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魔法少女学園都市レピドプテラ:魔域の妖女たち その①

新学期が始まってからおよそ3週間。浮ついた世間の空気が落ち着いた頃合い、ボンビクス・モリとアンテレア・ヤママイは、とあるビルの最上階にある部屋を訪れた。
「たいちょー、来たよー」
「メタちゃんたいちょー」
2人の呼びかけに、先に部屋にいたリトルブラックドレスの少女、エウメタ・ジャポニカは振り向いた。
「もー、2人ともやめてよー。『隊長』は恥ずかしいって……」
「はーい。で? メタちゃん。今日のターゲットはどこ?」
「あっちだよ。ほら」
エウメタは二人に双眼鏡を渡し、眼下の街を指差した。
「あそこの爆発してるところ」
エウメタに言われて、双子は双眼鏡を覗くと、黒煙の中で、人間大の何かや異常に大きい何かが蠢いているのがうっすらと確認できた。
「暴れてるねぇ……」
ボンビクスが言う。
「あれを大人しくさせれば良いの?」
アンテレアが問う。
「うん。煙のせいでどんな子がいるかは分かんないけど……まぁ、私たちなら大体どうにかなるよね。行くよ? モリちゃん、移動はお願いね?」
エウメタが窓ガラスに触れると、直径2m程度の穴が開いた。
「りょーかい! テンちゃん、結界!」
「うん、お姉ちゃん!」
アンテレアの安定化結界の中で、ボンビクスは3人を纏めて糸で包み、空中に飛び出した。
3人が去った数秒後、窓ガラスに開いていた大穴は、独りでに元の状態へと戻ってしまった。

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魔法少女学園都市レピドプテラ:魔域の妖女たち プロローグ

新学期が開始し、始業式より数日前。
ボンビクス・モリとアンテレア・ヤママイの双子は、甜花学園生徒会室に呼び出されていた。
入室した2人を出迎えたのは、先代生徒会長ササキア・カロンダだった。
「あっ、生徒会長だ」
「くぁちゃんに負けた人だ」
「なんでいるの? 留年?」
「負けたから卒業できなかったの?」
2人の不躾な言葉に、ササキアは溜め息を吐いた。
「失礼だな貴様ら。卒業はしているわ。今は鳴華大学に籍を置いている」
「へぇー、大学生」
「何の勉強してるの?」
「まだ講義は無いが……心理学部にいる」
「「似合わなーい!」」
「張り倒すぞ……」
ひとしきり言い合い、本題に入る。
「で? なんで私たち呼ばれたの?」
「やっぱり編入は無しって話?」
双子の言葉に、ササキアは首を振る。
「いや。これは生徒会長から伝えることだろう」
ササキアが目を向けた先、生徒会長の座には、1人の女生徒が座っていた。
「誰⁉」
「いたの!?」
「いたよぉ……。初めまして、2人とも。私はアマトゥラ・メティス。今年の生徒会長の任を受けた者だ。よろしくね」
アマトゥラは軽く手を振りながら、挨拶を済ませた。
「さて、本題に入るね。君達には、我が校で新設する“特殊部隊”に入ってもらいたいんだ。……いや、正確には『命令』だね。ここに籍を置く以上、君達に拒否権は無い。で、件の部隊だけど、名を〈蚕食〉。編成は君たちを含めて3名。そして、隊長は君達もよく知る子だ」

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廃都鉄道 right 1

ーーーガタン。

心地良い振動に目覚めると、まだ見慣れない街並みと、数名の乗客が目に入った。
どうやら、電車に乗っているうちに、寝落ちてしまったらしい。

『次は〜、廃都大鉄塔通り入口〜、廃都大鉄塔通り入口〜、お出口は左側です。』

車内アナウンスが響き、乗客の一人がいそいそと荷物をまとめ始めた。
自分も鞄を開けて、財布の中身をそっと覗いた。

(やっぱり駄目か〜…)

今の自分の全財産では、どう頑張っても次の次、廃都大鉄塔前駅で降りるしかなかった。
本当は武蔵野門前まで行きたかったのだが、無いものはどうしようもない。

列車はまもなく、廃都大鉄塔通り入口に停車した。
一人の乗客と入れ違いに、いかにもチンピラです、といった感じの若者が乗ってきた。
若者は少し車内を見渡すと、突然、向の座席の男に掴み掛かった。

「おい!お前、この前は散々やってくれたなぁ!」
「何だよアンタ!もう契約は破棄されただろ!」

どうやら男は傭兵で、この若者と何かあったらしかった。
そして、あれよあれよと言う間に、殴る蹴るの乱闘騒ぎになってしまった。
慌てて隣の車両に移ろうと、身を屈めて、忍足で車両を繋ぐ扉へと急いだが、遅かった。
ガキン、という嫌な音に振り返ると、もう、自分の鼻先までナイフの切先が迫っていた。