄色いおにいちゃんはヒヒッと笑った。目の間、鼻の上、そこにしわを集めてクシャっと笑う顔も僕は好きだ。
少し真似をしてみたけれど、変な顔と言われて、またその顔で笑われた。僕は笑われるのが嫌いだけど、なぜか黄色いおにいちゃんだけは悪い気分にならない。おにいちゃんが笑うと、僕も笑いたくなる。

1

神様が与えた私たちへの罪 No.1

「あ?今何て言った?」
「だから、そこどけよって」
「お前いい加減にせーよ。俺は今ここにおるからどかんで。あっち通ったらええやんけ」
「いや、周りの迷惑って分かってないん?アホちゃうか」
「アホで何が悪いねん」
また、戦いが始まった。ヒロトとユウタが取っ組み合いになって、周りにいた生徒が先生を呼びに行く。お決まり事だ。
私はというと、本を読んでいる。これもお決まり事。
こんなやつら、無視しておけ。
それが私の考え。
すぐに、先生が止めに来た。ヒロトの方が顔を真っ赤にして教室から連れ去られていく。それに対してユウタは冷静だ。もう1人の先生が事情を聞いている。
「ねぇ、みっちゃん、またケンカだね。何であんな怒るのかな?素直にどけばいいのに」
「うん。でも、私たちには関係ないでしょ?ほっとこ」
コウは優しく声をかけてくれる。でも、照れくさいからいつも素っ気ない。本当はしっかり話したいけど。

5時間目を告げるチャイムがなった。
国語か。国語は好きだ。本が好きなのだから。

5時間目終わりを告げるチャイムがなった。
あと1時間。6時間目は総合。楽だ。

家に帰っても、お菓子を食べて、本を読む。ただそれだけだ。
あともう3ヶ月もしないで卒業。
中学生だ。

0
0

1月1日君と一緒に No.9 ~結花Var.~

家に帰ってきた。何とも言えない気持ち。
これ、開けてみようか。
袋をビリビリ破っていくと、アルバムが出てきた。それも、新品のやつ。
開けてみると、手紙らしきものが入っていた。

『結花へ
今までありがとう。少し長くなるけど、最後まで読んでね。
私は、友達なんかいらないって思ってた。ずっと一人で良いって。でも、あの日結花が声をかけてくれて、変わった。素直に、この人と友達になりたいって思ったの。でも、その後すぐに転校の話が出て私は、すごく悲しくて、寂しくて、泣いた。何回も。もっと一緒にいたいって思った。○○の話ももっといっぱいしたいって思った。
ごめんね。こんな早くに。また絶対会えるって信じてる。
アルバムは、空の写真を撮って入れてほしいなって思ったの。○○の歌詞に、[離れていても、空はどこまでも繋がっている]ってあるじゃん?それがすごく好きで、私たちみたいだな~って思ったの。それで、毎日でも気が向いた時でも良いから撮ってほしい。それでこれに入れてほしい。この空の向こうでお互い頑張ってるって実感してほしいな。
本当に今まで楽しかった。転校先でも頑張るから、結花も頑張ってね!大好き!
Sweet dreams!!
小春。』

読み終わった後の私は、嬉しさもありつつ、絶句した。