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続・いじめの魔力 take2

『人を攻撃することは悪、そんなことわかってる
でももうそれでしか変えられない、この恐怖は、それを作るこの空間は!いつかそれが無くなるまで、勝ち続けないといけないんだよ!』

“…違う…多分それは違う…この恐怖は…僕自身が生み出した魔物だ…この魔物に食われないために皆を生贄に出した
魔物から目を背けてきた…僕はただの弱者のままだ!”

『違う!俺は弱者じゃない!だから生きている!この空間で確固たる自分を持っている!ここでやめたら今までの犠牲が、捨ててきた情も、何もかも無駄になる!終わっちゃいけないんだよ!この空間のために!』

“…なら…僕が終わらせる!
あの人に僕の全てをぶつけて答えを出す!”

『委員長に頼って何になる、委員長は俺を助けなかった!そのくせ、いじめは無くせるとかほざいてる。全ての元凶を見てすらいないんだよ、委員長は!』

“違う!あの人は守ってくれてたんだ!だってそうだろ?誰一人として僕に復讐する者はいなかった!まして自殺する者も!新たな恐怖に僕が、誰かが怯えないために!”

『そんなはずない…俺は…間違ってない…委員長なんて…誰とも仲良くする振りをする最低な野郎だ…そのくせ、メリットのない人間は切り捨てる…俺はその被害者だ…』

“そうだ…‘俺’は‘僕’の劣等感が生み出した魔物…
‘俺’にとって1番の敵は‘僕’なんだ…
僕が‘俺’を認めない限り恐怖の全貌は見えない
1度刃を置いてみよう…こんなこと言うのは初めてかな

「お疲れ様」
「おやすみ」
「さよなら」

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"ルンルンBOY”

「ラ~ルラ~リル~ラリ~ルルラ~ン~~」
僕はこの商店街が好きだ。八百屋さんや服屋さん、写真屋さん、ケーキ屋さん…。色んなお店が集まって、色んな人がいる。
八百屋のおじちゃんは「これ、持っていき」ってトマトをくれるし、その隣のおばちゃんはお菓子をくれる。
だから僕はこの商店街の真ん中で、踊り歌っているのだ。
「ラ~ルラ~リル~ラリ~ルルラ~ン~~」
今日もそうしていると、声をかけられた。
「君、何をしているの?」
「え?踊ったり歌ったり?」
「へぇ~。元気だね」
「う、うん。…おにいさん、誰?」
「あ、僕はそこの新しくできた本屋の店長だよ。初めまして」
「初めまして」
その人は20代後半くらいで、優しそうだった。
「君、『ルンルンBOY』って知ってる?」
「『ルンルンBOY』?」
「そう。ドイツの絵本なんだけどね、ある町の少年が商店街の真ん中で踊ったり、歌ったりしていたんだ。そしたら、たまたまそこに王が来て、その王に気に入れられてパーティーに招待されたんだ。そのパーティーでパフォーマンスをすると、一気に有名人になった。そういう話」
「それが…?」
「うん。すごく君に似ていたから」
おにいさんは僕を本屋に誘ってその本を見せてくれた。