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上流

私は原付バイクを買った。中古で安かった。

理由は単純、コスパとタイパの改善。自転車が面倒だ。
現代人の皮肉を日々考えてから寝るような、いやーな毎晩を送っている私には、少し負けた気がしたが、口角はどうだったのだと聞かれれば、頬を掻いてそっぽを向くしかないだろう。

ものはホンダのハンターカブ。
ここ山梨は上野原。不便なもので、バイクを買ってからというもの、都会でいう歩きとようやく同等になれた気がする。

ただの移動では勿体無い気がした。何か刺激が欲しかった。夢も特に何もなく成り行き任せに生きているせいで、成績もぼちぼち、高校も中の下、そんな私は今更何を思った。

「この文のタイトルは色彩となっていますが、なぜ色が一切ないこの詩において、タイトルは色彩なのでしょうか?意見をタブレットで配布したシートに入力して10分後提出してください。」
なーにが色彩だ。

皮肉なものだ。ノートの価値はどこあやら。

あ、また始まった。私の皮肉思想。
、、、、、、、歩きの距離、、、、、、、、
いや、、、、ダイパだとかコスパだとか頼ってケチケチしてて、いままで何か変化があっだろうか、いやなかった。確実に言えるな。

「ふぁっ疲れたぁ。」
『お疲れ様。はい、水。』
「ありがとう。」

南下して東海道。国道1号線に合流して、一度東京に行ってから、折り返し。
「もうやだよーこんなぁ。」
串本岬。横に止まっているのは私と友人のハンターカブ。

『じゃぁその口角はなんなんだよ。』
喉の奥で笑いながら言っている。
私は、頬を掻きながら言う。
「別に。」

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ファースト・テンプレート 3

『おぉ済まんな中木』
「いいぇ、なにかあったんですか?」
迂回路はかなり正解だった、30分ほどで会社に戻れた。あとでこのSUVを洗車にでも連れてってやろうと思った。
会社に着くなり、私は会議室に来るよう言われ、数時間前のデジャヴのような感じがした。
本来私がいるべき場所ではない。私の地位は社内では上の方とは言え、次長。この社内で会社の重要なことを決める『本会議場』にいるはずがないのだ。
パンっ!
副社長の来栖が一つ手を叩く。
『今回、社長、専務、営業管理部長の三名をのぞいたみなさんに集まっていただきました。結論から言いますと、先の三名は来週書類送検される予定です。』
あまりに急すぎる、会議室がざわめき出した。
『緊急で先ほどここのメンバーでのグループLINEを作りました、そこに音声ファイルが共有されているはずです。』慌てて他の役員がスマホを取り出す。取り乱しているのだろう、普通は会議が終わった後に確認するはずだ。
ん?
なんだろうか、来栖が私に視線を送った。冷静だと思っていた自分が冷や汗をかいていたことには、そこで初めて気がついた。
走馬灯のようにめぐる思考。払い切れていないローンに、会社の規模からに起こる明らかなイメージ低下、それによる減給。転職か?それしかないだろ。どこに転職か?妻にはなんと言えば良い?
とりあえず、この会議、嫌な予感がする。私の転職を許さない何か、また、これからの現実を押し付けられら何か。