常勝のダイヤ#4
風が室内練習場の窓を揺らし、あの大声援よりは小さく空気は震え、さっきまで差し込んでたオレンジの光も西に引きずられている。
パスン!!!!(もう何球投げた?)俺の頭の中で今日あの一球のように投げられたボールはだれもいないホームベースの上を飛んでネットを揺らす。一球投げるたびに後ろに高々と飛んでいく白球の気配がして目をつむる。
おrrrrreあ!!!!!!!!!!!! パスっっっ!
最高球速148キロの自信のあるストレートを受けても、何もなかったかのように元の位置に戻るネット。まるで俺の無力感を突き付けられたように感じた。
「なにやってるんだ、俺は」常勝の大東参賀のエース。甲子園でも投げた。今までのものはなんだったんだ、、気づけば俺は思い切り振りかぶり、自分の前へ投げた。もう、視界はゆがんでいる。溢れるものが、足元の土を湿らせていく。
バシンっっっ!! (え、)
「ナイスボール。気持ち入ってんじゃん」 橋爪、、、、
不意に隣で音がしたカキンッ!!!
「まだまだ!甲子園行くんや!」田中、橋本、、、、
「小宮山、スライダーってどうやってなげてるん?教えてや!」垣間、、、
『おっしゃ、キャッチボールからやろか!!!』一人だったはずの場所にみんながいる。 そうだよな、、、
「キャップ!泣かないでくださいよ!俺たちも頑張りますんで!!」
みんな、ありがとな、、、!!!「声出してこうっ!!!!」『よぉし!!!』